リスクはドル安・円高か、続落にも要注意(5/20夕)

19日の東京市場はレンジ取引。128円挟みの一進一退で、明確な方向性は観測されなかった。

リスクはドル安・円高か、続落にも要注意(5/20夕)

リスクはドル安・円高か、続落にも要注意

〇本日のドル円、127円半ばから128.20といった70ポイントほどのレンジでの取引、明確な方向性乏しい
〇基本的なリスクはドル安方向との予想が優勢、ドルの下値メドは127.03あるいは126.95
〇127円前後で下値を支えられればドルの再上昇が見込まれる反面、割り込むとドル大幅続落の可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.40-128.60、ドル高・円安方向は128.20レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、127.55レベルの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場はレンジ取引。128円挟みの一進一退で、明確な方向性は観測されなかった。

ドル/円は127.80-85円で寄り付いたものの、基本はレンジ取引。127円半ばから128.20円といった70ポイントほどのあいだで往来相場をたどっている。早い時間帯に、日本の4月の全国消費者物価が発表され、コアCPIが予想を上回る数字となったものの、為替市場の反応はいまひとつ。その後は、日米株価の動きをにらみつつも一進一退。16時現在では寄り付きとほぼ同じ127.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ロシア国防省が「ウクライナ製鉄所で新たに約771人が投降した」と発表。また、ウクライナ大統領からは「ロシア軍がドンバス地域を完全に破壊」との発言が聞かれるなど、依然として激しい戦闘が続くなか、G7や米国、ドイツなどが相次ぎウクライナ支援の資金拠出を発表している。今後、ウクライナが再び大きく巻き返すことになるのか注目だ。そうしたなか米国防総省は「米露軍制服組トップがウクライナ情勢を含む相互利益について電話会談を行った」と発表したものの、詳細は伝えられていない。
対して後者は、中国外務省が、米国務長官が表明した「台湾のWHO招待」に反発したほか、インド訪問中のゼヤ米国務次官がダライ・ラマ14世と面会したことにも「内政干渉」などと強い反対姿勢を示していた。その一方、ブルームバーグは「中国が石油の追加購入をめぐりロシアと交渉を行っている」と指摘。さらに、ロイターはバイデン氏と習国家主席の「米中首脳が数週間以内に会談する可能性があることがわかった」と報じ、話題を呼んでいたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は128.50-129.80円といったおよそ1.3円の短期レンジに続き、もう少し期間の長い大レンジ下限127.52円も、昨日欧米時間に一時下回った。そうしたなか、本日東京時間には一時128円前半へのプルバックも見られたが、ここのところ東京と欧米で流れが逆になることも儘あり、基本的なリスクはドル安方向と予想する声が優勢だ。ちなみに、そんなドルの下値メドは昨日安値の127.03円あるいは、4月27日安値126.95円などとなる。
先日、イエレン米財務長官から「ドル高容認発言」が聞かれたものの、為替市場は逆にドルがやや冴えない値動きだ。ここ数日、発表される米経済指標が予想を下回るケースが増えており、性急な米利上げについても警戒感が徐々に高まっているようだ。NYダウなど米株がしっかりと下げ止まり反発へと転じない限り、調整と思しきドル売り・円買いの動きは続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、昨日欧米時間にドル/円相場は127.52円を下回ったことで「勝負あり」。さらなる下落やむなし、と予想したが結果として4月27日安値126.95円とのダブルボトムをつけたようにもみえ、様相は混とんとしている。本日以降、当面の動静をしっかりと見極めたい。127円前後で下値をしっかりと支えられれば、本日以降来週にかけてドルの再上昇が見込まれる反面、割り込んでしまうと125円割れに向けたドルの大幅続落を否定できなくなりそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には、ゼロコロナ政策の影響もあり、今年の経済成長率見通し大幅引き下げが目に付く「中国情勢」。バイデン氏が日韓訪問に出発し、いわゆる「Xデー」へと入った「北朝鮮情勢」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日はとくに目立った米経済指標が発表されないうえ、予定ベースでは米地区連銀総裁などによる発言機会もない。やや材料難の雰囲気。しかし、G7財務相・中銀総裁会議が最終日を迎えるなど、各国政治ファクターには引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.40-128.60円。ドル高・円安方向は本日東京高値の128.20円レベルが最初の抵抗で、抜ければ129円近くまでの戻りも。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の127.55円レベルの攻防にまずは注目。割り込むと昨日安値を含めた127円前後が意識されそうだ。

リスクはドル安・円高か、続落にも要注意

ドル円日足


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