連日の年初来高値更新、リスクは依然ドル高 (6/8夕)

8日の東京市場はドルが小幅に続伸。133円台にしっかりと乗せただけでなく、一時133.40円近くまで上値を広げている。

連日の年初来高値更新、リスクは依然ドル高 (6/8夕)

連日の年初来高値更新、リスクは依然ドル高

〇ドル円、日中高値133.40近くまで到達、16時現在133.25-30で推移
〇連日の高値更新、リスクは依然ドル高方向、2002年4月高値133.84現実的ターゲットに
〇本日は米4月卸売売上高、米財務省10年債入札、露トルコ両国外相による会談予定
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは132.80-134.00
〇ドル安・円高方向は133円前後が目先のサポート

<< 東京市場の動き >>

8日の東京市場はドルが小幅に続伸。133円台にしっかりと乗せただけでなく、一時133.40円近くまで上値を広げている。

ドル/円は寄り付いた132.60-65円を日中安値に緩やかな右肩上がり。前日しっかりとは超えられなかった133円レベルも超えると夕方には日中高値の133.40円近くまで値を上げている。レベルもレベルだけに、引き続き本邦要人からは「円安けん制発言」も聞かれたが効果は限られ、本日も結果として「寄り付き安・大引け高」の様相。16時現在、ドル/円は133.25-30円のドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、ウクライナの州知事が「ロシアは黒海沿岸の大規模穀物倉庫を破壊」したと発表するなか、同国農業次官も「穀物輸出は月200万トンが限界」と述べるなど、世界的な穀物不足に懸念を示していた。そうしたなか、ロシア外相がトルコ入り。8日にチャブシオール外相と会談し、停戦問題とともに穀物輸出についても議論される見通しだが果たして進展はあるのだろうか。一方、それとは別にロシアは日本に対し、寝耳に水ともいえる「安全操業協定履行の停止」を通告している。

対して後者は、北朝鮮が5日に弾道ミサイルを連続発射したことへの対抗措置とみられる動きが相次ぐ。たとえば、航空自衛隊と在日米軍が日本海上の空域で戦闘機計6機による共同訓練に臨んだと発表されたうえ、米韓戦闘機20機による黄海での示威行動も観測されていたようだ。そうしたなか、米国のシャーマン国務副長官と韓国の趙外務第1次官がソウルで会談したほか、米国のキム北朝鮮担当特別代表からは「北朝鮮は核実験がいつでも実施できる」などとした警戒発言も聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は連日の高値更新。昨日133円レベルで上げ止まったドルは、本日東京時間に続伸すると133.40円近くまで値を上げている。テクニカルには、以前から再度指摘している2002年4月高値の133.84円が現実的なターゲットとして意識されてきたことは間違いなく、超えればいよいよ135円台も。ポジションの偏りなどは気掛かりではあるものの、リスクは依然としてドル高・円安方向にバイアスがかかりそうだ。
本日東京時間、黒田日銀総裁は「短期的な急激な円安の進行は望ましくない」とした口先介入に動くも、反面でゼロ金利政策を変更する意思のないことを明言している。つまり、消極的にせよ円安を容認しており、市場においても円売り安心感が非常に強い状況だ。米ファンダメンタルズや金利の動きをにらみつつも、さらなる上値トライの可能性がある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は5月24日に示現した前回安値126.36円を起点と考えても、2週間で7円という上昇をたどっている。2002年4月高値を133.84円にターゲットとし基本的なリスクはドル高方向だが、価格そして日柄ともに調整の動きには一応要注意。
なお、ここ数日は連日ドルの下値を切り上げる展開をたどっているだけに、前日安値を下回る局面があれば最初の変化と言えるかもしれない。ちなみに、昨日の安値は131.87円となる。

一方、本日は米経済指標として、4月の卸売売上高などが発表されるほか、米財務省による10年債入札実施も予定されている。そうしたなか、前述したようにロシア外相とトルコ外相による対面式の会談が実施される見込み。エネルギーや食料問題の観点からも注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.80-134.00円。ドル高・円安方向は、2002年4月高値133.84円が現実的なターゲットとして意識。上抜けると134円台乗せもありそうだ。
対するドル安・円高方向は、短期時間足などを見ると133円前後が目先のサポートか。しっかり割り込めば昨日欧米安値の132.35円レベルを目指したドルの続落も。

連日の年初来高値更新、リスクは依然ドル高

ドル円日足


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