ドル続伸期待も強い、116円台乗せうかがう(1/28夕)

28日の東京市場はドルが小幅に続伸。ただ、前日記録した戻り高値を明確には超えられず、115円半ばでは上値も重かった。

ドル続伸期待も強い、116円台乗せうかがう(1/28夕)

ドル続伸期待も強い、116円台乗せうかがう

〇本日のドル円、ドルが小幅に続伸、115.50-55へ値を上げたが昨日高値をクリアには抜けられず
〇115円半ばでは上値が重かったが、年初来高値116.35を目指す展開見込まれる
〇昨日発表の10-12月期米GDPの好数字、市場の強気ムード後押しした感
〇本日、12月PCEデフレーター・1月ミシガン大学消費者信頼感指数確報発表、市場の期待感大きい
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.10-116.10、115.65-70の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値の115.25-30が最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

28日の東京市場はドルが小幅に続伸。ただ、前日記録した戻り高値を明確には超えられず、115円半ばでは上値も重かった。

ドル/円は、115.30-35円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。115円前半を中心とした30ポイントほどのレンジ内で一進一退に終始している。一連の過程のなかで、昨日高値115.49円をわずかに更新、115.50-55円へと値を上げたものの、クリアには抜けられず。16時現在では若干小緩んだ115.45-50円で推移し、欧米市場を迎えるなどドルの頭も抑えられていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「米ファンダメンタルズと金融政策」について。
前者は、ウクライナ外相が、NATOの不拡大を含むロシアの要求を米国が拒否したことに「満足の意」を示す反面、ロシアサイドはラブロフ外相が「主要な問題で肯定的な反応がなかった」と不満を示している。またタス通信によると、ロシア外務省は「NATO諸国に配備されている核弾頭をすべて撤去するよう米国に求めた」とされるなど、まだまだ予断を許さないようだ。関係改善への期待感だけは根強いが、果たして目に見える格好での進展はあるのだろうか。

対して後者は、26日のFOMCで3月の米利上げがほぼ確実な状況となるなか、昨日発表された10-12月期の米GDP速報値はプラス6.9%と、予想値を大きく上回る好数字となった。また、そんな好数字のGDPに気を良くしたバイデン米大統領から「過去20年で初めて、中国以上に速いペースの成長を遂げた」などとした自画自賛のコメントが聞かれていたようだ。FRBは取り敢えず「年3回の利上げ」がコンセンサスとなっているが、今後米経済指標の内容如何ではさらに強気の見通しへと傾斜する可能性もある。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日欧米時間に続伸し115円台をしっかり回復。さらに本日東京では上値が重いながら、昨日の戻り高値を更新する局面も観測されていた。リスクはドル高方向にバイアスが掛かり、年初来高値116.35円を目指す展開、ダブルトップを付ける動きを見込む向きが増えつつあるようだ。ちなみに、その116.35円を起点とした下げ幅の61.8%戻し(115.25円)はすでに上抜けており、フィボナッチ的には76.4%戻しの115.65-70円が次のターゲットになる。
もともと「利上げに積極的な米国」と「消極的な日本」という構図となっており、基本的に円は買いにくいという環境下、前述したように発表された米GDPが予想以上に良好で市場の強気ムードをさらに後押しした感を否めない。NYダウをはじめとする米株の動きが依然として不安定なのが気掛かりだが、「暴落」といった事態を引き起こさなければドル/円も基本的には底堅く推移しそうだ。また本日も、引き続き発表される米経済指標の内容には一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去2週間ほど推移していたレンジ上限の115円を超えてきた。年初来高値116.35円を目指す展開を予想する向きも少なくない。フィボナッチポイントの115.65-70円を超えれば116円台回復もありそうだ。
ただし、昨日NYクローズでもしっかりと上回ってきた移動平均の21日線(114.80-90円)を再び割り込んできた場合には、「上値トライはダマシ」となる危険性もある。リスク要因として一応頭に入れておいて損はないだろう。

材料的に見た場合、中長期的には、台湾に肩入れするリトアニア情勢をめぐり欧州との対立も目に付き始めた「中国情勢」、ドイツの新規感染者が初めて20万人を超えインフラへの影響も懸念され始めた「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「ウクライナ情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月のPCEデフレーターや1月のミシガン大学消費者信頼感指数確報が発表される予定で、昨日のGDPに続く好数字となるのか市場の期待感も大きい。また、キャタピラーやシェブロンなどの決算発表にも一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.10-116.10円。フィボナッチポイントにあたる115.65-70円の攻防にまずは注目。超えれば116円台乗せ、年初来116.35円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の115.25-30円が最初のサポート。底堅いイメージだが割り込むと115円割れ、21日線を目指す展開か。

ドル続伸期待も強い、116円台乗せうかがう

ドル円日足


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