145円台定着も!?当局の介入スタンスに注目(10/3夕)

週明け3日の東京市場はドルが小じっかり。一時145円を超える局面も観測されたが、介入警戒感から定着はしなかった。

145円台定着も!?当局の介入スタンスに注目(10/3夕)

145円台定着も!?当局の介入スタンスに注目

〇本日のドル円、一時145円台前半へ急伸、定着はせず144円台へ戻すも下値底堅い
〇22日当局介入後初の145円台回復、145.90接近局面での動静要注意
〇本日は米9月製造業PMI確報、同ISM製造業景況指数発表、連銀総裁ら講演も多数予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.40-145.50、145.40レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は144円半ばをめぐる攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

週明け3日の東京市場はドルが小じっかり。一時145円を超える局面も観測されたが、介入警戒感から定着はしなかった。

先週末は、英紙が「トラス英首相、有権者の不満が高まっていると世論調査が示しているなかでも、財政計画をすべて堅持する意向」と報じ話題に。また、ロシアに関する話題も引き続き多いなか、とくにウクライナが東部要衝の「リマンをロシアから奪還した」と伝えられたことも思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は144.70円前後で寄り付いたものの、しばらくは上げ渋り。145円をなかなか超えられなかった。それが昼過ぎにストップロスを巻き込むと145円台前半へと一時急伸。しかし、定着どころか145円台での滞在時間は短く、あっという間に144円台へと押し戻されている。とは言え、下値のビッドはしっかりしており底堅い。終盤再びドルは買い進まれると16時現在、ドル/円は145円台をわずかに回復し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「円安進行」と「ロシア情勢」について。
前者は、先週末にまず財務省から22日に実施された政府・財務省介入が2.8兆円規模だったと発表された。事前のロイター報道では「3.6兆円程度」とされており、過去最大ではあったものの予想より金額が少なかったことが明らかとなった。そうしたなか、本日東京時間にドル/円は一時145円台へと上伸。いわゆる「円安シーリング」と言われるレベルを超えているものの、鈴木財務相などからの口先介入はともかく、実弾介入の実施は見送られているもようだ。ただ、前回の経緯やレベル的には予断を許さない。

対して後者だが、欧州委員長やG外相から、ロシアによる「4州併合は違法」として非難コメントが相次いだものの、安保理においては当のロシアが拒否権を発動し、「併合非難決議案」が否決されている。再び機能不全が露呈した格好と言えよう。そうしたなか、「ザポロジエ原発の所長がロシア側に拘束された」とのニュースや、プーチン氏を支持するロシア・チェチェン共和国のカディロフ首長から「低出力核兵器を使うべき」との発言が聞かれるなど、ウクライナ戦線の戦況がだいぶキナ臭くなってきた。続報などに要注意だ。

<< 欧米市場の見通し >>

よく言えば落ち着いた値動きをたどっていたドル/円だが、本日東京市場の動きをみると早くも次の動意に向けた一歩を踏み出したか。まだ定着には至っていないが、9月22日に観測された政府・財務省介入後はじめて145円台を回復してきた。このあともドルは底堅い値動きを続ける公算が大きく、当局の介入スタンスを試す展開も。場合によってはかなり大きな変動となる可能性もある。
市場の関心は日米よりも、英国やロシアを含めた広義の欧州。そうした意味ではドル/円より、ユーロやポンドの動意にこそ要注意かもしれない。ただ、日米については金融政策への関心が依然として高く、また株価の動きや発表される米経済指標を踏まえた米ファンダメンタルズへの警戒感も根強い。折しも本日は重要な米経済指標の発表などが予定されていることもあり、ドル/円は動かないと決めつけるのは早計だろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週形成していた145円レベルを上限とした足もとの新レンジを上抜けてきた感があるうえ、以前レポートした145.90円を起点としたフィボナッチではすでに76.4%戻しも上抜けている。計算上は、前記した145.90円が視界内に捉えられていることは間違いない。145円をしっかり超え145.90円に最接近する局面では、当局の介入が果たして観測されるのか、そして実施された場合には効果をもたらすのか、動静には要注意だ。

本日は米経済指標として、9月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数が発表されるほか、リッチモンド連銀総裁やNY連銀総裁をはじめとする講演や挨拶なども引き続き多く注意を払いたい。そのほか、エネルギー問題について話し合うとされる独仏首脳会談など、市場の関心の高い欧州関係のニュースも場合によっては波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.40-145.50円。ドル高・円安方向は東京高値に当たる145.40円レベルが最初の抵抗。超えると当局介入が意識されるなか、145.90円を目指す。
対するドル安・円高方向は、144円半ばをめぐる攻防にまずは注目。割り込むと先週末安値の144.20円などが意識されそうだ。

145円台定着も!?当局の介入スタンスに注目

ドル円日足

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