本格調整局面か、材料的にはFOMCに注目(週報7月第4週)

先週のドル/円相場はドルが弱含み。週末にかけ下げ幅を拡大させると、8日以来およそ2週間ぶりの135円台を示現する局面も観測されていた。

本格調整局面か、材料的にはFOMCに注目(週報7月第4週)

本格調整局面か、材料的にはFOMCに注目

〇先週のドル円、週末にかけ2週間ぶりに135円台示現、上値重く136.10レベルで大引け
〇週間高値138.88から2円超える下げ幅、135円割れに向けた価格調整トライを注視
〇日銀は金利据え置き、ECBは「0.5%利上げ」を発表、ラガルド総裁は今後の追加利上げも肯定姿勢
〇米FOMC「0.75%利上げ」実施予想、発表後の長期金利上昇有無、次回会合の見通しに注目
〇今週は米7月消費者信頼感指数、4-6月期GDP速報値、GAFAM決算発表を予定
〇今週のドル/円予想レンジは135.00-138.00、136.70近い移動平均21日線が最初の抵抗

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場はドルが弱含み。週末にかけ下げ幅を拡大させると、8日以来およそ2週間ぶりの135円台を示現する局面も観測されていた。

前週末は、実施されたG20財務相・中銀総裁会議が閉幕するも、ウクライナ侵攻をめぐり意見の相違が目立ち、結局共同声明の採択は出来ず。また、バイデン米大統領が中東を訪問するなど積極的な原油増産外交に動いたが、とくに目立った成果は挙げられなかったもようだ。
そうした状況下、ドル/円は138円半ばで寄り付いたのち、しばらくは138円台を中心とした強保ち合い。そのなかで、138.88円の週間高値も示現している。しかし、週末にかけて形成していたレンジを底割れしたのちストップロスを誘発。そのまま一気に2週間ぶり安値へと値を下げた。週末NYは、辛うじて136円台を回復したものの、上値はすでに重い。136.10円レベルで大引けている。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「日欧などの金融政策」と「欧州エネルギー問題」について。
前者は、21日に日銀が金融会合の結果として「金融政策の現状維持」を発表している。予想通りで、内容的にも前回とほぼ同じだった。また、同じ日にECBは政策決定会合を行い「0.5%の利上げ」を決定したことを公表。さらに今後についてラガルド総裁は会見で、「追加の利上げはデータ次第」としつつも、「インフレは当面は不快なほど高い水準が続く」、「インフレ期待が上昇する兆しは注視する必要がある」などと発言するなど、追加利上げに期待感を抱かせる内容となっていた。なお、日欧の動きを受けた今週26-27日に米国はFOMCを開催し、「0.75%の利上げ」に踏み切る見通しだ。

対して後者は、定期保守点検のため今月11日から停止しているロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」が予定通り21日に再開するかが週明けから話題に。様々なニュースが伝えられるなか、結果として21日にガス供給そのものは再開されている。しかし、ロイターが「ロシアが輸送許可を出していないため、タービンがドイツ国内で足止めされていることがわかった」と指摘し、さらに「供給量は輸送能力を下回る水準にとどまっている」と報じるなど、少なくとも完全再開とはなっていないもよう。この先、如何なる決着を見るのか、今週も引き続き市場の波乱要因として注意しておきたい。

<< 今週の見通し >>

先週末に掛け、ドル/円は2週間ぶりに135円台を示現。それもあり、長いあいだ「悪い円安進行」論を展開してきた日経新聞は、「円が一時135円台に上昇、米欧景気懸念が契機」(24日付紙面)と嬉々とした書きっぷりだ。ただ、内容的にはタイトルほど円に対して強気ではなく、短期的にはともかく長い目で見た場合のトレンド転換には慎重な見方を提示していた。これまで長らくドルの下値を支えてきた移動平均の21日線をNYクローズで下回るなど、目先の下値余地が広がったことは間違いないが、確かにドルが大きく下落するかには疑問も抱く。

前述したように、先週は日銀が「金利据え置き」、ECBが「0.5%の利上げ」を発表するなか、今週は米国でFOMCが開催され追加利上げが断行される見通し。当初一部で取り沙汰されていた「1.0%の利上げ」期待は後退を余儀なくされたものの、それでも「0.75%の利上げ」が実施されることはほぼ確実視されている。大幅利上げとなることは、まず間違いないだろう。ただ、そこまでの利上げはすでに市場へと織り込まれている。利上げ発表後に米長期金利が上昇するのか否か、そして次回会合に向けた見通しの内容にはさらに要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円週足は8週間ぶりの陰線引け。しかも実体部が2円を超えるというなかなか大きな下げ幅を記録していた。先でも取り上げたように、21日線を週末NYクローズベースで下回るなど、トレンド転換をうかがわせる側面もある。これまで調整といっても時間調整で、価格調整をトライするも失敗に終わることが多かったが、今回は果たして如何に。135円割れに向けた、さらなるドル安の進行の有無がまずは注視されている。

そうしたなか今週は、7月の消費者信頼感指数や4-6月期GDP速報値など重要な米経済指標の発表が相次ぐうえ、GAFAMと呼ばれるグーグル(アルファベット)やアップルなどの決算発表も予定されており、こちらも要注意。さらには、週間でもっとも注目されそうな米FOMCも開催されるだけに、波乱含みの1週間となる可能性も。

そんな今週のドル/円予想レンジは、135.00-138.00円。ドル高・円安については、136.70円程度までレベルを切り上げてきた移動平均の21日線が最初の抵抗。抜ければ先週末高値の137.95円を目指す。
対してドル安・円高方向は、先週安値の135.57円の攻防にまずは注目。その少し下にはフィボナッチポイントも位置している。それら下回ると135円割れも。

本格調整局面か、材料的にはFOMCに注目

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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