ドル円、135円を挟んで方向感に欠ける展開。いよいよ注目の米CPIが発表
〇ドル円、135円を挟んで上下、方向感に欠ける動き続く
〇ユーロドル、エネルギー危機を巡る過度な悲観論の後退に一時1.0247まで上昇
〇ドル円、一目均衡表の「雲」、転換線、基準線を上抜け、139.40からの下落の半値戻しも達成
〇次回FOMCでの0.75%利上げ観測および、米リセッション懸念の後退がドル円をサポート
〇本日21:00発表の米7月CPIに要注目、アップサイドリスク要警戒
〇本日の予想レンジ:134.00ー137.00
海外時間のレビュー
9日(火)のドル円相場は心理的節目135.00を挟んで方向感に欠ける展開(重要イベントを控えた様子見ムードが継続)。@本邦お盆入りを控えた輸出企業のドル売り・円買いや、A日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)、B米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値134.68まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C米7月消費者物価指数(8/10発表予定)を控えたポジション調整や、D米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値135.21まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間8/10午前4時30分現在)では、135.12前後で推移しております。
9日(火)のユーロドル相場は堅調推移。アジア時間朝方にかけて、安値1.0189まで下げ幅を広げるも、売り一巡後に下げ渋ると、@ロシア国営ガスプロム社による「ウクライナ経由で欧州へガスを供給し続ける」との発表や、A上記@を背景としたエネルギー危機を巡る過度な悲観論の後退、Bドイツ債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、C短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0247まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、D米7月消費者物価指数(8/10発表予定)を控えた警戒感や、E米金利上昇に伴うドル買い圧力、F欧州経済の先行き不透明感が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/10午前4時30分現在)では、1.0211前後まで値を崩す展開となっております。
本日の見通し
ドル円は8/2に記録した約2ヵ月ぶり安値130.40をボトムに反発に転じると、週明け8/8に一時135.55まで反発しました(現在も135円台前半で底堅く推移中)。この間、一目均衡表雲下限や雲上限、一目均衡表転換線や基準線を上抜けした他、7/14高値139.40と8/2安値130.40を起点としたフィボナッチ50%戻しも達成するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さ(上昇トレンドの継続)を印象付けるチャート形状となりつつあります。こうした動きの背景には、米当局者による相次ぐタカ派発言に端を発した次回9月FOMCでの75bp利上げ観測(米金利上昇→米ドル買い)と、米雇用統計の力強い結果を受けた米リセッション懸念の後退(米経済を巡る過度な悲観論後退→米株高→米ドル買い)の両面が挙げられます。また、8/2に発生した大規模ロスカット(クライマックスセリング)を経て、過度に積み上がっていたロングポジションが一掃されたことも、ドル円ロング再構築の動きを助長している考えられます。
こうした中、本日は日本時間21:30に発表される米7月消費者物価指数(CPI)に注目が集まります。市場予想は前年比+8.7%となっていますが、クリーブランド連銀が公表する「CPI Now」は既にその水準を上回っているため、本日の米CPIは市場予想を上回るサプライズ的なインフレ加速に警戒が必要でしょう。CPIやコアCPIが市場予想を上回る場合には、米FRBによる更なるタカ派傾斜が意識されることから、次回9月FOMCでの75bp完全織り込み→米長期金利急上昇→米ドル買いの波及経路で、ドル円には強い上昇圧力が加わるものと推察されます。状況次第では、7/27高値137.48付近まで一気に噴き上がるシナリオも想定されるため、本日海外時間はドル円相場のアップサイドリスクに警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:134.00ー137.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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