ドル円、上下しつつも方向感を見出せない展開。本日は米小売売上高と米当局者発言に注目(5/17朝)

週明け16日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出しづらい展開。

ドル円、上下しつつも方向感を見出せない展開。本日は米小売売上高と米当局者発言に注目(5/17朝)

ドル円、上下しつつも方向感を見出せない展開。米小売売上高と米当局者発言に注目

〇ドル円、株価の底堅い動き、米金利上昇に米国時間朝方にかけて一時129.62まで反発
〇その後はNY連銀製造業景気指数の不冴えと、米長期金利の急低下に129.10レベルに下げる
〇ユーロドル、欧州株堅調と仏中銀総裁のユーロ安牽制発言に米国時間に一時1.0443まで反発
〇ドル円、上下に振れを伴いつつも結局方向感を見出すには至らず
〇引き続きテクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズもドル円上昇材料多い
〇本日米小売売上高、鉱工業生産等の指標、FRB要人発言要注視
〇本日の予想レンジ:128.25ー129.75

海外時間のレビュー

週明け16日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出しづらい展開。@中国における新型コロナウイルスの感染拡大(中国政府によるゼロコロナ対策に伴うロックダウンの長期化懸念)や、A上記@を背景とした中国経済の失速懸念(昨日発表された中国4月鉱工業生産、中国4月小売売上高、中国4月固定資産投資は軒並み市場予想を大幅に下回る冴えない結果)、Bアジア株の軟調推移(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、アジア時間午前にかけて、安値128.71まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C黒田日銀総裁による「金融緩和を粘り強く継続する」との発言や、D日経平均株価の底堅い動き、E米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、一時129.62まで反発しました。もっとも、アジア時間朝方に記録した高値129.63をバックに伸び悩むと、F米5月ニューヨーク連銀製造業景気指数(結果▲11.6、予想15.0、前回24.6)の冴えない結果や、G上記Fを背景とした米長期金利の急低下が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5/17午前5時05分現在)では、129.10前後で推移しております。

週明け16日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念や、AフィンランドやスウェーデンによるNATO(北大西洋条約機構)への加盟申請観測(ロシアと北欧の地政学的リスクに発展する恐れ)、B中国経済の失速懸念(リスク回避のドル買い圧力)が重石となり、アジア時間午前にかけて、安値1.0389まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C欧州株の底堅い動きや、Dフランス中銀ビルロワドガロー総裁による「ECBはユーロの実効レートを注視している」「弱過ぎるユーロは物価安定の目標に反する」とのユーロ安牽制発言、E米5月ニューヨーク連銀製造業景気指数の冴えない結果、F上記Eを背景とした米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0443まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/17午前5時05分現在)では、1.0431前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は上下に振れを伴いつつも結局方向感を見出すには至りませんでした(129.63→128.71→129.62→128.99→129.05)。但し、ダウンサイドに複数のテクニカルポイントを控えていること(5/12に急落した際にも一目均衡表基準線に下支えされる形で急反発→下値の堅さを再確認)や、強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダーが継続していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(下値余地は限定的。目先は、5/9高値131.36と5/12安値127.51を起点としたフィボナッチ半値戻し129.43や、フィボナッチ61.8%戻し129.88を試すシナリオを想定)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派スタンスの明確化(米FRBは景気よりもインフレ抑制を重視するスタンスを見せているため、連続50bp利上げ+バランスシート圧縮方針は変わらない見通し)や、A日銀によるハト派スタンスの継続姿勢(黒田日銀総裁は昨日も「金融緩和を粘り強く継続する」と発言)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、

C資源価格上昇に伴う本邦貿易赤字の拡大懸念(原油高→貿易赤字拡大→経常収支の赤字転落懸念→構造的な円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。こうした中、本日は米4月小売売上高や米4月鉱工業生産に加えて、投票権を有する米当局者の発言(パウエルFRB議長、セントルイス連銀ブラード総裁、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁、クリーブランド連銀メスター総裁)に注目が集まります。このところの冴えない米経済指標を受けて市場参加者の目線が低下しているため、米経済指標については、市場予想を上回るポジティブサプライズにむしろ注意が必要と考えられます(米経済の先行き不透明感後退→米ドル高の展開に要警戒)。また、米当局者より足元の株安や米経済指標の鈍化にもかかわらず、インフレ抑制を優先するタカ派的な姿勢が見られる場合にも、米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円には上昇圧力が加わりそうです。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:128.25ー129.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、上下しつつも方向感を見出せない展開。米小売売上高と米当局者発言に注目

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