米消費者物価に注目、レンジブレークなるか(8/10夕)

10日の東京市場はレンジ取引。135円挟み、40ポイント程度のボックス圏で一進一退に終始している。

米消費者物価に注目、レンジブレークなるか(8/10夕)

米消費者物価に注目、レンジブレークなるか

〇本日のドル円、135円挟み40ポイント程度のレンジ取引、16時現在135.05-10で推移
〇先週は「薄商い=荒れ模様」の様相、今週は一転し「薄商い=小動き」の展開辿る
〇米7月CPI発表前後の荒っぽい変動に要注意、レンジ上下いずれの方向に放れるか
〇本日は米財務省10年債入札、米地区連銀総裁による講演内容にも注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.50-135.60、135.30レベルが最初の抵抗

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場はレンジ取引。135円挟み、40ポイント程度のボックス圏で一進一退に終始している。

ドル/円は135.10-15円で寄り付いたものの、上下とも攻めにくい。日経平均株価が一時大きく値を崩したり、中国の経済指標が発表されたりと、それなりの材料はあったが影響は限定的。135円挟みの往来相場をたどり、明確な方向性は乏しかった。16時現在、ドル/円は135.05-10円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「内閣改造」について。
前者は、英BBCが「ロシア軍、欧州最大のザポリッジャ原発を軍事基地に転用」と報じ話題を集める。そうしたなか、ロシア国営パイプライン企業トランスネフチは、ウクライナを経由するルートでの東欧向けの供給が停止したことを明らかに。今後ハンガリーやスロバキア、チェコへの送油に支障が出る公算が取り沙汰されていた。なお、一連の供給停止について、ロシア側からは「西側諸国の制裁によってトランジット輸送料金の受け取りを妨げられていることが理由」などと、責任転嫁ともいえる発言が聞かれていたようだ。

対して後者は、本日東京時間の午後に、岸田首相下における第2次改造内閣の顔ぶれが正式発表されている。具体的なメンバーについては、ここ数日メディアでかなり喧しく取り沙汰されていたが、ほぼ事前予想どおりの結果。金融市場における関心の高いポスト、松野官房長官や林外相、鈴木財務相は留任となっていた。反面、入閣が期待されていた菅元首相は今回も閣外。選に漏れている。一方、中国やロシアによる軍事圧力も強まるなか、関心の高い防衛相は浜田靖一氏が就任。ほかの閣僚ともども、その手腕には注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

金融市場全般が夏枯れの様相を呈するなか、先週のドル/円は大きな乱高下。つまり「薄商い=荒れ模様」の様相だったが、今週は一転し「薄商い=小動き」の展開をたどっている。実際、今週のドル/円はここまでおよそ1円レンジ。135円±50銭といったなかでの往来相場に過ぎない。予断を許さないものの、本日を含め今週は残り3日。1円幅はさすがに狭すぎる気がするが、それでも限られた値幅によるレンジ取引が今後も続く可能性がある。

材料的には、各国金利情勢に対する関心が引き続き高いなか、本日は7月の米消費者物価指数が発表される予定となっている。もちろん、数字次第ということにはなるが、商いが薄くなっているだけに発表される前後の金融市場はやや荒っぽい変動をたどる展開にも一応要注意。一方、依然として強い緊張状態が続く中台関係など、アジアの地政学リスクも懸念要因として考えておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は135円を中心に上下50ポイント程度のレンジ取引で方向性に欠ける。130円割れを失敗したのち、足もとのドルは中段保ち合いといった様相だ。いずれにしても、短期的にはそんな最近の1円レンジを如何に、そしてどちらに放れるのか。上方向に放れれば、136円前後に位置する移動平均の21日線がターゲットになる反面、底割れすると134円前後を目指す展開となりそうだ。

本日は米経済指標として、7月の消費者物価指数などが発表されるほか、米財務省による10年債の入札なども実施予定だ。また、複数の米地区連銀総裁による講演なども予定されており、その発言内容にも一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.50-135.60円。ドル高・円安方向は本日東京高値135.30円レベルが最初の抵抗。上抜けても、週初高値135.58円あたりから上値は重そう。
対するドル安・円高方向は、ドルの下値が少しずつ切り上がっており、短期的には134.70円前後がすでに底堅そう。また、仮に割り込んでも大崩れは予想しにくい。

米消費者物価に注目、レンジブレークなるか

ドル円日足

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