ドル高基調継続も、目先はレンジ続く公算(22/6/21)

21日の東京市場は小動き。終日を通した値動きはわずか30ポイントほどと、目立った動意はうかがえなかった。

ドル高基調継続も、目先はレンジ続く公算(22/6/21)

ドル高基調継続も、目先はレンジ続く公算

〇本日のドル円、135円挟みで一進一退、値動きはわずか30ポイントほどで積極的な動意控えられる
〇ドル高値圏で推移しているが、当面134円後半から135円を中心とした動きで次の方向性探るか
〇欧州でも利上げ機運がさらに強まりつつあり、引き続き各国金融政策に注目
〇テクニカルには、ドル高基調に変化はないが、短期的には時間的な調整を見込む向きも
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.70-135.70、135円半ばと年初来高値をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、昨日安値134.53がサポート

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場は小動き。終日を通した値動きはわずか30ポイントほどと、目立った動意はうかがえなかった。

ドル/円は135.10円レベルで寄り付いたのち、終日を通して135円挟みでの一進一退に。日米株価は金利の動きを注視しつつも、積極的な動意は手控えられている。また、鈴木財務相からは「必要な場合には適切な対応を取りたい」、岸田首相「金融政策は為替にも影響を与える」などといったコメントも聞かれていたが影響は限られた。16時現在、135.05-10円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「各国金融政策」について。
前者は、ウクライナ軍が「港湾都市オデーサ(オデッサ)にある食糧貯蔵施設がロシア軍のミサイル攻撃で破壊された」と発表し、さらなる食料不足の可能性を示唆。そんな話もあり、EU外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は「ロシアはウクライナからの穀物輸出を阻むことで戦争犯罪を犯している」と非難していた。なお、そうしたなか、飛び地への列車通過拒否の動きに出たリトアニアに対し、ロシアは「貨物輸送が速やかに再開されなければ、ロシアは国益を守るために措置を講じる」などと恫喝したことが明らかになっている。
対して後者は、米国が先行し積極的な利上げに動くなか、欧州においても利上げ機運がさらに強まりつつあるようだ。昨日も、ECB総裁が7月と9月の理事会で政策金利を引き上げる方針を明言したうえ、ECB理事会メンバーのラトビア中銀総裁からは「今夏に合計0.75%の利上げを支持する」旨のコメントが発せられていた。一方、豪中銀も総裁が「来月の会合では0.25%か0.50%の利上げを議論する」と述べ、利上げに意欲をみせていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日から本日東京に掛けてのドル/円は、135円挟みの強保ち合い。ドルの高値圏で推移しているものの、135.58円の年初来高値にはとどいていない。油断は禁物だが、先週米FOMCなどの重要材料をこなしたこともあり、基調そのものに変化はないにせよドル上値トライも目先は一服か。価格ではなく時間調整、しばらくは134円後半から135円を中心とした一進一退で、次の方向性を探る動きをたどることになるかもしれない。
市場は引き続き各国金融政策に注目。先週、日米英そしてスイスなどが政策金利を発表したことに続き、前述したように欧州や豪州の次の一手が注視されている。しかし、いずれにしても金利引き上げの軌道に乗っていないのは日銀ぐらいで、円を積極的に買っていく地合いにないことは確か。米ファンダメンタルズの明確な悪化や、NYダウなど米株の再下落によっては一時的に円買いが進む可能性もあるが、その場合でもドル/円などの下値は限られそうだ。

テクニカルに見た場合、やや長めのスパンではドル/円のドル高基調に変化は見られないが、短期的には上げ渋りから、時間的な調整を見込む向きもある。年初来高値を仮に更新しても上値は重く、上昇は限られるとの見方も多いようだ。対して、ドルの大崩れを予想する向きもそれほど多くないが、133円をクリアに割り込めば132円台をスルーし、先週安値の131円半ばが視界内に。

一方、本日は米経済指標として、5月のシカゴ連銀全米活動指数や同中古住宅販売件数などが発表されるうえ、メスター・クリーブランド連銀総裁らの講演も実施される予定だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.70-135.70円。ドル高・円安方向は接近すると売りも多い135円半ば、そして年初来高値をめぐる攻防にまずは注目。抜ければ当然さらなる上値を目指しそうだが、136円などでは一度上げ止まる展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日安値134.53円が一応のサポート。割り込めば134円前後や133円台後半を目指す展開が予想されるも、取り敢えずは底堅そう。

ドル高基調継続も、目先はレンジ続く公算

ドル円日足


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