米4月消費者物価指数(CPI)の予想
本日(11日)、米国4月消費者物価指数(CPI)が公表されます。前回3月分は市場予想より全体がやや高め、コアがやや弱めの結果になりました。それでも絶対値では非常に高いインフレ状況を示しました。今回4月は全体・コア共にややインフレが低下する見通しですが、それもまだかなり高水準になっていますので、もし予想通りの結果なら市場の受け止め方が重要になります。@インフレ高止まりで金利上昇するか、AFRBが予想するインフレ沈静化の端緒になるか、B発表後の10年債金利動向と株価への影響次第で、為替は反応しそうです。ウクライナ戦争が予想に反し長期化の様相を深め、中国のゼロコロナ対策で世界経済への波及が懸念されているので、インフレ高進⇒FRB利上げ継続⇒ドル高の図式がまだ継続していくのかを注目したいと思います。
2022年5月11日9時現在予想
(1)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ、青は0.6%)
上記チャートを見ると、オレンジ色の移動平均線(4月予想0.68%)は、過去の高値を結んだ青(0.6%)をまだ越えている状態になっています。インフレ沈静化の兆しになるかが注目されます。
一方で、下記チャートでは赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値(=オレンジ色のPCEコア)となっています。黒が今年3月公表済の2022年末PCEコアの数値4.1%です。2月PCEコアは5.3%、3月は5.2%でしたので、インフレが高いながらもやや落ちついた結果になっています。今回のCPIコアが予想通りになれば、PCEコアも頭打ちになる可能性が高まります。ただ、その場合でも高止まりなのか、緩やかでも下がり始めて黒の予想値に近づくのかを今後数ヶ月確認することになります。万一、予想レンジ下限以下にでもなれば、相場にはサプライズとなりそうです。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、黒はFRB3月時の2022年末予想PCEコア4.1%、青の矢印は今回予想値)
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はドル円の日足チャートです。3月7日からドル高が始まり、ラインA(=128円30円)に沿って、ドル高トレンドを維持しています。ここから平行に上げたB(=133円60銭)でトレンドラインとなっています。
目先は3月31日を底値にしたラインC(=129円60銭)にサポートされ、A・B間内での下値目安になっています。〇印はCとB間で横這いの日柄調整をしましたが、7営業日目に上抜けています。今回は既に8営業日を経過しやや調整期間が長くなっており、ダブルトップのC(=131円30銭)で上値が止められ、CとDで収斂をしています。
今週は今日のCPI、明日の卸売物価指数が相場の方向性を決める指標になりそうです。これまでのドル高を維持出来ればDを抜いてB方向狙いですが、もしCを切れた場合はA方向までの下押しを見ておく必要がありそうです。
(5月11日10:10 1ドル=130円42銭)
オーダー/ポジション状況
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