ドル円、米長期金利低下を背景に約1ヵ月半ぶり安値圏へ続落。米中対立リスクも重石(8/2朝)

週明け1日(月)のドル円相場は大幅下落。

ドル円、米長期金利低下を背景に約1ヵ月半ぶり安値圏へ続落。米中対立リスクも重石(8/2朝)

ドル円、米長期金利低下を背景に約1ヵ月半ぶり安値圏へ続落。米中対立リスクも重石

〇ドル円、米国時間に約一ヶ月ぶり安値131.60まで下落
〇米大統領コロナ再陽性報道、米指標の不冴え、ペロシ氏の訪台巡る米中対立激化懸念等が重石
〇ユーロドル、ユーロ圏7月製造業PMIの好調や米金利の低下に1.0275まで上昇、堅調推移
〇ドル円、主要サポートポイントを軒並み下抜け、買いシグナルも消失、テクニカルの地合い悪化
〇ファンダメンタルズもPMIの50割れから、中国の経済先行き不安が強まり、新たなドル円の重しに
〇今後数日間はダウンサイドリスクに警戒が必要な時間帯続くか
〇本日の予想レンジ:130.50ー132.50

海外時間のレビュー

週明け1日(月)のドル円相場は大幅下落。アジア時間朝方に高値133.57まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@7/31に発表された中国7月製造業PMI(結果49.0、予想50.4)が景況改善・悪化の分岐点となる50を再び割り込んだことや、A8/1に発表された中国7月財新製造業PMI(結果50.4、予想51.5)の冴えない結果、B上記@Aを背景とした中国経済の先行き不安再燃、Cバイデン米大統領のコロナ再陽性報道、D米7月ISM製造業景況指数(結果52.8、予想52.0、前回53.0)の冴えない結果(市場予想を上回りつつも、結果は2020年6月以来の低水準)、E米7月ISM支払価格(結果60.0、予想74.3、前回78.5)の急低下(米インフレ懸念後退)、

F上記DEを背景とした米長期金利の急低下(米利上げペースの鈍化観測→米10年債利回りは4/7以来、約4ヵ月ぶり低水準となる2.58%へ急低下)、Gペロシ米下院議長の台湾訪問計画に端を発した米中対立激化懸念(ペロシ氏の訪台計画に対して中国政府は「ペロシ氏が台湾を訪問すれば必ずや強力な対抗措置をとる。軍も決して黙って見ていない」と発言)などが重石となり、米国時間にかけて、6/16以来、約1ヵ月半ぶり安値となる131.60まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/2午前4時25分現在)では、131.70前後で推移しております。

週明け1日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。@欧州経済の先行き不透明感や、Aイタリアを巡る政局不透明感、Bロシア産天然ガスを巡る供給削減懸念(7/30にロシアの国営エネルギー大手ガスプロム社がNATO加盟国であるラトビアへのガス供給停止を発表→欧州圏におけるエネルギー危機発生への警戒感)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値1.0205まで下落しました。しかし、心理的節目1.0200をバックに下げ渋ると、Cユーロ圏7月製造業PMI(結果49.8、予想49.6)の市場予想を上回る結果や、Dユーロ圏6月失業率(結果6.6%、予想6.6%)の市場予想通りの結果(ユーロ圏失業率悪化を巡る過度な悲観論の後退)、

E米金利低下に伴うドル売り圧力(米利上げペースの鈍化観測→米長期金利低下→米ドル全面安)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0275(7/21以来の高値圏)まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/2午前4時25分現在)では、1.0257前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ6月小売売上高(結果▲1.6%、予想+0.3%、※前月比)は市場予想を大幅に下回る結果となりました、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時131.60まで急落するなど、6/16以来、約1ヵ月半ぶり安値圏へと続落しました。先週発表された米4ー6月GDP速報値(結果▲0.9%、予想+0.5%)が2四半期連続のマイナス成長となったこと(米経済のリセッション懸念→リスク回避の円買い圧力)や、パウエルFRB議長による「ある時点で利上げ速度を緩めることが適切であるだろう」との慎重な発言(米FRBによる利上げペース鈍化観測→米金利低下に伴うドル売り圧力)に加えて、中国経済の先行き不安が重なったことが、円ショートの大規模な巻き戻しに繋がりました。この間、主要サポートポイント(一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や一目均衡表雲上限)を軒並み下抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も消失するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を強く印象付けるチャート形状となっております。

目先は6/16安値131.49や、一目均衡表雲下限130.90を割り込めるか否かに注目が集まります。特に一目均衡表雲下限が位置する130.90を下抜ける場合には、強い売りシグナルを示唆する三役逆転の成立を通じて、ロング勢の更なるロスカット(円ショートの大規模アンワインド)に繋がる恐れもあるため、今後数日間はダウンサイドリスクに警戒が必要な時間帯が続きそうです(本日は米レッドブック週間小売売上高や、米6月JOLT雇用動態調査、シカゴ連銀エバンス総裁発言などが発表予定。米長期金利や米主要株価指数、訪台を巡る米中対立激化に関するヘッドラインに要注意)。

本日の予想レンジ:130.50ー132.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米長期金利低下を背景に約1ヵ月半ぶり安値圏へ続落。米中対立リスクも重石

ドル円日足

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