ドル円見通し 140円割れからジリ高で戻すも2日夜高値を超えずに調整気味(22/9/6)

9月5日は米国市場休場で手掛かりに欠けたもののジリ高基調を継続して夜には140.66円をつけたが新たな高値更新へは進めずにいる。

ドル円見通し 140円割れからジリ高で戻すも2日夜高値を超えずに調整気味(22/9/6)

ドル円見通し 140円割れからジリ高で戻すも2日夜高値を超えずに調整気味

〇ドル円、9/5は米国市場休場の中ジリ高基調継続、夜140.66をつけるも新たな高値更新へは進めず
〇今週以降各国中銀の利上げが相次ぐ予想、日銀の金融緩和姿勢と輸入インフレによる円安感一層強まるか
〇ドル指数は9/5に110ポイント到達、2002年6月以来の110ポイント台到達
〇140.50以下での推移中は下向きとし、139.94割れからは139円台中盤への下落を想定する
〇139円台中盤へ下げてから140.20を超える場合は上昇再開として、141円台を目指すとみる

【概況】

ドル円は9月2日夜の米8月雇用統計発表から乱高下となり発表前の140.40円台から139.94円へ急落、その後に140.79円へ反騰して昨年来高値を更新、深夜に再び139.94円まで反落したところからは140円台を回復してジリ高の推移に入った。
9月5日は米国市場休場で手掛かりに欠けたもののジリ高基調を継続して夜には140.66円をつけたが新たな高値更新へは進めずにいる。現状は140円台到達という24年ぶりの高値水準に到達し、24年前の1998年8月11日につけた147.63円を目指す可能性も強く意識され始めているところだが、高値追及の流れを継続しつつも140円台での高値警戒感も交錯するところであり、6日午前序盤には140円台序盤へ下げている。

9月6日は豪中銀理事会があり0.50%の利上げが予想され、9月7日にはカナダ中銀の0.75%利上げが予想されている。9月8日にはECB理事会があり政策金利は現行の0.50%から1.25%へと0.75%の利上げが予想されている。
来週の9月15日には英中銀MPCがあり現行の1.75%から0.50%利上げが予想されるが、一部には0.75%利上げの主張もみられる。主要国の利上げ状況を見ながら9月20-21日の次回米FOMCへと向かう流れだが、利上げで先行してきたことと今後の大幅利上げ継続姿勢によりドル高基調が継続すれば、G7の中で利上げできずに金融緩和を続ける日銀姿勢と輸入インフレによる円安感は一層強まりやすい状況が続くと思われる。

【ドル指数は110ポイント到達で2002年6月以来の高値】

メジャー通貨の加重平均であるドル指数は9月5日に110.27ポイントをつけて昨年1月6日安値89.21以降の最高値を更新したが、遡れば2008年3月底の71.15以降の最高値であり、2002年6月以来の110ポイント台到達となった。月足チャート上の上値抵抗線となる主要高値としては2001年7月6日の121.02とダブルトップを形成した2002年1月28日の120.51まで見当たらない。
ドル指数の計算で一番比重の大きいユーロドルは9月5日に0.9875ドルをつけて昨年1月6日天井1.2349ドル以降の安値を更新したが、遡れば2008年7月15日天井1.6035ドル以降の最安値であり、パリティ割れの現状は2002年12月以来の安値水準であり、下値目途となる月足チャートの安値は2000年10月26日安値0.8230ドルまで切り下がる。

ポンドドルは9月5日安値で1.1441ドルをつけて昨年6月1日高値1.4248ドル以降の安値を更新したが、2007年11月9日高値2.1161ドル以降の最安値である2020年3月20日安値1.1404ドルへの余裕が乏しくなっているが、仮に割り込めば下値目安となる月足チャート上の安値は1985年2月26日の1.0345ドルまで切り下がる。
ドル円が24年ぶりの高値水準に達している一方でユーロやポンドの下落も歴史的であり、豪ドル米ドルも昨年2月以降の安値更新、人民元も今年2月からの急落が一服していたところから8月後半に一段安に入っており、円の独歩安というよりもドルの全面高の中でさらに弱い円という状況にある。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、9月1日朝に8月30日夜高値を超えて138円台中心の持ち合いから上放れしたため、9月1日午前時点では持ち合い後半の8月31日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして9月2日夜から6日夜にかけての間への上昇を想定してきた。
9月2日夜高値からいったん140円を割り込んだものの持ち直してきたが、新たな高値更新へ進めずにいるため現状は9月2日夜高値で直近のサイクルトップを付けたと思われる。安値形成期は9月5日夕から7日夕にかけての間と想定されるのですでに上昇再開注意期とするが、9月2日夜高値を超えないうちは139円台中盤への下落余地ありとし、9月2日夜高値超えからは新たな強気サイクル入りとして7日夜から9日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では9月2日夜の乱高下からはその時の高安レンジ内での推移が続いているため、遅行スパンは実線と交錯を繰り返しており、9月6日午前には先行スパンの上限までやや押されている。9月2日夜高値を上抜き返せないうちは調整安で先行スパンからの転落もあり得るところとみて遅行スパン悪化からは安値試し優先とするが、9月2日夜高値超えからは新たな上昇期に入ったとみて遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は9月29日以降の高値更新に際して指数のピークが切り下がり、9月5日からは60ポイント台を維持できなくなっていたが、6日午前に40ポイント台序盤へ低下しているので30ポイント前後を試す下落を想定する。ただし、この後に60ポイント超えへ切り返してその後も50ポイント以上での推移に入れば調整を消化しての上昇再開とみて70ポイント台を目指す上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、139.94円を下値支持線、140.79円を上値抵抗線とする。
(2)140.50円以下での推移中は下向きとし、139.94円割れからは139円台中盤(139.70円から139.30円)への下落を想定する。139.50円以下は反騰注意とするが、139.94円を割り込んだ後に戻しても140.20円以下にとどまるうちは7日午前にかけて安値試しを続けやすいとみる。
(3)139円台中盤へ下げてから140.20円を超える場合は上昇再開として141円台を目指すとみる。また139.94円割れを回避するかわずかに割り込んでから9月2日夜高値を超える場合は141円台後半への上昇を想定する。

【当面の主な予定】

9/6(火)
10:30 (豪) 4-6月期 経常収支 (1-3月期 75億豪ドル、予想 220億豪ドル)
13:30 (豪) RBA(豪中銀)、政策金利 (現行 1.85%、予想 2.35%)
15:00 (独) 7月 製造業新規受注 前月比 (6月 -0.4%、予想 -0.7%)
15:00 (独) 7月 製造業新規受注 前年同月比 (6月 -9.0%、予想 -13.4%)
22:45 (米) 8月 サービス業PMI改定値 (7月 44.1、予想 44.2)
23:00 (米) 8月 ISM非製造業景況指数 (7月 56.7、予想 55.1)

9/7(水)
未 定 (中) 8月 貿易収支・米ドル建て (7月 1012.6億ドル、予想 917.0億ドル)
未 定 (中) 8月 貿易収支・人民元建て (7月 6826.9億元)
10:30 (豪) 4-6月期 GDP 前期比 (1-3月 0.8%、予想 1.1%)
10:30 (豪) 4-6月期 GDP 前年同期比 (1-3月 3.3%、予想 3.5%)
14:00 (日) 7月 景気先行指数速報値 (6月 100.9、予想 100.2)
14:00 (日) 7月 景気一致指数速報値 (6月 98.6、予想 100.0)
15:00 (独) 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 0.4%、予想 -0.6%)
15:00 (独) 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 -0.5%、予想 -2.1%)

18:00 (欧) 4-6月期 GDP確定値 前期比 (改定値 0.6%、予想 0.6%)
18:00 (欧) 4-6月期 GDP確定値 前年同期比 (改定値 3.9%、予想 3.9%)
21:30 (米) 7月 貿易収支 (6月 -796億ドル、予想 -703億ドル)
23:00 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
24:55 (米) ブレイナードFRB副議長、講演
27:00 (米) バーFRB副議長、講演
27:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)



注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る