ドル円、米CPIの伸び率加速を背景に約23年10ヵ月ぶり高値圏へ急上昇(7/14朝)

13日(水)のドル円相場は大幅上昇。

ドル円、米CPIの伸び率加速を背景に約23年10ヵ月ぶり高値圏へ急上昇(7/14朝)

ドル円、米CPIの伸び率加速を背景に約23年10ヵ月ぶり高値圏へ急上昇

〇ドル円、米6月CPI前年比9.1%への加速受け137.87まで急上昇
〇買い一巡後は米長期金利の逆イールド化や株価軟調を嫌気して137.35前後まで押し戻される
〇ユーロドルは米CPI受け一時0.9999をつけパリティ割れを示現、その後1.0060レベルに戻す
〇ドル円、一時1998年9月以来、約23年10ヵ月ぶり高値圏まで急伸、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズもCPI受け米7月FOMCでの大幅利上げ観測浮上
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:136.50ー138.00

海外時間のレビュー

13日(水)のドル円相場は大幅上昇。アジア時間朝方にかけて、安値136.68まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@米6月消費者物価指数(結果9.1%、予想8.8%、前回8.6%、※前年比)の伸び率加速(1981年11月以来、約40年7ヵ月ぶり高水準を記録)や、A上記@を背景とした米FRBのタカ派傾斜観測(7月FOMCでの100bp利上げを織り込む動き)、B米長期金利の急上昇(米10年債利回りは一時3.05%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間にかけて、1998年9月以来、約23年10ヵ月ぶり高値となる137.87まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと(心理的節目138.00をバックに戻り売り圧力が強まると)、C米2年債・米10年債の「逆イールド」進行(景気後退リスクを図る指標として注目される米2年債と米10年債の利回り格差が2000年以来となる20bp超の逆イールドを記録)や、D上記Cを背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りは3.05%から2.90%へ急低下)、E米主要株価指数の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間7/14午前5時40分現在)では、137.35前後まで押し返される動きとなっております。

13日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念や、Aユーロ圏のエネルギー供給を巡る不確実性、B欧州経済の先行き不透明感(前日発表されたドイツ7月ZEW景況感指数は2011年11月以来の低水準を記録)、Cパリティ割れを狙った仕掛け的なユーロ売り・ドル買い、D米6月消費者物価指数の伸び率加速(米長期金利急上昇→米ドル買い)が重石となり、米国時間にかけて、安値0.9999(2002年12月以来、約19年7ヵ月ぶり安値圏)まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、Eパリティ割れ実現に伴う達成感や、F米長期金利の急低下(米2年債・米10年債の「逆イールド」進行)などが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間7/14午前5時40分現在)では、1.0060前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は7/11に記録した直近高値137.76を上方ブレイクすると、一時137.87(1998年9月以来、約23年10ヵ月ぶり高値圏)まで急伸しました。日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダー)が成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(7/12に一時136.48まで下落するもすぐに反発→押し目を待ち構えている市場参加者が大量に存在→下値の堅さを再確認)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(米CPIが約40年7ヵ月ぶり高水準を記録したことで、7月FOMCでの大幅利上げ観測再浮上。アトランタ連銀ボスティック総裁が「7月FOMCでの100bp利上げの可能性」を指摘した他、リッチモンド連銀バーキン総裁も「FRBは経済成長ではなくインフレ抑制に焦点を当てるべき」と発言)や、A日銀による金融緩和の長期化方針(黒田日銀総裁は7/11に「必要があれば躊躇なく追加緩和」とハト派的なスタンスを再強調)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い、C米政府・米当局のドル高容認スタンス(インフレ抑制に繋がる米ドル高を容認する構え。

イエレン米財務長官は先日の日米財務相会合で「米国の見解ではG7諸国の為替相場は市場で決定」「円買い支え介入の可能性は議論せず」「外為市場介入はまれで例外的な場合のみ正当化される」と日銀による為替介入の選択肢をけん制)、D日本国民による円安容認スタンス(週末の参議院選で自民・公明与党が圧勝)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(米FRBによるタカ派傾斜に伴う米景気後退を織り込む形で、米2年債・米10年債の「逆イールド」が進んでいますが、明日発表される米6月小売売上高や、米7月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米7月ミシガン大学消費者信頼化指数などが市場予想を上回る結果となれば、米経済を巡る過度な悲観論後退を通じて、米ドルが一段と上昇する可能性あり)。尚、本日は米6月生産者物価指数や米新規失業保険申請件数などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:136.50ー138.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米CPIの伸び率加速を背景に約23年10ヵ月ぶり高値圏へ急上昇

ドル円日足

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