過熱感乏しいドルじり高が続く可能性も(10/18夕)

18日の東京市場はドルが高原推移。149円挟みというドル高値圏での値動きとなったが、前日記録した高値149.10円を更新することは出来なかった。

過熱感乏しいドルじり高が続く可能性も(10/18夕)

過熱感乏しいドルじり高が続く可能性も

〇本日のドル円、149円挟みというドル高値圏での値動きだが、前日記録した高値149.10は更新せず
〇ドル/円はついに149円台乗せ、150円の大台も現実的な上値メドとして意識される
〇足もとのドル高が再びじり高気味の展開になっており、なかなか過熱感が出にくい状況か
〇前回介入の9/22安値以降8円超のドル高進行下、明確な調整は一度も観測されず、当局の対応にも要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.40-149.50、ドル高・円安方向は149.10が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、148.40レベルが目先のサポート

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場はドルが高原推移。149円挟みというドル高値圏での値動きとなったが、前日記録した高値149.10円を更新することは出来なかった。

ドル/円は149.00-05円で寄り付いたものの、上値は重い。前日高値を超えることはなく、むしろ利食い売りなどに押され148円台後半へと軟落しての推移となった。もっとも、ドルの下値も限定的で、安値は148.70円レベルまで。当局者による口先介入などに一喜一憂しつつも、レンジ取引で方向性は乏しい。16時現在では148.90-95円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替政策など」と「ロシア情勢」について。
前者は、共同通信やロイターなどの一部メディアが「政府、13日に『覆面介入』実施か」−−などと報じ思惑を呼ぶ。日銀の発表した当座預金残高に関する統計をもとにした推計が根拠になっているという。そうしたなか、本日も引き続き本邦勢から口先介入が相次いだ。一例を挙げると、鈴木財務相「過度な為替変動には適切な対応を取る」、岸田首相「急激な為替の動きにはさまざまな対策を講じていきたい」、黒田日銀総裁「金融・為替市場動向と経済・物価への影響を十分に注視」−−などといった発言が観測されている。また、黒田氏は金融緩和政策の失敗について国会で尋ねられ、「失敗はしていない」としたうえで、引責辞任も同時に否定していた。

対して後者は、ロシア国防省が、ウクライナ全土の軍事目標とエネルギーインフラに対し、高精度兵器を使った大規模な攻撃を実施したと表明するなか、ロシア最後の同盟国などとも言われるベラルーシ情勢が話題を集めはじめている。両国の合同軍事部隊に参加するためベラルーシに「兵員最大9000人、戦車約170両」など大量のロシア軍が入国する予定だ。またインタファクス通信は、ベラルーシ国防省が、合同部隊編成の一環で、実弾演習と対空誘導弾発射を実施すると発表したと報じている。実際の戦闘に参加するかどうか疑問を呈する向きもあるが、続報を含め一応要注意。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円はついに149円台乗せ。まだしっかりとした定着には至っていないものの、150円の大台も現実的な上値メドとして意識されていることは間違いない。ポジションの偏りなどは気掛かりだが、相場の勢いや最近の地合いを考えると、さほど遠くないタイミングでトライする可能性もあるだろう。
日米金利差などに加え、バイデン米大統領から事実上の「ドル高容認」発言もあり、市場筋のあいだではドル買い・円売り安心感が根強い。少なくとも、調整の動きはともかく、ドル高基調そのものが転換することは予想できない状況だ。また、足もとのドル高が再びじり高気味の展開になっていることも気掛かり。これでは、なかなか過熱感が出にくく、いつまで経ってもドルの天井がつけられないといった声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は1990年8月以来の高値圏、いよいよ149円へと乗せてきた。リスクはドル高で間違いなく、150円を目指す展開が予想されている。
ただ、円買い介入警戒感がさらなる円安の進行を食い止めている面を否めず、そうした意味も含めて当局の対応には要注意だ。前回に介入を実施した9月22日安値以降の相場を見ても、8円超ものドル高が進行下、明確な調整は一度も観測されていないだけに、一旦崩れるとなかなかの深押しとなる可能性はある。

本日は米経済指標として、9月の設備稼働率や10月のNAHB住宅市場指数が発表されるほか、ゴールドマンサックス・グループなどによる決算発表も予定されている。また23日ごろまで続くとみられる中国共産党大会を警戒する向きも依然として多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.40-149.50円。ドル高・円安方向は昨日示現した149.10円が最初の抵抗。抜けると明確な上値メドは指摘しにくいが149円半ば、150円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、短期時間足ベースなど見た場合の148.40円レベルが目先のサポートか。下回ると148円前後を目指す。

過熱感乏しいドルじり高が続く可能性も

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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