リスクは依然ドル高、続伸にも一応要注意(6/7夕)

7日の東京市場は円全面安。ドル/円は年初来高値を再び更新すると、一時133円レベルまで買い進まれている。

リスクは依然ドル高、続伸にも一応要注意(6/7夕)

リスクは依然ドル高、続伸にも一応要注意

〇本日のドル円、131.85-90で寄り付き前日高値132.01を超えさらに続伸、夕方133円レベルへと上昇
〇昨日欧米時間に円安が再燃、政府要人による円安けん制発言相次ぐ
〇4月高値131.25と5月の高値131.35を超え、ドル買い・円売りの根深さが改めて示される
〇基本的なリスクは引き続きドル高方向、次の上値メドは2002年4月高値133.84、超えれば135円台も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.90-133.30、133円レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、132円半ばが目先のサポート

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場は円全面安。ドル/円は年初来高値を再び更新すると、一時133円レベルまで買い進まれている。

ドル/円は131.85-90円で寄り付いたのち、緩やかな右肩上がり。前日高値132.01円を超えただけでなく、さらに大幅な続伸をたどると、夕方には133円レベルへと値を上げている。途中、本邦要人から相次いで円安けん制発言が聞かれたものの、効果はほとんどなく、結果として「寄り付き安・大引け高」の様相。16時現在、ドル/円はわずかに緩んだ132.75-80円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「円安けん制発言」と「ロシア情勢」について。
前者は、ここのところ一服していた感もあった円安が昨日欧米時間に再燃。ドル/円が年初来高値を更新したこともあり、やや早めの時間帯から政府要人による円安けん制発言が相次ぐ格好となった。たとえば、鈴木財務相は「為替の急速な変動は望ましくない」と述べたうえで、米国などの通貨当局と密接な意思疎通を図っている旨のコメントも発していた。また松野官房長官は「為替の安定は重要」、内田日銀理事も「最近の短期間で大幅な円安進行は望ましくない」と指摘している。対して、黒田日銀総裁は「強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言した反面、そののち「短期間での大幅な円安進行は経済にマイナス作用」とコメントしていたようだ。

対して後者は、ロシア外務省が報復措置とみられる「米財務長官ら61人を入国禁止にする」と発表。また、モスクワに拠点を置く米報道機関各社に対し、報道制限措置導入の示唆も明らかにしている。また、ラブロフ外相が「西側が長距離砲供与ならウクライナは結果として多くの領土を失う」と恫喝したほか、シルアノフ財務相はBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)に対して、世界的な経済危機のリスクを指摘したうえで、経済情勢の安定化に向け協調して措置を取るよう呼びかけたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、新規材料が乏しいなか昨日欧米時間に予想外のドル高・円安が進行。またドルは本日東京時間にも続伸し、133円レベルまで一時達していた。4月と5月の高値、131.25円や131.35円と今回とで二番もしくは三番天井形成の可能性も考えていたが、それらを難なく超えており、ドル買い・円売りの根深さが改めて示されたと言えるだろう。いずれにしても、次の上値メドはというと2002年4月高値の133.84円。超えればいよいよ135円台も。
本日東京時間に黒田日銀総裁から、「円キャリートレード、金利差だけで増加しているとはいえない」との発言が聞かれていた。確かにその通りではあるものの、確実に足もとの円安の一端を担っていることだけは間違いなく、また場合によっては金利差がさらなる円安進行のトリガーを引く可能性もある。以前にもレポートしたように、足もとを含めた円安基調は日米金利差などを考えた場合、「ファンダメンタルズに沿った動き」だ。だからこそ、一時的な円の巻き返しはともかくとして、流れが反転することは見込みにくいと言わざるを得ない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は想像以上に容易に132円台を回復しただけでなく、その後はさらに続伸し一時133円前後へ。以前に指摘した中期の上値メド2002年4月高値の133.84円も、すでに現実的なターゲットとして意識されているようだ。ポジションの偏りなどは気掛かりで、調整の動きに注意を払いつつも、基本的なリスクは引き続きドル高方向。さらなるドル高・円安の進行にも要注意だ。

一方、本日は米経済指標として、4月の貿易収支や同消費者信用残高などが発表されるほか、米財務省による3年債入札実施も予定されている。昨日同様、若干材料が少ない気もするが、昨日はそうした思惑のなか円安が進行しただけに、本日も予断を許さない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.90-133.30円。ドル高・円安方向は、本日東京高値にもあたる133円レベルの攻防にまずは注目。上抜けると度々指摘している133.84円がいよいよ現実的なターゲットに。
対するドル安・円高方向は、短期時間足などを見ると132円半ばが目先のサポートとして寄与している感。割り込めば132円あるいは131円後半を目指す展開もあり得るだろう。

リスクは依然ドル高、続伸にも一応要注意

ドル円日足


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