G7など注視、短期的には欧州通貨の動き注意
〇本日のドル円、高値129.55到達後ドル売り・円買い優勢に、16時現在129.25-30で推移
〇128.50-129.80といった1.3円レンジ取引、短期的には続くか
〇本日は米4月住宅着工件数、G7財務相・中銀総裁会議予定
〇北欧2ヵ国NATO加盟申請提出予定、目先は欧州通貨の動き注視
〇今週20日に本邦消費者物価指数発表予定、日米金利差の観点から注目集まる
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.70-129.80、129.78が最初の抵抗
<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場はレンジ取引。129円前半を中心とした一進一退で、引き続き方向性は乏しかった。
ドル/円は129.35-40円で寄り付いたのち、129.55円レベルで日中高値をつけるも上値は重い。その後は逆にドル売り・円買いが優勢となり、一時129円を割り込んだが、こちらも続かなかった。日米株価の動きなどをにらみつつ、結果129円前半を中心としたやや狭いレンジ内での変動に。16時現在では129.25-30円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、スウェーデンとノルウェー、北欧2ヵ国の首脳が18日に「NATO加盟申請書を提出する予定」と発表。ただ、トルコは依然として加盟に賛意を示しておらず、先行きが注視されるなか、NYでブリンケン国務長官とトルコのチャブシオール外相が同じ18日に北欧NATO加盟を協議するという。果たしてトルコが翻意をひるがえすことになるのだろうか。なお、ウクライナ現地における戦闘については、「マリウポリのアゾフスターリ製鉄所で、数週間にわたる籠城を続けていたウクライナ兵が投降した」との報道が観測されており、ここのところ劣勢だったロシアが巻き返したようだ。
対して後者は、WHO高官から、北朝鮮におけるコロナ感染拡大を受けた「新変異株出現憂慮」発言が聞かれるなか、朝鮮中央通信は「17日夕までの一日で新たに23万人超の発熱患者と、6人の死亡が確認された」と報じている。そうしたなか、「北朝鮮の駐在員らが中国で医薬品を大量購入」といった報道もあり、隠密下での対応を急いでいるようだ。一方、それとは別に、米CNNが「48-96時間以内にICBMを発射する可能性がある」と報じ、一部で話題となっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は131.35円で当面のドル高値、127.52円で同安値を達成した感があるだけでなく、短期的にはさらに狭いレンジを形成している。実際、先週末からの動きをみると、おおよそ128.50-129.80円といったおよそ1.3円レンジ。足もとの方向性はやや乏しいと言える。予断を許さないものの、材料的には週末に向け今日、明日ぐらいは上記レンジを中心とした狭いなかでの一進一退が続く可能性がある。
日米金利差という観点から、市場では週末20日に発表される日本の経済指標、4月の全国消費者物価指数が注目を集めている。前年同月比では、プラス2%という日銀の目標を一時的にせよクリアする可能性が高いとの指摘も。いずれにしても、目先材料がまったくないというわけではないが、先の日本の消費者物価発表をにらんだ動きがいましばらく続きそう。むしろ、「北欧2ヵ国のNATO加盟申請」などの材料もあるユーロやポンドなど欧州通貨の動きが目先は要注意。
テクニカルに見た場合、足もとのドル/円相場は価格ではなく時間調整の様相で、事実ここ数日間は128.50-129.80円といったおよそ1.3円レンジ。次の動意に向けてエネルギーを蓄積しつつある。また仮に前記した1.3円の小レンジを放れたとしても、127.52-131.35円という大レンジ内にはとどまりそう。つまり、明確な方向性がしっかりと感じられるまでには、いましばらく時間が必要と見込む。
本日は米経済指標として、4月の住宅着工件数や同建設許可件数が発表されるほか、米財務省による20年債の入札などが実施される見込みだ。また、ドイツでG7財務相・中銀総裁会議がはじまるほか、スウェーデンなど北欧2ヵ国のNATO加盟申請をめぐる動きにも要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.70-129.80円。ドル高・円安方向は昨日示現した高値の129.78円が最初の抵抗で、抜ければ再び130円台乗せが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、129円前後の弱いサポートを割り込めば、128.70-80円をめぐる攻防に注目。割り込むと128円割れに向けたドルの続落も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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