ドル円、米株および米金利の上昇を横目に堅調推移。節目130円台の回復が射程圏内(5/18朝)

17日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、米株および米金利の上昇を横目に堅調推移。節目130円台の回復が射程圏内(5/18朝)

ドル円、米株および米金利の上昇を横目に堅調推移。節目130円台の回復が射程圏内

〇ドル円、米国時間にかけて一時129.77まで上昇後129円台前半での推移
〇上海市での感染抑制報道を受けた株価の堅調、米金利上昇、米指標の好調等がサポート
〇パウエルFRB議長、インフレ抑制にさらなる行動を検討する可能性示唆するも為替は反応薄
〇ユーロドル、欧州株の堅調、クノットオランダ中銀総裁のタカ派発言に一時1.0555まで上昇
〇ドル円テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズもドル円の上昇材料多い
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:128.75ー130.00

海外時間のレビュー

17日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@前日海外時間に発表された米5月ニューヨーク連銀製造業景気指数(結果▲11.6、予想15.0、前回24.6)が市場予想を大幅に下回る冴えない結果となったことや、A上記@を背景に米長期金利が低下したことなどが重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値128.84まで下落しました。しかし、前日安値128.71をバックに下げ渋ると、B中国上海市で隔離地域外における新型コロナウイルス新規感染者数が3日連続でゼロとなったこと(中国経済を巡る過度な悲観論の後退)や、C本邦輸入企業と思しき実需のドル買い・円売り(公表相場決定にかけてのドル不足)、D株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、E米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは2.87%から2.99%へ急上昇)、

F米4月小売売上高の良好な結果(前月比+0.9%と市場予想に一致するも、前回分が+0.5%から+1.4%に大幅上昇修正)、G米4月鉱工業生産(結果1.1%、予想0.5%)の力強い結果が支援材料となり、米国時間にかけて、高値129.77まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/18午前6時00分現在)では、129.40前後で推移しております。尚、パウエルFRB議長は昨日、「必要ならばFRBはさらに積極的な行動を検討する必要がある」「多数のメンバが今後2回の会合で50bpの利上げを支持」とのタカ派的な発言を行いましたが、ドル円相場の反応は限定的なものに留まりました。

17日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0429まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、@欧州株の底堅い動き(リスク選好ムード)や、Aオランダ中銀クノット総裁による「7月会合での25bp利上げを支持する」「データ次第でより大きな利上げに踏み切ることも除外しない」とのタカ派的な発言、B上記Aを背景とした欧州債利回りの上昇が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0555(5/11以来、約1週間ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/18午前6時00分現在)では、1.0548前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は128円台後半で下値の堅さを再確認すると、一時129.77まで上昇しました。引き続き、心理的節目130.00の突破には至っていないものの、同水準の突破は時間の問題と考えられます。チャート形状を見ても、ダウンサイドに複数のテクニカルポイントが控えている(一目均衡表基準線がサポートとして確り機能)他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダーも継続しているため、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(目先は、5/9高値131.36と5/12安値127.51を起点としたフィボナッチ61.8%戻し129.88を試すシナリオを想定→同水準を突破できれば心理的節目130.00の回復が射程圏内)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派スタンスの明確化(米FRBはインフレ抑制を最重要視。パウエルFRB議長は昨日、「必要ならば(インフレ低下に確証が得られなければ)FRBはさらに積極的な行動を検討する必要がある」と発言し、市場コンセンサスである50bpの利上げを上回る75p利上げの可能性が残されていることを滲ませました。これを受けて米10年債利回りは2.99%まで急上昇)や、A日銀によるハト派スタンスの継続姿勢(黒田日銀総裁は5/16に「金融緩和を粘り強く継続する」と改めて発言。円安容認スタンスも継続)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、C資源価格高に伴う本邦貿易赤字の拡大懸念(経常収支の赤字転落懸念→構造的な円売り圧力)など、ドル円相場のアップサイドリスクを意識させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は米4月住宅着工件数や米4月建設許可件数、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁発言などに注目。米経済指標が市場予想を上回る場合や、米当局者よりタカ派的な発言が見られる場合などには、昨日同様、米主要株価指数の上昇に伴うリスク選好の円売りと、米金利上昇に伴うドル買いが組み合せでドル円が大きく上昇する可能性あり→先週の急落要因であった@ロシアを巡る地政学的リスク、A中国経済の失速懸念、B米金利上昇に伴う過剰流動性相場逆流リスクの3つの材料の内、現在はAとBが幾分和らいでいるため、ショートカバーやロング再構築が生じやすい相場環境)。

本日の予想レンジ:128.75ー130.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米株および米金利の上昇を横目に堅調推移。節目130円台の回復が射程圏内

ドル円日足

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