ドル円、約23年8ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。米金利と米株に振らされる神経質な展開(6/14朝)

週明け13日(月)のドル円相場は急伸後に急反落。

ドル円、約23年8ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。米金利と米株に振らされる神経質な展開(6/14朝)

ドル円、約23年8ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。米金利と米株に振らされる神経質な展開

〇ドル円、東京時間に135.16まで上昇するも、リスク回避姿勢強まり米国時間に133.60まで急落
〇その後は米10年債利回りが2011年4月以来の3.43%へ急上昇する等で134.40台に戻す
〇ユーロドル、欧州経済先行き懸念、米金利上昇、株安、に米国時間午後に1.0404まで急落
〇ドル円1998年10月以来の高値圏へ続伸、テクニカル、ファンダメンタルズとも地合い極めて強い
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想、本日米5月PPIに要注目
〇本日の予想レンジ:133.50ー135.50

海外時間のレビュー

週明け13日(月)のドル円相場は急伸後に急反落。@先週末金曜日に発表された米5月消費者物価指数が市場予想を大幅に上回ったこと(前年同月比+8.6%と40年5ヵ月ぶり高水準を記録)や、A上記@を背景に米FRBによるタカ派傾斜観測が一段と強まったこと(インフレがピークアウトするとの期待感後退→米FRBがタカ派姿勢を一段と強めるとの見方が台頭→今週の米FOMCで75bpの大幅利上げが実施されるとの思惑浮上→米長期金利急上昇→米ドル買い)、B心理的節目135.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り(135.00に観測されていたリバースノックアウトオプションがトリガーヒットしたことに伴うオプション勢のデルタ買戻し)などが支援材料となり、アジア時間午後にかけて、約23年8ヵ月ぶり高値となる135.16(1998年10月以来)まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、C世界的な金融引き締め強化を背景とした過剰流動性相場の逆流懸念(株式市場をはじめリスクアセットが大暴落)や、D中国のロックダウン再開に伴う中国経済の悲観論再燃、E上記CDを背景としたリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円連れ安)、F黒田日銀総裁による「最近の急激な円安進行は経済にマイナスで望ましくない」との参院決算委員会での円安牽制発言、G急ピッチな上昇に伴う短期筋のポジション調整(利食い売りに端を発した揺り戻し)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値133.60まで急落しました。もっとも、前週末金曜日に記録した安値133.36をバックに下げ渋ると(押し目買い圧力が強まると)、H米長期金利の急上昇(米10年債利回りは2011年4月以来となる3.43%へ急上昇)や、I上記Hを背景とした対主要通貨でのドル買い圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6/14午前5時10分現在)では、134.40前後で推移しております。

週明け13日(月)のユーロドル相場は大幅下落。アジア時間朝方にかけて、高値1.0520まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@先週発表されたECB理事会でECBによるタカ派傾斜姿勢が明らかとなったことや、A上記@を背景に欧州経済の先行き不透明感が高まっていること(スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締め開始となるため欧州経済にとっては強い逆風)、B米インフレ昂進を背景とした米長期金利の急上昇、C世界的な金融引き締め強化を背景とした過剰流動性相場の逆流懸念(株式市場をはじめリスクアセットが大暴落→資産現金化需要のドル買い圧力)が重石となり、米国時間午後にかけて、5/16以来、約1ヵ月ぶり安値となる1.0404まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/14午前5時10分現在)では、1.0410前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時135.16まで急伸するなど、1998年10月以来、約23年8ヵ月ぶり高値圏へと続伸しました(5/24に記録した安値126.36をボトムにわずか3週間で8.80円の急騰劇)。この間、主要レジスタンスポイントを軒並み上抜けした他、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナルが複数点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(高値更新後に反落するも、すぐに持ち直すなど下値は堅い→短期的にも中長期的にも上昇トレンド継続→次のターゲットは1998年10月高値136.90)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派スタンスの傾斜観測(インフレピークアウト論が後退したことで米FRBが6月・7月に続いて9月以降も大幅利上げを継続するとの見方が再燃。一部では今週予定されているFOMC、次回7月FOMCで75bpずつの利上げが実施されるとの見方も台頭)や、A日銀によるハト派スタンスの継続姿勢(黒田日銀総裁は昨日、円安への警戒感を滲ませる発言を行いましたが、その一方で金融緩和継続についても強調)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差急拡大に伴うドル買い・円売り)、

C日本とその他各国との金融政策の方向性の違い(米国のみならず、ユーロ圏・英国・カナダ・ニュージーランド・オーストラリア・南アフリカ・メキシコ・チリ・ポーランド・マレーシア・ペルー・フィリピン・ハンガリー・韓国などが金融引き締めスタンスに転換→円独歩安)、D資源価格上昇に伴う構造的な円売り圧力(貿易赤字拡大→経常収支悪化→円売り)など、ドル買い・円売りを連想させる材料が揃っています(足元で広がる過剰流動性相場逆流に伴うリスクアセットの暴落は、リスク回避の円買いに繋がると同時に、資産現金化需要のドル買いにも繋がることから、ドル円は両者綱引き状態となり易く、一方向のドル円下落は生じにくい)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(本日は米5月生産者物価指数に注目。市場予想を上回る結果となれば、米インフレ懸念→米長期金利上昇の経路でドル円に強い上昇圧力をもたらす可能性あり。米長期金利と米主要株価指数を睨みながらの神経質な相場展開の継続を想定)。

本日の予想レンジ:133.50ー135.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約23年8ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。米金利と米株に振らされる神経質な展開

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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