ドル円、タカ派な米FOMCを受けて急上昇。米長期金利の上昇が支援材料(1/27朝)

26日(水)のドル円相場はタカ派な米FOMCを受けて急上昇。

ドル円、タカ派な米FOMCを受けて急上昇。米長期金利の上昇が支援材料(1/27朝)

ドル円、タカ派な米FOMCを受けて急上昇。米長期金利の上昇が支援材料

〇ドル円、タカ派のFOMC結果発表を受け一時114.68まで急伸、ユーロドルは1.1236まで急落
〇FOMC声明ではFF金利の引き上げが間もなく適切になると予想しているとの見解示される
〇また、資産買い入れは予定通り3月に終了することを示唆
〇パウエルFRB議長記者会見もタカ派的な見解示す
〇ドル円、一目均衡表雲上限や転換線を上抜け、三役逆転入りを回避、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズもFOMCのタカ派スタンス、株安へのリスク回避のドル買い反応等上昇材料増える
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:114.10ー115.10

海外時間のレビュー

26日(水)のドル円相場はタカ派な米FOMCを受けて急上昇。注目された米FOMC声明では、@「FRBはFF金利の誘導目標レンジを引き上げることが間もなく適切になると予想している(the Committee expects it will soon be appropriate to raise the target range for the federal funds rate)」との見解が示されると共に、A「委員会は毎月の純資産買い入れペースの縮小を継続し、3月上旬に終了させることを決定した(The Committee decided to continue to reduce the monthly pace of its net asset purchases, bringing them to an end in early March)」との発表がなされました(3月利上げの地均しと資産買い入れを予定通り3月に終了することを示唆)。

また、B同時に公表された「米連邦準備理事会のバランスシート規模縮小に関する原則(Principles for Reducing the Size of the Federal Reserve's Balance Sheet)では、「バランスシートの圧縮は利上げ開始後に実施すること(The Committee expects that reducing the size of the Federal Reserve's balance sheet will commence after the process of increasing the target range for the federal funds rate has begun)」に加えて、Cその手段として前回同様、「償還された元本のうち再投資に回す金額を減らすことで保有高を減らしていく方針(The Committee intends to reduce the Federal Reserve's securities holdings over time in a predictable manner primarily by adjusting the amounts reinvested of principal payments received from securities held in the System Open Market Account)」が示されました(利上げ開始後にバランスシート圧縮に取り組むことの地均し)。

加えて、DパウエルFRB議長記者会見においても、「金利を引き上げる余地はかなりある」「毎回のFOMC会合で、利上げする可能性を排除しない」「バランスシートの縮小は前回より早期で急速の可能性がある」といったタカ派的な見解が示されました(但し、「利上げ幅についてはまだ決定していない」「バランスシート縮小の時期とペースについては決定していない」と、利上げ幅とバランスシート縮小時期・ペースについては明らかにせず)。これを受けて、米長期金利急騰(米10年債利回りは一時1.85%へ急上昇)→ドル買いの流れが活発化し、ドル円は一時114.68まで急伸しました。もっとも、米金利上昇を嫌気する形で株式市場が急落に転じると、リスク回避の円買いが上値を抑え、本稿執筆時点(日本時間1/27午前6時00分現在)では、114.57前後で推移しております。

26日(水)のユーロドル相場は急落。アジア時間朝方にかけて、高値1.1311まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@ウクライナを巡る地政学的リスクの高まりや、A欧州経済の先行き不透明感、B米FOMCのタカ派的な結果、C欧米金融政策の方向性の違い、D上記Bを背景とした株式市場の急反落(リスク回避のドル買い圧力)が重石となり、米国時間午後にかけて、昨年12/20以来、約1ヵ月ぶり安値となる1.1236まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/27午前6時00分現在)では、1.1240前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は1/24に記録した約1ヵ月ぶり安値113.47をボトムに反発に転じると、昨日は一時114.68まで急伸しました。この間、一目均衡表雲上限や転換線を上抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転入りを回避できたことに伴う安堵感(下値の堅さを再確認)も重なるなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります。

ファンダメンタルズ的に見ても、注目された米FOMCを経て、@3月利上げの地均し(利上げ幅は未定)、A資産買い入れの3月終了、B利上げ実施後のバランスシート縮小方針(縮小開始時期・ペースは未定)、C3月・5月連続利上げの可能性、D前回より急ピッチなバランスシート縮小の可能性が言及されるなど、極めてタカ派的なスタンスが示されました。また、米金利急上昇に対する為替市場の反応もこれまでのような「株安→リスク回避の円買い」ではなく、全般的に「株安→リスク回避のドル買い」に繋がりました。FOMCを通過したことに伴う材料出尽くし感に加えて、日米金融政策の方向性の違いも意識されやすく、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は米10ー12月期GDP速報値や、米12月耐久財受注、米7年債入札に注目が集まります)。

本日の予想レンジ:114.10ー115.10

注:ポイント要約は編集部

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