基本はレンジ取引か、米指標や株価に注目(5/17夕)

17日の東京市場はドルが小じっかり。ただ、基本的には129円挟みの展開で、明確な方向性は乏しかった。

基本はレンジ取引か、米指標や株価に注目(5/17夕)

基本はレンジ取引か、米指標や株価に注目

〇本日のドル円、基本的に129円挟みの展開、明確な方向性乏しい
〇ここ2-3日は128.51-129.63といったおよそ1.1円レンジ、足もとはレンジ取引の様相
〇次の動意へのエネルギー蓄積の時間帯と予想されるが、しばらくは129円挟みの狭いレンジ取引の可能性
〇本日、4月小売売上高・鉱工業生産・設備稼働率など発表予定、米地区連銀総裁の発言機会も予定される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.70-129.90、ドル高方向は129.45レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、128.70-80をめぐる攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場はドルが小じっかり。ただ、基本的には129円挟みの展開で、明確な方向性は乏しかった。

ドル/円は129.10円レベルで寄り付いたのち、当初は下値を探る動き。129円を割り込み、日中安値の128.85円レベルまで値を下げた。しかし、そののち再びドルが進まれると反転高。129円半ばへと値を上げたあとは、日米株価や金利の動きを注視しつつ、129円前半での強保ち合いに。16時現在では129.25-30円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、NATO事務総長がスウェーデン首相と電話会談後、同国の加盟申請方針決定を「歓迎する」とコメントした反面、ロシア外務省やプーチン大統領は痛烈な批判を浴びせていた。とくに後者のプーチン氏は「NATO側の軍事施設がスウェーデン国内に置かれた場合は対抗措置を取る」と恫喝している。一方、ウクライナ現地での戦闘は、米国防総省高官の話として「北東部にある第2の都市ハルキウ周辺でウクライナ軍が北部の国境近くまでロシア軍を押し返した」とされ、ロシア軍がかなり苦戦しているようだ。
対して後者は、ドル/円が9日に年初来高値131.35円を付けたのち、やや冴えない調整と思しき動きをたどるなか、本日東京時間には複数の本邦要人から口先介入が幾つか観測されていた。たとえば、鈴木財務相の「急激な為替の変動は好ましくない」に続き、雨宮日銀副総裁からも衆院財金委員会でほぼ同じニュアンスの発言が観測されている。もっとも、ここ最近は若干円高気味の推移をたどっていることもあってか、これまでのような切迫感のあるコメントは聞かれなかったようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は131.35円で目先のドル高値、127.52円で同安値を達成した感がある。実際、先週末からのここ2-3日だけをみると、128.51-129.63円といったおよそ1.1円レンジだ。足もとの方向性は乏しく、レンジ取引の様相を呈していることは間違いない。基本的には「嵐の前の静けさ」で、次の動意に向けたエネルギー蓄積の時間帯と予想されるが、それでもしばらくは129円挟みの狭いレンジ取引が続く可能性もある。
単純に日米の金利差だけを考えると、明らかな拡大方向。縮小することは当面ないと予想され、円売りに傾斜せざるを得ない。しかし、性急な利上げを受けた米景気の減速懸念なども取り沙汰されるようになっており、実際、昨日発表された5月のNY連銀製造業景況指数が予想外の悪化。それもマイナスの数値となったことが、ネガティブサプライズとなっている。米ファンダメンタルズ、そして依然として冴えない動きをたどっているNYダウなど米株の動きには本日も引き続き注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、週足の連続陽線記録が先週途切れたドル/円相場に風向きの変化がうかがえる。だからといって、ドルが大きく崩れていく展開も見込みにくいのだが、敢えてリスクを指摘すれば、わずかにドル安方向だろう。それほど可能性が高いとは思っていないものの、仮に先週安値の127.52円を下回るようだと、ドルは予想以上の深押しも。対して、130円台をしっかりと回復すれば、上方向リスクが再燃する可能性もありそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には、中韓外相がオンライン会談を行い、韓国に「米韓関係の強化をけん制」したとされる「中国情勢」。上海の規制が解除に向けて動きはじめた反面、北京では逆に規制が強化されているとの指摘もある「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「北朝鮮情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、4月の小売売上高や同鉱工業生産、設備稼働率などが発表されるほか、米地区連銀総裁の講演など発言機会も幾つか予定されており、注意を払いたい。また、スウェーデンなどがNATOへの加盟申請を「18日までに行う」としており、それに向けた動きとロシアの反応も引き続き気掛かりだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.70-129.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる129.45円レベルが最初の抵抗で、抜ければ昨日高値129.63円もそして130円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値を含めた128.70-80円をめぐる攻防に注目。割り込むと、128円割れに向けたドルの続落も。

基本はレンジ取引か、米指標や株価に注目

ドル円日足


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