口先介入受けドル高一服、目先は上値重そう(9/14夕)

14日の東京市場はドル弱含み。一時144.95円レベルまで上昇し、年初来高値に面合わせするも「口先介入」などもあり続かなかった。

口先介入受けドル高一服、目先は上値重そう(9/14夕)

口先介入受けドル高一服、目先は上値重そう

〇本日のドル円、年初来高値144.99到達後1円以上値を下げる、16時現在143.50-55で推移
〇昨日の米CPI受けドル高進行するも、口先介入や日銀のレートチェック実施報道あり、円買い戻し進む
〇本日は米8月生産者物価指数、G7貿易相会合、国際原子力機関(IAEA)理事会を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.80-144.20、144円台回復が最初の攻防
〇ドル安・円高方向は143円半ばの攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

14日の東京市場はドル弱含み。一時144.95円レベルまで上昇し、年初来高値に面合わせするも「口先介入」などもあり続かなかった。

ドル/円は144.55円レベルで寄り付いたのち、しばらくはドル買い先行。年初来高値144.99円に急接近する局面も観測されていた。しかし、神田財務官や鈴木財務相などから「口先介入」が相次いだうえ、「日銀レートチェック実施」の噂などもあり勢いは続かず。むしろ、ドル売り・円買いが徐々に優勢になると、1円以上も値を下げている。16時現在では143.50-55円の安値圏で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制」について。
前者は、先週末から繰り返し伝えられている「ウクライナ軍がロシアとの戦闘において多大な成果を上げた」とする報道について、ロイターは「西側当局者、判断は時期尚早との見方」と一歩引いた見解を示す。実際、そうしたなかロシア軍は、対ウクライナのすべての全線で「大規模攻撃」を開始したと発表するなど、まだまだ予断を許さない状況だ。一方、それとは別にIAEAは「ザポロジエ原発の予備送電線がすべて復旧した」と発表し、危険性の後退を指摘していた。

対して後者は、昨日発表の米消費者物価を受けたドル高の流れは本日東京でも止まらず。比較的早い時間帯に144.95円レベルまでドル高が進行している。それもあり、神田財務官や松野官房長官、鈴木財務相らが相次ぎ口先介入。しかも、そのトーンが「急激な変動を懸念」といったものだけでなく、「あらゆる手段を排除せずに必要な措置を取る」−−といった一歩踏み込んだ感があったことで、市場では一気に警戒感が広がった。さらに、共同通信などは「日銀がレートチェック実施」と伝えたことも思惑に輪をかけると、一段の円買い戻しが進む展開をたどっている。ただ、中長期的な流れのなかで円安の歯止めになると予想する向きはほとんどなく、効果は限られたものにとどまるとの見方も多い。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、昨日欧米時間の米消費者物価発表を受け、短時間に2円を超える急騰。その後、本日東京早朝まで含めると、上昇幅は実に3円を超えている。さすがに行き過ぎ、やり過ぎの域で鈴木財務相をはじめとする本邦要人が慌てて口先介入に動いたのもむべなるかなである。ただ、短期的にはともかく大きな流れとしてのドル高・円安に変化はないようで、どこかのタイミングで145円抜け再トライとの見方も。
日米を中心とした各国金利情勢への関心が高いなか、昨日発表された米消費者物価を受けて米金利先高観が一層高まった。実際、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルでは次回の米利上げについて0.75%ではなく、「1.0%利上げ」に変更したとも伝えられている。その一方で、前述したように本邦要人から口先介入が相次いでいるが、金利面を含むファンダメンタルズが変わらないのであれば、ドル高という基本的なトレンドが転換することはなさそう。一段のドル高・円安が延命されただけに過ぎないか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は144.99円の年初来高値に面合わせするも、本邦要人の口先介入などもあり小反落へと転じている。今回も145円乗せは失敗に終わった格好だ。そのため短期的にはドルの下押し、底堅めを見込む声も多く、9日安値141.51円までの下落があっても不思議はないとの見方も聞かれていた。
とは言え、大きな流れは依然としてドル高・円安であり、ドルは下値を確認後に再度上昇へと転じる可能性もある。

本日は米経済指標として、8月の生産者物価指数が発表される予定となっている。昨日の消費者物価指数が市場の波乱要因となったことは記憶に新しく、本日もその内容が注視されているようだ。また本日はG7貿易相会合や、国際原子力機関(IAEA)理事会なども開催される見込みで、それらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.80-144.20円。ドル高・円安方向は再び144円台を回復できるか否かが最初の攻防か。超えると再び144円台後半を目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値にも近い143円半ばの攻防にまずは注目。下回ると142.80円レベルなどがターゲットに。

口先介入受けドル高一服、目先は上値重そう

ドル円日足

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