ドル円、上下しつつも方向感を見出しづらい展開。本日は米CPIに注目(5/11朝)

10日(火)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出しづらい展開。

ドル円、上下しつつも方向感を見出しづらい展開。本日は米CPIに注目(5/11朝)

ドル円、上下しつつも方向感を見出しづらい展開。本日は米CPIに注目

〇ドル円、海外時間の株価の下げ止まりとFRB関係者のタカ派的発言に130.40台を回復
〇ユーロドル、リスクオフの動きと欧州債利回りの急低下に米国時間にかけて安値1.0525まで反落
〇ドル円、テクニカルの地合い強く、130円アンダーでは押し目買い意欲強い
〇ファンダメンタルズもドル買い円売り材料多い、本日発表の米CPIに注目
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:129.50ー131.50

海外時間のレビュー

10日(火)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出しづらい展開。@リスクオフ再燃に伴う円買い圧力(日経平均株価急落→リスク回避の円買い)や、A米金利低下に伴うドル売り圧力(世界経済の減速懸念→質への逃避の米債買い圧力→米10年債利回りは前日記録した約3年6ヵ月ぶり高水準3.20%から2.94へ急低下)、B原油先物価格の軟調推移(本邦貿易赤字の拡大懸念後退→円売りの巻き戻し)が重石となり、アジア時間朝方に、安値129.80まで下落しました。しかし、心理的節目130.00アンダーでは押し目買い意欲が根強く、下げ渋ると、C株式市場が底堅さを取り戻したこと(米主要株価指数が前日比プラス圏を維持)や、Dニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「6月および7月会合でそれぞれ50bpの利上げを実施することは理にかなっている」とのタカ派的な発言、Eクリーブランド連銀メスター総裁による「75bpの利上げの可能性を永遠に排除することはない」とのタカ派的な発言などが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間5/11午前5時50分現在)では、130.43前後まで持ち直す動きとなっております。

週明け9日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間午後にかけて、高値1.0586まで上値を伸ばすも、前日高値1.0592をバックに伸び悩むと、@世界的なリスクオフを背景とした資産現金化需要のドル買い圧力や、Aロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念、B欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力(ドイツ10年債利回りは前日記録した約7年9ヵ月ぶり高水準1.18%から0.98%へ急低下)、C米当局者によるタカ派的な発言(ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁やクリーブランド連銀メスター総裁など)が重石となり、米国時間にかけて、安値1.0525まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/11午前5時50分現在)では、1.0529前後で推移しております。尚、注目されたドイツ5月ZEW景況感調査が市場予想を上回る結果となった他、ドイツ連銀ナーゲル総裁からも「ECBによる7月利上げ開始を支持する」「ECBは6月末に資産購入プログラムを終了する必要がある」とのタカ派的な発言が見られましたが、ユーロ買いでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は前日5/9に記録した約20年ぶり高値131.35(2002年4月以来)をトップに反落に転じると、昨日は一時129.80まで急落しました。しかし、130円アンダーでは押し目買い意欲が根強く、結局130.40前後まで値を戻しての取引となっています。ダウンサイドに複数のサポートポイントを控えている他(一目均衡表転換線が控える129円台後半は押し目買いが出やすい)や、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転+強気のパーフェクトオーダー)も成立しており、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(この2日間の急落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目→地合いが崩れたわけではなく急ピッチな上昇に対する短期的なポジション調整と整理→一巡後に再び上昇に転じる公算大)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派スタンスの継続姿勢(クリーブランド連銀メスター総裁は75bp利上げの可能性を示唆)や、

A日銀によるハト派スタンスの継続姿勢(日銀の内田理事は昨日の参院・財政金融委員会で「長期金利の許容変動幅拡大は事実上利上げすることであり日本経済にとって好ましいことではない」と発言)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大→ドル買い・円売りの波及経路)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。こうした中、本日は今週のメインイベントでもある米4月消費者物価指数に注目が集まります。先週発表された米FOMC声明で、“the committee is highly attentive to inflation risks(委員会はインフレリスクに高い関心を寄せている)”との文言が追加された通り、米FRBが景気指標よりもインフレ指標を重視するスタンスが明確となっていることから、本日発表される米CPIが市場予想を上回る場合には、75bp追加利上の催促相場再開→米長期金利上昇→米ドル高の流れが活発化する展開が予想されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:129.50ー131.50

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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