値動き荒っぽいが、それでも徐々に落ち着き
〇本日のドル円、139.85-90で寄りつき、140.60レベルまで上昇するも上値も重く、戻りも限られる
〇ドル円の値動きはまだ荒っぽいが、徐々に落ち着きを取り戻しつつある感
〇米経済指標や要人発言、米長期金利の行方などに注意、相場の波乱要因となる可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.50-140.50、140円前後を上抜ければ140.60-80を目指すか
〇ドル安・円高方向は、非常に強いサポートは138.40、その手前138.80レベルなども弱いサポート
<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場はドルが底堅い。140円台を中心とした値動きながら上値も重く、戻りも限られた。
ドル/円は寄り付いた139.85-90円を日中安値にドルはじり高。発表された日本のGDPが予想を下回るなか、早い時間帯に140円台を回復すると、そのまま140円台での推移となった。ただドルの上値も重く、高値は140.60円レベルまで。16時現在では140.25-30円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「国際情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、引き続き東アジアサミット、そして本20日から始まるG20サミットに絡む話題が多い。また参加者などによる2国間会合の話題も数多く散見されている。たとえば日EUの首脳会談なども実施されたが、やはりハイライトは米中首脳会談か。対面式は3年5ヵ月ぶりの会談となるなか、双方は台湾問題で応酬。習氏は「台湾問題は米中関係の第一のレッドライン(越えてはならない一線)だ」と表明し、米国に警告を発したという。
対して後者は、ロイターがウクライナ農務省の発表したデータをもとに「今年度の穀物輸出は現時点で30%減」とレポート。先行きについても、黒海経由のウクライナ穀物輸出合意が19日に期限切れとなることで懸念されるなか、ロシアのペスコフ報道官が「11日の国連との穀物協議は建設的だった」と述べたことで、一部で合意延長期待が取り沙汰されていた。一方、別途ロシア軍が先週ドニエプル川の西岸から退却した際、主要な電力施設を破壊するなど蛮行が次々と明らかに。それもあり、国連総会において、ウクライナ侵攻によるロシアへの損害賠償を要求する決議が賛成多数で採択されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は年初来高値151.94円から13円以上も下落し、ようやく第1波が終了した感。値動きそのものはまだ荒っぽいが、それでも徐々に落ち着きを取り戻しつつある感も見受けられる。問題は138.50-142.50円、あるいはもっと狭いレンジを形成し、さらに相場変動が沈静化するのか否か。ただ、クリスマス相場入りするにはまだ早いことで、「年内まだ一波乱や二波乱ありそう」といった見方もあり、油断は禁物だろう。
行き過ぎた感もあった米利上げ期待が後退したとはいえ、日米の絶対的な金利差を考えると、ドル高・円安基調はまだ継続する見通しだ。そうした意味では、発表される米経済指標や要人発言、あるいは米長期金利の行方などに注意を払いたい。たとえば米指標が予想外の好数字となった場合には、改めてドルの買い戻しが進み上値を試す可能性もある。なお、引き続きG20サミットなど政治要因も多く、参加者などの発言も場合によっては相場の波乱要因に。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日もレポートしたように、日足が一目均衡表の先行帯の雲の下限(138.15円レベル)割れを一時視界内に捉えられていたが、結局割り込めず。目先の危機は取り敢えず脱したものの、その一目の雲の下限は週末から来週にかけて140円台へと切り上がる見込みだ。一連の過程のなかで、日足がしっかりと下回ることになりかねない。そうした意味において、ドルの下値は正念場が近づきつつあるだろう。
本日は米経済指標として、11月のNY連銀製造業景況指数や10月の生産者物価指数が発表されるほか、バーFRB副議長による上院銀行委員会での証言など、当局者による発言機会も多い。また、それとは別に前述したG20会合や、トランプ前大統領による「大きな発表」も一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.50-140.50円。ドル高・円安方向は140円前後を上抜ければ、東京高値を含めた140.60-80円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、非常に強いサポートは138.40円だが、その手前138.80円レベルなども一応弱いサポート。攻防が注視されている。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2022.11.16
ドル円、米PPIの市場予想を下回る結果を受けて一時2カ月半ぶり安値圏へ急落(11/16朝)
15日(火)のドル円相場は急落後に持ち直す展開。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。