ドル円、急落後に急反発するなど荒々しい値動き。米金利上昇vs介入警戒感(10/6朝)

5日(水)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、急落後に急反発するなど荒々しい値動き。米金利上昇vs介入警戒感(10/6朝)

ドル円、急落後に急反発するなど荒々しい値動き。米金利上昇vs介入警戒感

〇ドル円、米長期金利の反転上昇、ISM非製造業指数等の堅調等に144円台後半に急伸
〇サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言も支援、ただし介入警戒感が続伸阻む
〇ユーロドル、米国時間朝方にかけ0.9835まで急落後米金利上昇一服で0.98台後半に戻す
〇ドル円、一目均衡表転換線に支えられ急反発するも、ここからの続伸余地に乏しいか
〇週末の米9月雇用統計が冴えない結果になるとの見方根強く発表後のドル円下落に警戒感も
〇本日の予想レンジ:144.00ー145.00

海外時間のレビュー

5日(水)のドル円相場は急落後に急反発。@米金利低下に伴うドル売り圧力(前日海外時間に発表された米JOLTS労働力調査が冴えない結果となったことで米国の積極利上げ姿勢が幾分和らぐのではないかとの期待感)や、A前日安値143.89を割り込んだことに伴う短期筋の見切り売りが重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値143.54(9/26以来の安値圏)まで急落しました。しかし、一目均衡表転換線をバックに下げ渋ると、B5・10日要因に伴う実需のドル買い・円売りや、Cニュージーランド準備銀行(RBNZ)による50bpの利上げ実施(前日の豪中銀が事前予想の50bpに対して25bpの利上げに留めたことで、RBNZも小幅利上げに留めるのではないかとの見方が一部で浮上していたが、RBNZが予想通り大幅利上げに踏み切ったことで、金融引き締めピークアウト期待が後退)、

D上記Cを背景とした米長期金利の反転上昇(ドル買い再開)、E米9月ADP雇用統計(結果20.8万人、予想20.0万人)の良好な結果、F米9月製造業PMI(結果52.0、予想51.8)の市場予想を上回る結果、G米9月ISM非製造業景況指数(結果56.7、予想56.0)の良好な結果、Hサンフランシスコ連銀デイリー総裁による「インフレ抑制に向け断固(resolute)として利上げを継続する」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値144.85まで急伸しました。もっとも、I政府・日銀による介入警戒感が続伸を阻むと、引けにかけて反落に転じ、本稿執筆時点(日本時間10/6午前5時25分現在)では、144.60前後で推移しております。

5日(水)のユーロドル相場は高値圏から急反落。アジア時間早朝に高値1.0000まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(心理的節目1.0000を上抜けられなかったことに伴う失望感)や、A米金利上昇に伴うドル買い圧力、Bユーロ圏9月総合PMI(結果48.1、予想48.2)の市場予想を下回る結果、C米経済指標の良好な結果(米9月ADP雇用統計、米9月製造業PMI、米9月ISM非製造業景況指数)、Dロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク、E欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値0.9835まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、F米金利上昇の流れが一服したことや、G上記Fに伴うドル買い圧力の後退(ユーロのショートカバー)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間10/6午前5時25分現在)では、0.9885前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時143.54(9/26以来の安値圏)まで急落するも、一目均衡表転換線に下支えされる形で海外勢参入後に144.85まで持ち直す荒々しい値動きとなりました。但し、上方には強力なレジスタンスとして意識されている「政府・日銀による介入警戒ライン」が控えているため、ここからの続伸余地は乏しいと判断できます(145円upperは介入警戒感が極度に高まることから、ドル円ロング勢のポジション手仕舞いが活発化する傾向あり。事実、昨日も財務省為替市場課長より「介入資金に限界があるとは認識していない」との発言あり)。日米金融政策格差や本邦貿易赤字拡大など、ドル買い・円売りを連想させるファンダメンタルズ要素が残っているものの、政府・日銀による介入警戒感が燻っている以上、一本調子のドル買い・円売りは想定しにくく、リスクは依然ダウンサイドと判断できます(上値の重さを嫌気した見切り売りが出易いポジション構造)。

また、週末に予定されている米9月雇用統計が冴えない結果(ネガティブサプライズ)になるとの見方も根強く(急ピッチな米利上げを背景に米経済の冷え込みが警戒される中、企業がそれを見越して採用凍結などリストラを始めているとの思惑も根強く)、米金利上昇一服→ドル買い後退→ドル円下落の波及経路が警戒されます(事実、10/4に発表された米JOLTS労働力調査は大幅悪化)。以上を踏まえ、当方では引き続き、短期的なドル円下落をメインシナリオとして予想いたします。但し、本日に限って言えば、今週のメインイベントである米9月雇用統計を翌日に控え様子見ムードが強まると見られることから、ドル円は上下しつつも方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです(今晩は米新規失業保険申請件数や、シカゴ連銀エバンズ総裁発言、クックFRB理事発言、ウォラーFRB理事発言などが予定されておりますが、上記理由からドル円相場への影響は限定的となる見込み)。

本日の予想レンジ:144.00ー145.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、急落後に急反発するなど荒々しい値動き。米金利上昇vs介入警戒感

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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