ドル円、日米金融政策格差を背景に大幅上昇。約20年2ヵ月ぶり高値を更新(6/7朝)

週明け6日(月)のドル円相場は大幅上昇。

ドル円、日米金融政策格差を背景に大幅上昇。約20年2ヵ月ぶり高値を更新(6/7朝)

ドル円、日米金融政策格差を背景に大幅上昇。約20年2ヵ月ぶり高値を更新

〇ドル円、米国時間午後にかけ一時約20年2ヶ月ぶり高値132.01まで急伸
〇日銀黒田総裁の強固な金融緩和継続発言、米長期金利上昇、原油価格の堅調推移等が背景
〇ユーロドル、欧州経済の先行き懸念、米金利上昇に米国時間午後にかけ1.0684まで下落
〇ドル円全てのレジスタンスラインを上抜け、強い買いシグナルも点灯、テクニカルの地合いきわめて強い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いや米中の経済先行き不安後退がドル円をサポート
〇引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:131.25ー132.75

海外時間のレビュー

週明け6日(月)のドル円相場は大幅上昇。@輸出企業と思しき実需のドル売り・円買いや、A短期筋のポジション調整(節目131.00をバックにしたロング勢の利食い売り)が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値130.43まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、B株式市場の堅調推移(日経平均株価の堅調推移→リスク選好の円売り圧力)や、C黒田日銀総裁による「揺るぎない姿勢で金融緩和を継続していく」「金融引き締めを行う状況には全くない」とのハト派的な発言、D原油先物価格の堅調推移(本邦貿易赤字の拡大懸念→構造的な円売り圧力)、E米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは5/11以来となる3.03%へ急上昇)、F直近高値突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り(5/9に記録した高値131.36の上方ブレイク)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、2002年4月以来、約20年2ヵ月ぶり高値となる132.01まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/7午前4時40分現在)では、131.88前後で推移しております。

週明け6日(月)のユーロドル相場は大幅下落。ドイツやフランスなど欧州大陸が聖霊降臨祭翌日の月曜日で祝日となる中、欧州時間朝方にかけて、高値1.0752まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと(一目均衡表雲下限をバックに続伸を阻まれると)、@資源価格上昇に伴う欧州経済のスタグフレーション懸念や、A米金利上昇に伴うドル買い圧力(ドル独歩高)、B上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(急ピッチで垂れ下がってくる一目均衡表の雲をバックにロングポジションを持ちづらいチャート形状)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0684まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/7午前4時40分現在)では、1.0693前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時132.01まで急伸するなど、2002年4月以来、約20年2ヵ月ぶり高値を記録しました。ローソク足が全てのレジスタンスラインを上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派スタンスの再確認(ブレイナードFRB副議長による「9月に利上げを休止する理由を見出すのは極めて難しい」との先週の発言を受けて、6月・7月に続いて9月以降も大幅利上げに踏み切るとの見方が台頭)や、A日銀による金融緩和スタンスの再確認(黒田日銀総裁は昨日、金融緩和政策の継続姿勢を強調すると共に、金融引き締め政策への転換を明確に否定)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、

C米国経済を巡る過度な悲観論の後退(先週発表された米5月ISM製造業景況指数や米5月雇用統計は力強い結果→米経済のリセッション懸念後退→長短金利差縮小基調が一服→米ドル買い)、D中国経済を巡る過度な悲観論の後退(中国のロックダウン解除→市場心理改善)、E本邦貿易赤字の拡大懸念(原油先物価格上昇→本邦貿易赤字拡大→本邦経常収支の赤字転落懸念→構造的な円売り圧力)など、ドル買い・円売りを連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(本日は米4月貿易収支や、米レッドブック週間小売売上高、米3年債入札、米4月消費者信用残高などが予定されているものの、いずれも重要度はそれ程高くないため、ドル円は本日同様、米長期金利や米主要株価指数を睨みながら神経質に乱高下する展開を想定。心理的節目132.00の上方ブレイクに成功できたことで、次は2002年1月31日に記録した高値135.18がターゲット)。

本日の予想レンジ:131.25ー132.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、日米金融政策格差を背景に大幅上昇。約20年2ヵ月ぶり高値を更新

ドル円日足

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