米消費者物価の発表注視、ドル高再燃も!?(5/11夕)

11日の東京市場はレンジ取引。このあとNY時間に、注目の米消費者物価指数発表を控えていることもあってか、売買は全般的に手控えられている。

米消費者物価の発表注視、ドル高再燃も!?(5/11夕)

米消費者物価の発表注視、ドル高再燃も!?

〇ドル円、30ポイントに満たないレンジ取引、16時現在130.20-25で推移
〇本日は米4月消費者物価指数発表、予想前年同月比+8.0%以上、大幅利上げ期待後押しとなるか
〇ドル円目先下値129.79上値131.35、指数発表後のレンジ下放れにも警戒
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.40-130.70、130.55-60が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は129.79の攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

11日の東京市場はレンジ取引。このあとNY時間に、注目の米消費者物価指数発表を控えていることもあってか、売買は全般的に手控えられている。

ドル/円は130.40円レベルで寄りついたものの、そのレベルを中心とした30ポイントにも満たない狭いレンジ内での一進一退。日経平均株価もマイナス圏で寄りついたのちプラス圏を回復するなど、いまひとつ方向性が定まらず。金融市場全般があまりパっとしなかった。16時現在ドル/円は130.20-25円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日欧米時間を中心に要人から米金融政策に関する発言が相次ぐ。それも、強気な見解が多く、日米などの金利差拡大観測を後押ししていた感がある。一例を挙げると、クリーブランド連銀総裁「今後2回のFOMCでの0.5%利上げを支持」と「0.75%利上げの可能性も排除しない」、NY連銀総裁「0.5%の利上げを討議すべき」などとなる。前述したように、このあと発表される米消費者物価指数の内容には大いに注目だ。
対して後者は、プーチン氏が9日行った「対独戦勝記念日」演説でも「勝利宣言」などが聞かれないなか、戦況について「ロシア軍不利」といった見通しも広がり始めた。その一環なのか、たとえば昨日もウクライナ大統領から「ハルキウ州を奪還した」、あるいはウクライナ軍から「東部ハリコフ州で4集落を奪還」とのコメントが発せられていたようだ。そうしたなか、米国サイドからは「プーチン大統領は長期戦に持ち込もうとしている」などとの指摘も聞かれており、まだまだ予断を許さない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、本日の東京時間30ポイントにも満たないレンジ取引をたどっただけでなく、昨日も小動き。2日合わせた価格変動は129.79-130.57円であり、わずか78銭の変動にとどまっている。短期的には方向性を欠いた状況で、いわゆる価格ではなく時間調整の様相と言えよう。目先はいましばらく、そんな小動きが続く可能性もあるが、材料面を含めNY時間帯に再びレンジ放れが警戒されている。
米国は5月に0.5%の利上げに踏み切っただけでなく、6月と7月の追加利上げもすでにコンセンサス。もはや、その上げ幅が市場の話題になっているだけでなく、先でも取り上げように米地区連銀総裁からも「0.75%」の利上げを指摘する声が聞かれている。そうしたなか、本日は発表される4月の米消費者物価指数が注視されており、果たして市場の大幅利上げ期待を後押しするものとなるのかに注目だ。ただ、性急な米利上げの負の部分に着目し、NYダウをはじめとする米株が不安定な動きをたどりかねないことが本日も引き続き不安要因に。

テクニカルに見た場合、昨日レポートしたようにドル/円は129.79円で目先下値、131.35円で同上値トライを達成した感があり、そののちの展開はレンジ取引をたどっていた。このあとも米消費者物価指数の発表までは、130円台を中心としたレンジ取引が続く可能性がある。
問題は発表後で、興味深いのはレンジを上ではなく下方向に抜けてきたとき。4日安値128.62円で下げ止まらなければ、なかなかの深押しとなる。

材料的に見た場合、中長期的には、WHO事務局長から「ゼロコロナ政策」が人権に及ぼす影響も配慮する必要がある、とクギを刺された「中国情勢」。症状は軽いとはいえNATO事務総長の感染が確認されるなど、まだまだ予断を許さない「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「北朝鮮情勢」などに注目。

一方、本日は米経済指標として、4月の消費者物価指数や同財政収支などが発表される見通しで、とくに前者への関心が高い。ちなみに、事前予想は前月よりいくぶん減速するものの、それでも前年同月比プラス8.0%以上の数値が見込まれている。そのほか、米財務省による10年債の入札などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.40-130.70円。ドル高・円安方向は本日東京高値を含めた130.55-60円が最初の抵抗で、抜ければ131台乗せを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日安値129.79円の攻防にまずは注目。また割り込んでも基本底堅そうだが、128.62円を下回ると定かではない。


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ドル円日足

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