相場は徐々に落ち着きも、ただ油断は禁物か(9/28夕)

28日の東京市場はおおむね揉み合い。144円後半を中心としたレンジ取引で、ドルは上げ渋りの様相だった。

相場は徐々に落ち着きも、ただ油断は禁物か(9/28夕)

相場は徐々に落ち着きも、ただ油断は禁物か

〇本日のドル円、144円後半を中心としたレンジ取引、145円台回復視界内だが上げ渋り
〇落ち着きどころ探る展開か、新たな小レンジを形成、ブレークの有無に注目
〇続落たどるNYダウ、先行き懸念の声も、米経済指標内容や米地区連銀総裁発言を引き続き注視
〇本日は米8月卸売在庫、同中古住宅販売成約指数、米財務省7年債入札を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.10-145.20、144.90をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は144円半ばが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

28日の東京市場はおおむね揉み合い。144円後半を中心としたレンジ取引で、ドルは上げ渋りの様相だった。

ドル/円は144.75円レベルで寄り付いたものの、方向性は乏しい。「円安シーリング」とみられる145円を前にドルの上値が重い反面、144円半ば以下では少しずつ底堅さもうかがえ、上下とも攻めにくかった。結果的に居心地の良い144円後半を中心とした一進一退で、明確な方向性はうかがえず。16時現在、144.75-80円で推移し欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「英国情勢」について。
前者は、現地時間27日までとされた親ロシア派支配地域のロシア編入住民投票について、早々に暫定集計結果がロシア系メディアから発表され、「9割を超える向きが賛意を示した」などと伝えられている。しかし欧米などは結果を認めない方針。昨日も米国務長官が「結果は民意を反映していない」、「ロシアによるウクライナ領土の併合を決して認めない」と強調していたようだ。一方、それとは別にロシアと欧州を結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」と「ノルドストリーム2」で、ともにガス漏れが発生したことも話題に。具体的な証拠はないもようだが、タイミング等を考慮したうえで欧州委員長などからは「なんらかの破壊工作」といった発言も聞かれている。続報などには一応要注意。

対して後者は、26日の東京時間にポンド/ドルが過去最安値を更新したような動きは一服。さすがに落ち着きを取り戻しつつあるものの、依然として基盤は脆弱で予断を許さない。たとえば、ブルームバーグでは「過去数十年で最悪の英国債売りに終息の気配は見えない」などと報じていた。なお、一連の英国情勢を不安定化させた元凶とも言われているクワーテング財務相からは、「自身の経済・財政政策がうまくいく自信がある」とした根拠の乏しい謎の楽観コメントが発せられていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、フィボナッチ・リトレースメントでみた高値145.90円からの下げ幅の76.4%戻しを上抜けるなど、145円台回復が視界内に捉えられているものの、結果としてドル上げ渋り。22日に実施された政府・財務省介入が思いのほか効果を挙げているのかもしれない。ともかく、ごく短期的には144.00-90円、あるいは143.50-144.90円といったレンジを形成している感もあり、まずは足もと小レンジのブレークの有無が注目される。
日米を中心とした金融政策への関心が依然として高い反面、先日高値から20%を超える下落をたどり、「弱気相場」入りしたことが確認されたNYダウの先行きなどを懸念する声もあがる。明確な米ファンダメンタルズの悪化という状況はまだ見られないが、発表される米経済指標の内容などによっては、その限りではない。米地区連銀総裁などの発言とあわせて引き続き注意をしておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、予断を許さないものの、昨日レポートしたようにドル/円は落ち着きどころを探る展開となっている。実際、市場介入前後の140.35-145.90円というレンジが大きく縮小、ここ数日は144円台を中心とした新レンジを形成しつつある。問題は、このまま落ち着いてしまうのか、それともまだ一波乱二波乱あるのかということ。基本的なリスクはドル高方向であり、場合によっては当局の再介入を試しにいくような展開もあり得るか。

本日は米経済指標として、8月の卸売在庫や同中古住宅販売成約指数が発表されるほか、米財務省による7年債の入札などにも一応要注意。また引き続き実施される米地区連銀総裁らの講演や、対中を念頭に29日までワシントンで開催予定の「米・太平洋諸国首脳会議」などにも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.10-145.20円。ドル高・円安方向は昨日高値の144.90円をめぐる攻防にまずは注目。超えると145円台乗せ、当局の動きを試す展開か。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の144円半ばが最初のサポートか。割り込めば昨日安値の144.07円がターゲットに。取り敢えず底堅そうなイメージもあるが・・・。

相場は徐々に落ち着きも、ただ油断は禁物か

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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