底堅いが頭も重い、動きにくそうな雰囲気(11/21夕)

週明け21日の東京市場はドルが強含み。大局的にはレンジ内だが、夕方に掛けて上げ幅を拡大させている。

底堅いが頭も重い、動きにくそうな雰囲気(11/21夕)

底堅いが頭も重い、動きにくそうな雰囲気

〇本日のドル円、140.30前後でのレンジ取引、夕刻140.90近くまで上昇し16時現在ドル高値圏を維持
〇11/15安値137.67示現後は下値切り上げる展開、ただし上値も重く141円台回復の有無に注目
〇本日は10月シカゴ連銀全米活動指数、米財務省2年債入札を予定、米中国防相会談実施の可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは140.10-141.40、141円が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は140円前半をめぐる攻防に注目、割り込むと140円割れ、139.63を目指す展開か

<< 東京市場の動き >>

週明け21日の東京市場はドルが強含み。大局的にはレンジ内だが、夕方に掛けて上げ幅を拡大させている。

先週末、IAEAが「ザポロジエ原発に攻撃と思しき爆発が発生した」と発表し話題に。また、中国を中心に日本などでもコロナ感染者の増加が再び取り沙汰され、冬を前にした感染拡大懸念そして行動制限などの規制強化懸念も高まりつつあるようだ。
そうした状況下、ドル/円は140.30円前後で寄り付いたのち、基本的にはレンジ取引。下値も堅いが上値も重いという値動きだった。しかし、米金利の動きなどをにらみつつ、終盤に掛けてはややドル買い優勢。日中高値である140.90円近くまで上昇し、16時現在ではそのままドル高値圏を維持、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米中関係」と「新型コロナ」について。
前者は、ハリス米副大統領が習中国国家主席と19日に会談を行い、米国は中国との対立を望んでいない旨を伝達したことを明らかに。また、米通商代表部(USTR)もタイ代表が、中国の王商務相と初めて対面形式で会談し、二国間貿易について協議したという。さらに、中国国防省からASEAN関連会議に合わせた、米中国防相会談を開くことに「前向き」なコメントも発せられていた。このまま一気に関係改善へと進むかどうか未知数だが、雪解けの兆しが見え始めていることは間違いない。

対して後者は、日本でも新型コロナの感染拡大がニュースで連日報じられるなか、ロイターでは「中国北京でコロナ感染増加」と報じたうえで、一部地区に外出自粛要請が発令された旨を伝えていた。また別途当局から、半年ぶりとなる「新型コロナウイルスの感染者1人が死亡した」との発表も。一方、それとは別に先週国際会議が相次ぐなか、各国要人などのコロナ感染報道も目に付いた。たとえば、COP27にも参加していた米国のケリー特使が罹患したほか、APECに参加し習中国国家主席の隣に着席していた香港行政長官もコロナの陽性反応が出たという。習氏の体調も気掛かりだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、15日に安値137.67円を示現し、その後は4日連続でドルの下値を切り上げる展開。短期的にはドルが底入れしたと考えて間違いないだろう。ただ、先週そして本日も141円台には一度も届かないなど、ドルの上値もかなり重そう。短期的にはドルの戻り歩調継続が見込まれるが、あまりに上値が重いようだと、再び下値をトライする展開となっても不思議はない。まずは141円台の回復の有無に注目だ。
12月の米FOMC会合を視野に入れつつ、本日も発表される米経済指標や要人発言、米金利情勢には要注意。ただ、それ以外の要因となると、強弱が混在し判断しにくい。たとえば米中関係でいえば、先でも取り上げたように関係改善期待が聞かれる反面、中国のコロナ拡大による規制緩和期待の後退あるいはサプライチェーンへのダメージ懸念などが好材料を相殺させる結果に。情勢をいま少し見極めたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円はザラ場ベースで一目均衡表の先行帯の雲の下限を割り込む局面も観測されているが、NYクローズでは何とか維持している。ザラ場ももちろんだが、とくにNYクローズで一目の雲の下限をめぐる攻防に注意を払いたい。ちなみに、現在は140.30-40円に位置しているが、週末から来週初めにかけては142円台へとレンジを切り上げてくる。ドルの下値は正念場を迎えつつあるようだ。

本日は米経済指標として、10月のシカゴ連銀全米活動指数が発表されるほか、米財務省による2年債の入札なども実施される見込みだ。そうしたなかASEAN国防相会談が23日までの日程で行われるほか、前記したように米中国防相会談が実施される可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは140.10-141.40円。ドル高・円安方向は先週一度も、そして本日も超えられていない141円が最初の抵抗。上抜ければ移動平均の90日線が位置する141.40円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、一目の雲の下限や本日東京安値にあたる140円前半をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと140円割れ、先週末安値139.63円を目指す展開か。

底堅いが頭も重い、動きにくそうな雰囲気

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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