ドル円、一時145円台に乗せるも介入警戒感ですぐに反落。米金利低下も重石(10/4朝)

週明け3日(月)のドル円相場は急伸後に急反落。

ドル円、一時145円台に乗せるも介入警戒感ですぐに反落。米金利低下も重石(10/4朝)

ドル円、一時145円台に乗せるも介入警戒感ですぐに反落。米金利低下も重石

〇ドル円、アジア時間に145.30まで上昇後米国時間に一時144.15まで急落
〇米9月ISM製造業景況指数の冴えない結果に、米長期金利が急低下したこと等が背景
〇ユーロドル、0.97台半ばに下落後、米長期金利急低下等に0.98台に急反発
〇ドル円、ファンダメンタルズ、テクニカル共にドル買い円売り材料が揃うも、介入警戒感強い
〇ドル独歩高、円独歩安も弱まりつつあり、短期的ドル円下落リスク高まる
〇本日の予想レンジ:143.50ー145.00

海外時間のレビュー

週明け3日(月)のドル円相場は急伸後に急反落。@日銀短観・大企業製造業業況判断DI(結果8、予想11、前回10)の冴えない結果(円安効果を享受できていないことに対する失望感)や、A日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売り、B心理的節目145.00突破に伴うショート勢のストップBUYが支援材料となり、アジア時間午後にかけて、高値145.30まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、C政府・日銀による介入警戒感(鈴木財務相は「必要に応じて断固たる措置を取る」と発言)や、D上記Cを背景とした俄かロングのストップSELL、E米9月ISM製造業景況指数(結果50.9、予想52.2、前回52.8)の冴えない結果、F上記Eを背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りは9/22以来となる3.58%へ急低下)が重石となり、米国時間にかけて、安値144.16まで急落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、Gリッチモンド連銀バーキン総裁による「インフレが悪化するリスクに備える必要」とのタカ派的な発言や、Hニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「インフレは依然として高過ぎる。FRBの仕事は終わっていない」とのタカ派的な発言、I上記GHを背景とした米長期金利の下げ渋りが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間10/4午前6時00分現在)では、144.57前後で推移しております。尚、昨日は岸田首相より「円安メリットを生かした経済構造の強靭化を進める」「円安メリットを最大限引き出し、国民に還元」と円安容認と受け止められる発言が出ましたが、市場の反応は限定的となりました。

週明け3日(月)のユーロドル相場は下落後に急反発。@金融大手クレディ・スイスを巡る破綻危機への警戒感(クレジット・デフォルト・スワップのスプレッドが急拡大)や、A対英ポンドでのユーロ売り圧力(英政府が大型減税案の一部撤回→英国発の金融不安後退→ユーロポンド下落)、B欧州経済の先行き不透明感が重石となる中、欧州時間朝方にかけて、安値0.9753まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C米9月ISM製造業景況指数の冴えない結果や、D上記Cを背景とした米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間にかけて、高値0.9844まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/4午前6時00分現在)では、0.9826前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は145円upperのストップを巻き込みながら一時145.30まで急伸しましたが、政府・日銀による介入警戒感を背景に一時144.16まで反落する冴えない動きとなりました。日米金融政策格差(日米名目金利差に着目したドル買い・円売り)や本邦貿易赤字(構造的な円売り圧力)、一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダーなど、ファンダメンタルズ面、テクニカル面共に、ドル買い・円売りを連想させる材料が揃っていますが、政府・日銀による介入警戒感という見えない強力なレジスタンスが残存する限り、ドル円の上値余地は乏しいと判断できます。また、足元では円独歩安の流れが後退(これまでは日本円のみが急激に売られる「円独歩安」の状態が続いてきましたが、9/22の介入以降、日本円以外の通貨にも下落圧力が加わる全通貨売りの地合いに変化)しつつある他、ドル独歩高の流れも後退(英国による緊急措置発動や、昨日の米9月ISM製造業景況指数の不冴な結果を受けて米長期金利が急低下)しつつあるため、短期的なドル円下落リスクが高まっております。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米8月製造業受注や、米8月耐久財受注、米8月JOLT雇用動態調査に加えて、米当局者発言(ダラス連銀ローガン総裁発言、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言、ジェファーソンFRB理事発言、サンフランシスコ連銀デーリー総裁発言など)に注目が集まります。米債ショート逆流(米金利低下方向)の動きが始まっているため、米経済指標が市場予想を下回る場合や、米当局者より慎重な発言が出てくる場合には、「米金利低下→米ドル売り」の流れに拍車がかかる恐れがあるため、注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:143.50ー145.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、一時145円台に乗せるも介入警戒感ですぐに反落。米金利低下も重石

ドル円日足

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