ドル円、米CPIショックを材料に急上昇。心理的節目145.00が射程圏内に(9/14朝)

13日(火)のドル円相場は大幅上昇。

ドル円、米CPIショックを材料に急上昇。心理的節目145.00が射程圏内に(9/14朝)

ドル円、米CPIショックを材料に急上昇。心理的節目145.00が射程圏内に

〇ドル円、米CPIの予想を上回る結果からの米金利上昇に全面高、米国時間に144.68まで急伸
〇ユーロドル、米長期金利急上昇に再びパリティ割れに急落、安値0.9970
〇ドル円142.00→143.00→144.00を次々に突破、強い買いシグナル継続、地合い強い
〇インフレ鎮静化期待後退に次回FOMCでの1%利上げ観測浮上、株式はじめリスク資産は暴落
〇ドル円のアップサイドリスクに要警戒、心理的節目145.00を一気に上抜けるシナリオも
〇本日の予想レンジ:143.50ー145.50

海外時間のレビュー

13日(火)のドル円相場は大幅上昇。@米金利低下に伴うドル売り圧力(米インフレピークアウト期待→米金利低下→米ドル売り)や、A株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)、B対ユーロでのドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値141.85まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C米8月消費者物価指数(結果8.3%、予想8.1%、前回8.5%)の市場予想を上回る結果や、D米8月消費者物価コア指数(結果6.3%、予想6.1%、前回5.9%)の予想外のインフレ加速、E上記CDを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りが6/16以来、約3ヵ月ぶり高水準となる3.44%へ急上昇→米ドル全面高)、

F資産現金化需要のドル買い圧力(米インフレピークアウト期待後退→次回FOMCでの100bp利上げ観測台頭→株式市場を中心にリスクアセット大暴落→資産現金化需要のドル買い再開)、Gショート勢による大規模ストップBUYが支援材料となり、日本時間22時過ぎに、高値144.68まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/14午前5時00分現在)では、144.49前後で推移しております(CPI発表前後の僅か1時間で2.83円もの値幅で急騰)。

13日(火)のユーロドル相場は上昇後に急反落。@次回ECB理事会(10/27)での大幅利上げ観測(欧州債利回り上昇→ユーロ買い圧力)や、A天然ガス先物価格の軟調推移(欧州委員会フォンデアライエン委員長は9/14にエネルギー危機に対応する5項目の計画を示す予定→エネルギー危機緩和期待)、B米金利低下に伴うドル売り圧力、C株式市場の堅調推移が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0188まで上昇しました。しかし、前日高値1.0198をバックに伸び悩むと、D米8月消費者物価指数および米8月消費者物価コア指数の市場予想を上回る結果や、E上記Dを背景とした米長期金利の急上昇、F資産現金化需要のドル買い再開、G心理的節目1.0000割れに伴う仕掛け的なユーロ売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値0.9970まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/14午前5時00分現在)では、0.9973前後で推移しております。

本日の見通し

今週のメインイベントとして注目されていた米CPIおよび米コアCPIが共に市場予想を大幅に上回ったことで、米長期金利急上昇→ドル全面高→ドル円急騰の流れが再開しました。ドル円は心理的節目142.00→143.00→144.00を次々に突破した他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンドも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(直近3日間の下落局面において一目均衡表転換線が確りサポートとして機能したこともドル円の買い安心感を醸成)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(来週9/21に開催されるFOMCでの100bp利上げ観測が急浮上。また11月FOMC後にFF金利が4.00%に到達するとの見方も台頭。CMEが提供するFedWatchでは9/21FOMCでの100bp利上げを30%超織り込む展開)や、A日本とその他先進国との金融政策格差(米国のみならず、豪州やNZ、カナダやスイス、欧州や英国など多くの先進国が金融引き締めスタンスを強化→日本とその他各国との金利差拡大→クロス円上昇→ドル円連れ高)、

B米政府・米当局によるドル高容認スタンス(米国はインフレ抑制に繋がるドル高を支持する構え)、C本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。こうした中、本日は日本時間21時30分に発表される米8月生産者物価指数(PPI)に注目が集まります。PPIは一般的にCPIの先行指標的な意味合いを含んでいるため、仮に本日発表されるPPIが市場予想を上回る場合には、昨日のCPIショックも相まって、米FRBによるタカ派傾斜観測を更に押し上げ、米長期金利上昇→米ドル買い→ドル円上昇の流れに拍車をかける恐れが警戒されます。

状況次第では心理的節目145.00を一気に上抜けるシナリオも想定されるため、本日海外時間は、ドル円のアップサイドリスクに特に警戒が必要でしょう(ドル円上昇局面では本邦通貨当局による円安牽制が意識されますが、日銀による為替介入や政策変更を巡る期待感は既に賞味期限切れ=新味に欠ける状態となっているため、先週のような「円安牽制→円買い戻し」の波及経路には繋がらない可能性大)。

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米CPIショックを材料に急上昇。心理的節目145.00が射程圏内に

本日の予想レンジ:143.50ー145.50

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