円安基調継続、パウエル議会証言には要注意(6/22夕)

22日の東京市場はドルが底堅い。前日記録した136.70円の高値に一度面合わせするなど終日を通して136円台、ドルは高値圏での推移となった。

円安基調継続、パウエル議会証言には要注意(6/22夕)

円安基調継続、パウエル議会証言には要注意

〇本日のドル円、終日を通して136円台ドル高値で推移、16時現在136.45-50
〇年初来高値135.58を超え、リスクは依然ドル高方向、中期的上値メド140円台到達早いか
〇本日はパウエルFRB議長の議会証言注視、市場波乱要因となる可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.60-137.00、136.70レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は136.05レベルがサポート

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場はドルが底堅い。前日記録した136.70円の高値に一度面合わせするなど終日を通して136円台、ドルは高値圏での推移となった。

ドル/円は136.60円レベルで寄り付いたのち、しばらくは調整と思しき円買いが先行。136円割れをうかがう様相を呈するも下回れず。すると、今後は一転して円売りが優勢となり、終盤に掛けては136.60円台へ。Vの字型の回復で、「行って来い」となった。16時現在では136.45-50円と寄り付きに近い日中高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなか木原官房副長官から「為替は安定が重要、急速な変動は好ましくない」といった円安けん制発言が聞かれていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、台湾空軍が「中国機29機、台湾の防空識別圏に侵入」と発表したほか、日本の防衛省も「中露艦艇による日本列島周回の動きが依然続いている」と危機感を露にしたコメントを発していた。ただ、岸田首相は選挙対策なのか空気が読めないのか、「対話は重要だ」としたうえで、党首討論会で「日中首脳会談を具体的に考えたい」と前向きな姿勢を示していたという。一方、それとは別に米中に関しては、米国が新疆ウイグル自治区からの物品輸入を禁止した法律を施行。対して中国外務省は「ウソを根拠にした制裁だ」などと強く反発していたようだ。

対して後者は、「ルガンスク州の複数集落を制圧した」と伝えられるなど、ウクライナにおける戦闘はロシア軍有利との見解が目に付く。そうしたなか、トルコ発で「代表団が週内に訪露し穀物輸出などの協議を行う」と発表されたうえ、ロイターでは「トルコとウクライナ、ロシア、国連の4者会談が今後数週間内にイスタンブールで開かれる」と報じていた。停戦に関する内容もさることながら、食料やエネルギーについての問題への議論が注視されている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、まさかのタイミングでレンジ上抜け。米FOMCなどの重要材料をこなした翌週ということで、あまり大きな動意が期待されていないなか、ドルはそれまでの年初来高値135.58円を超えただけでなく、136.70円までさらに1円以上も上値を伸ばしている。足もとの136円台を含め目立ったテクニカルポイントはなく、ある種の青天井状態だ。中期的な上値メドである140円台到達が、以外に早く訪れることになるかもしれない。
市場は引き続き各国金融政策に注目。そうした流れのなかで、本日と明日に実施されるパウエルFRB議長の半期議会証言を警戒する声も多い。すでに7月の大幅利上げは織り込みつつあるなど、サプライズは予想しにくい面もあるものの、それでも内容如何によっては米株市場などの動きとともに、為替市場でも波乱要因となる可能性もあり一応注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル高の流れは一服した感も見られたドル/円だったが、間隙を突いて昨日高値を更新。ポジションの偏りを無視すれば、依然としてリスクはドル高方向だ。さらなるドル高の進行もあり得る。
ただ、ここ1週間足らずのあいだだけでも5円を超えるドル高進行ということもあり、先で取り上げたポジションはさすがに偏っている。現状、大きく崩れる展開は予想しにくいとはいえ、それでも135円前後までの下げは考えておく必要がありそうだ。

一方、本日はとくに目立った米経済指標の発表はないものの、前述したパウエルFRB議長の半期議会証言が予定されており、こちらは波乱要因となりかねない。また、昨日から実施されている「核の傘」を含む拡大抑止に関する日米事務レベル協議などにも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.60-137.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値の136.70円レベルで、抜ければ137円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値136.05円レベルが一応のサポート。割り込んでも底堅く135.50円、135円など50銭刻みでテクニカルポイントあり。

円安基調継続、パウエル議会証言には要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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