米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について
本日FOMCの金融政策が公表されます。NY時間1月26日14時(水曜日)にFOMC会合の記者発表要旨が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。(日本時間では2022年1月27日木曜日未明4時と4時半)
今回の市場予想は以下の通りになっています。
( 1 )政策金利(1月26日 8時00分現在の予想)
現在のFFレート「0.00〜0.25%」⇒据え置き
(レンジは0.00〜0.25%で全員据え置き予想)
また、超過準備預金(民間銀行がFRBに預ける超過準備金)の付利はエコノミスト全員据え置き予想です。
前回会合(12月15日)時は、主なものとしてテーパリングの加速、ドットプロット内で2022年中の3回利上げ想定となっています。その後に示されたFOMC議事要旨内では保有資産の縮小議論や、FRB議長を含めたタカ派的発言に米国金利は上昇し、また資産縮小を嫌気した米国株の下落が目立つようになりました。
今回のFOMC会合での議論は以下が注目されています。
@ 今回の最大の焦点は量的緩和による資産(バランスシート残高8.77兆ドル)の縮小開始時期等の具体的議論が進行するのか?その場合にはいつからか、あるいはその縮小額はどうなるのか?と見られています。1月12日のFRB議長発言(下記のFRB関係者発言の項目ご参照)では年後半からの開始、それまでに2〜4回のFOMCを経るとしていますので、4回経過すると7月27日のFOMCから開始されることになります。
A 2022年中に何回の金利引き上げが実施されるのか?3回なのか、4回なのか?
B また最初の利上げは3月が市場予想になり、かつFRBメンバーの発言でも3月からの開始が多くなっていますので、それを具体的に表現した内容が公表されるか。
C テーパリングの終了を今回の会合で決定するとの市場予想もありますが、仮にこれが決定されても既に3月末で終了するので、相場への影響は限定されそうです。
D 一部には、FRBの利上げで需要の抑制は出来るが、供給制約から起こるインフレの問題をどのように解消するのか。場合により経済の縮小均衡になるとの見方です。
E オミクロン株の影響をどの様に判定しているか。
主なものは以上です。
前回12月FOMC会合での議事要旨で、資産縮小の議論に関する部分を以下に添付します。
前回12月FOMC会合議事要旨
資産縮小の議論に関する部分
( 2 )CME Fedwatch
昨年12月中旬時点では年3回の利上げ予想が大勢でしたが、今回の数値では最後のMで1.25%以上の利上げが全体の33%を占めており、年4回の利上げ予想になっています。
(12月14日時点:FOMC前)
(1月25日時点:今回)
最後2つLは1.25〜1.50が13.9%、1.50以上が2.7%になり、
次のMは1.25〜1.50%が23.5%、1.50〜1.75%が8.3%、1.75%以上が1.6%です。
( 3 )最近のFRB関係者の主な発言(最近1週間分程度)
1月15日 ウィリアムズ・NY連銀総裁「バランスシートの正常化は今後行われる」「金融状況は良好」
1月14日 クラリダFRB副議長 「適切な政策下で、インフレは一時的なものになるだろう」
1月14日 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年は3回か4回の利上げが可能」
「インフレデータが改善されない場合は4回の利上げの可能性」
1月14日 バーキンリッチモンド連銀総裁 「労働力不足は長期化する可能性」
1月14日 ブレイナードFRB理事 「今年にバランスシートの縮小を見込む」 「高水準のインフレに懸念」
1月13日 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「2022年のGDPは3〜4%と予想」 「今年は3回の利上げ予想だが、4回利上げの可能も」
「3月からの利上げ開始し年内3回の利上げの可能性」
1月13日 デイリー・SF連銀総裁「FRBの利上げは早ければ3月と予想」
1月13日 ブラード・セントルイス連銀総裁 「現時点では4回の利上げを予想」
「3月利上げの可能性は高い」
1月13日 メスター・クリーブランド連銀総裁「可能な限り、早期のバランスシート縮小を望む」
1月12日 パウエルFRB議長「バランスシート縮小を決定する前に2〜4回のFOMCで議論」
「バランスシート縮小は今年後半から開始されるだろう」
1月11日 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「物価情勢が現状のままなら、3月利上げ
開始が妥当」
1月10日 バーキンリッチモンド連銀総裁 「3月からの利上げ開始はありえる」
下記はドル円の週足チャートです。相場は年始までのドル高からの調整に入っています。9月下旬週の底値から上げたラインA(=114円90銭)のサポートは既に切っています。現在は高値を結んだB(=113円00銭)を越えたあと10月にドルが急上昇し、ドル一段高からの調整内に留まれるか否かとなっています。短期的な抵抗線がC(=115円20銭)にあるので、AとCを越えて戻らない限りはまだドル高からの調整局面になります。
そしてもしBを切ってくると、下限は2021年初底値からの強いサポートD(=112円20銭)が重要なポイントになります。これまでFOMCでの利上げ期待や日米景況感格差からのドル買いでしたが、FRB保有資産縮小観測によるNY株への悪影響が出てきていますので、利上げが予想される次回3月のFOMCまではまだ紆余曲折がありそうです。
(2022年1月26日10:00、1ドル=113円82銭)
オーダー/ポジション状況
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