ドル円、日米金融政策格差を背景に急上昇。良好な米GDPもドル高を後押し
〇ドル円、米国時間にかけて高値115.50まで急伸
〇株式市場の持ち直し、米4QGDP速報値の1984年以来の伸び率が支援材料
〇ユーロドル米国時間にかけて、2020年6月以来、約1年8ヵ月ぶり安値となる1.1132まで急落
〇テクニカルには、転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を上抜け、地合好転
〇ファンダメンタルズも、日米金融政策の方向性の違いをコア材料に、ドル高・円安が意識されやすい
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:114.80ー115.80
海外時間のレビュー
27日(木)のドル円相場は急上昇。@日本時間早朝に発表された米FOMC(連邦公開市場委員会)及びパウエルFRB議長記者会見が極めてタカ派的な結果となったことや、A上記@を背景に日米金融政策格差が意識されやすくなったこと(米長期金利急上昇→ドル独歩高の波及経路)、B株式市場の持ち直し(米FOMC後に急落した株式市場が急反発→リスク回避ムード後退)、C米10ー12月期GDP速報値(結果6.9%、予想5.5%)の力強い結果(1984年以来の伸び率)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値115.50まで急伸しました。その後は、D米主要株価指数の上昇幅縮小や、E米10年債利回りの低下を背景に反落に転じるも、下がったところでは押し目買い意欲も根強く、本稿執筆時点(日本時間1/28午前5時25分現在)では、115.30前後で底堅く推移しております。
27日(木)のユーロドル相場は急落。@米FOMC及びパウエルFRB議長記者会見のタカ派的な結果や、A上記@を背景とした欧米金融政策格差の拡大観測、Bウクライナを巡る地政学的リスク、C欧州経済の先行き不透明感、Dテクニカル的な地合いの弱さ(昨年11/24に記録した直近安値1.1185を下抜けたことで短期筋のロスカットを誘発した他、強い売りシグナルも複数点灯)が重石となり、米国時間にかけて、2020年6月以来、約1年8ヵ月ぶり安値となる1.1132まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/28午前5時25分現在)では、1.1143前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円はタカ派な米FOMCや良好な米GDP速報値を受けて、一時115.50(1/11以来、約2週間ぶり高値圏)まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象づけるチャート形状となりつつあります(強い買いシグナルを示唆する三役好転の数日以内の再点灯も射程圏内に)。ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(先週の日銀金融政策決定会合で金融緩和政策の継続方針が示された日本と、昨日の米FOMCで、3月利上げの地均しや、利上げ実施後のバランスシート縮小方針が示された米国との金融政策格差は明白)をコア材料に、ドル高・円安が意識されやすい環境が整いつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(本年1/4に記録した約5年ぶり高値116.36に向けて続伸する展開を想定)。尚、本日は米FRBがインフレ指標として重要視している米12月PCEコアデフレーターに注目が集まります。市場予想は前月比+0.5%、前年同月比+4.8%となっていますが、市場予想を上回る場合には、米インフレ加速→米FRBによる更なるタカ派傾斜の思惑→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円には一段と上昇圧力が加わる恐れがあるため、本日海外時間はアップサイドリスクに特に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:114.80ー115.80
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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