ドル続落か否かを注視、米雇用指標に要注意(2/2夕)

2日の東京市場はレンジ取引。114円後半の20ポイントにも満たない値動きで、方向性が乏しいうえ動意も鈍い。

ドル続落か否かを注視、米雇用指標に要注意(2/2夕)

ドル続落か否かを注視、米雇用指標に要注意

〇本日のドル円、114.65-80といった横這い推移、20ポイントに満たない値動き
〇短期的なドル上値トライ失敗か、昨日114.56まで下落、続落か否か動静注視
〇ISM景況指数良好、連銀総裁は利上げ後押し発言、本日は1月ADP雇用統計発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.10-115.10、115円前後の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は114.56が最初のサポート、下回ると114円レベルがターゲット

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場はレンジ取引。114円後半の20ポイントにも満たない値動きで、方向性が乏しいうえ動意も鈍い。

ドル/円は114.65円前後で寄り付いたものの、引き続き「春節(旧正月)」で中国市場が休みとなるなか、積極的な売買は手控えムード。日経平均株価がクローズベースで400円を超える大幅高をたどったものの、為替市場への影響は限定的だった。114.65-80円といった横這い推移をたどるなか、16時現在では114.70円前後で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「英政権不安」について。
前者は、発表された米経済指標である1月のISM製造業景況指数が予想を上回る好数字に。また、米地区連銀総裁の発言が相次いだものの、その多くが利上げを後押しする強気な内容だった。一例を挙げると、フィラデルフィア連銀総裁「3月、0.25%の利上げを支持する」、アトランタ連銀総裁「FRBが近く行動を起こすことは正当化される」−−などといった発言になる。ただ、一部では逆に「3月、0.5%の利上げが否定された」と否定的に捉える声も聞かれていたという。
対して後者は、いわゆるコロナ禍における「パーティー開催疑惑」が取り沙汰され、ジョンソン首相への辞任圧力が高まるなか、与党・保守党のオルダス議員は「首相は辞任すべき」とし、不信任投票を求める書簡を提出したと明かしている。こうした動きは今後広がる可能性もあり注意を払いたい。なお、そうしたなか英紙ガーディアンは「ジョンソン氏、21年1月にも官邸で行われた送別会に出席しスピーチ実施」−−などと新たな疑惑を報じていた。続報やジョンソン氏の対応などが注目されている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨日のドル安進行もあり、短期的なドル上値トライの失敗が確認されたと言えそうだ。フィボナッチポイントに合致する115.68円を目先高値に足もとドルはやや弱含みとなっている。昨日ドルは114.56円まで下落となった。ただし問題はここから。ドルは続落しさらなる下値を試すのか、それとも114.50-115.70円といったレンジを形成することになるのか、その動静はしっかりと見極めたい。
基本的には「利上げに積極的な米国」と「消極的な日本」という構図をたどるなか、今週は重要な米経済指標が発表されることで、それを注視している向きが少なくない。前記したように、昨日は発表された米指標が良好かつ、地区連銀総裁からも強気コメントが聞かれていたが、本日も同様の動きが続くのだろうか。ただ、セントルイス連銀総裁からは「1月の雇用統計はオミクロンの影響でよくない内容になる」との指摘も聞かれており、カギとなる週末の米雇用統計を確認したいとの声も多かった。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末高値115.68円で目先上値を確認した感もあり、実際そこから1円を超える下押しが入っている。一連の過程で、ドルの下値を維持してきた移動平均の21日線を「しっかり」下回るなど、逆にドルの下値リスクを感じるほどだ。イケイケドンドンで大きく崩れることはないにしても、昨日安値も近い114円半ばを下回れば、移動平均の90日線も近い114円前後を目指し、もう一段の下落を否定できないかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には、中国外務省が衆院で採択した「人権決議」に噛み付くなど日本との軋轢も大きくなってきた「中国情勢」、WHOが「オミクロン感染のピークまだ」との認識を改めて発表した「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「ウクライナ情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1月のADP雇用統計が発表される予定となっている。ちなみに前月はプラス80万人を超える大幅改善だったが、今月の予想はプラス18万人程度だ。また、メタ(旧フェイスブック)をはじめとする米企業の決算発表も多く、そちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.10-115.10円。気がついたら115円レベルが少し遠い存在になりつつある。移動平均の21日線を含めた115円前後の攻防にまずは注目だ。超えれば115.68円を再び目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日安値114.56円が最初のサポートで、しっかり下回ると90日線なども近い114円レベルがターゲットに。

ドル続落か否かを注視、米雇用指標に要注意

ドル円日足

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