ドル円見通し 1月14日安値を割り込んでからやや持ち直す、ダウ7日ぶり反騰で落ち着くか(22/1/25)

ドル円は1月24日夜安値で113.46円をつけて1月14日安値113.47円をわずかに割り込んだ。

ドル円見通し 1月14日安値を割り込んでからやや持ち直す、ダウ7日ぶり反騰で落ち着くか(22/1/25)

1月14日安値を割り込んでからやや持ち直す、ダウ7日ぶり反騰で落ち着くか

〇ドル円、1/24夜安値113.46をつけ、1/14安値113.47をわずかに割り込む
〇その後NYダウの急反騰を受け、114円到達まで戻す
〇ウクライナ情勢緊迫、欧州へのエネルギー供給の支障や地政学的リスクが一層強まる可能性も
〇NYダウは大幅続落の後7日ぶりの反騰、米長期債利回りは上昇一巡で調整安だが依然高水準
〇ドル円、ウクライナ情勢とFOMC控え、やや円高一服で買い戻されている印象
〇113.75以上での推移中は上向きとし、114.25を超える場合は114.50前後への上昇を想定する
〇113.75割れからは下げ再開を警戒して113.46試しとし、底割れからは下落期入りと考える

【概況】

ドル円は1月24日夜安値で113.46円をつけて1月14日安値113.47円をわずかに割り込んだ。1月25-26日の米FOMCを控えた金融引き締め姿勢への警戒感とロシア・ウクライナ情勢の緊張からNYダウが先週末まで6日間の大幅続落となり、24日もダウ先物が続落する中でクロス円全般がリスク回避的に下落、ユーロやポンド等が下落してドルストレートではドル高となったことで若干相殺されつつも14日夜安値割れへと下落が続いた。しかしNYダウが先週末比で一時1100ドル安を超える大幅下落となったところからプラス圏まで急反騰したことでドルストレートでのドル高が弛み、クロス円が持ち直したことでドル円も114円到達まで戻している。

【2014年のクリミア半島占領から8年目のウクライナ情勢緊迫】

ロシアによるウクライナ軍事進攻懸念が強まっている。米ロ外相のオンライン会談も成果は見られず、米英の外交官家族等の国外退去も始まっている。
米軍は8500人の欧州への出動準備に入り、25日未明には米英仏独がオンライン会談、NATOではデンマークがバルト海にフリゲート艦を派遣してリトアニアに戦闘機を派遣、スペインが複数軍艦をNATOへ派遣してブルガリアには戦闘機を派遣した。

2014年にウクライナ騒乱が発生、親ロ派政権が更迭されたことをきっかけにロシアはウクライナ領のうちクリミア半島を軍事制圧、国境を接するドネツク州とルガンスク州に介入して両州はウクライナ政府の管轄が及ばない親ロ派の自治共和国となっている。ウクライナがNATOへすり寄る中でロシアのウクライナへの干渉は強まっており、再び2014年のクリミア軍事進攻のような軍事介入が発生するのではないかとの懸念が強まっている。
ロシアが直接的まはた間接的に軍事介入に踏み切った場合、NATOとの軍事衝突にまで発展するとは思われないものの、ロシアへの強烈な制裁が実施されればロシアから欧州への天然ガス供給等資源エネルギー供給には重大な支障が発生する可能性があり、また周辺諸国での政治的混乱により地政学的リスクが一層強まる可能性もある。

【NYダウは7日ぶり反騰、米長期債利回りは低下】

1月24日のNYダウは先週末比99.13ドル高と7日ぶりに反発した。1月13日から21日まで6日間の大幅続落となり、24日も当初は先週末比で1100ドルを超える大幅下落で安値を33150.33ドルまで切り下げて1月5日の史上最高値36952.65ドルからの下げ幅は3802.32ドル安となり2020年3月のパンデミック発生暴落以降では最大の下落規模となった。しかし大幅下落に対する突っ込み警戒感から買い戻しに入ると一段安を見込んでいた売り方の踏み上げを誘ってプラス圏まで急騰する乱調な展開となった。
米10年債利回りは先週末比で0.01%上昇の1.77%。一時は株売り債券買いから1.71%まで急低下したがダウ反騰で揺れ返しとなった。2年債利回りは0.03%低下の0.98%で一時は0.93%まで低下したところから持ち直した。10年債、2年債いずれも先週は急上昇一巡で調整安に入っているが、依然として高水準を維持している。

ドル円にとっては株安によるリスク回避的なクロス円の全面安がひとまず落ち着いているが、ウクライナ情勢と米連銀FOMCを控えた状況にあってはまだ楽観的な反騰入りへ進み切れず、やや円高一服で買い戻されているところという印象だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、1月14日夜安値を1月24日夜安値でわずかに割り込んだところから0.50円以上の反発を見せているので、1月24日夜安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りしたと思われる。高値形成期は25日の日中から27日にかけての間と想定されるが、114円台を維持できずに113.75円を割り込むところからは下げ再開を警戒して24日夜安値試しとし、底割れからは新たな弱気サイクル入りとして27日夕から2月1日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月24日夜安値からの反発で遅行スパンが好転して先行スパンを上抜きつつある。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンから転落するところからは下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は21日から24日にかけての安値切り下がりに際して指数のボトムが切り上がる強気逆行を見せて60ポイント台まで戻しているので、50ポイント以上での推移中は上昇継続とするが、50ポイント割れからは弱気転換注意とし、45ポイント割れからは下げ再開とみて30ポイント以下を目指す流れと考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、113.75円を下値支持線、114.25円を上値抵抗線とする。
(2)113.75円以上での推移中は上向きとし、114.25円(1月18日高値からの下げ幅の半値戻し)を超える場合は114.50円前後への上昇を想定する。114.50円前後では戻り売りも出やすいとみるが、114円台を維持しての推移なら26日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)113.75円割れからは下げ再開を警戒して24日夜安値113.46円試しとし、底割れからは113.00円、次いで112.70円台を目指す下落期入りと考える。

【当面の主な予定】

1/25(火)
米連邦公開市場委員会(FOMC)初日
国際通貨基金(IMF)世界経済見通し
09:30 (豪) 10-12月期 消費者物価 前期比 (7−9月 0.8%、予想 1.0%)
09:30 (豪) 10-12月期 消費者物価 前年同期比 (7−9月 3.0%、予想 3.2%)
09:30 (豪) 12月 NAB企業景況感指数 (11月 12)
18:00 (独) 1月 IFO企業景況感指数 (11月 94.7、予想 94.7)
23:00 (米) 11月 連邦住宅金融局(FHFA)住宅価格指数 前月比 (10月 1.1%、予想 1.0%)
23:00 (米) 11月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (10月 18.4%、予想 18.0%)
24:00 (米) 1月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (12月 115.8、予想 111.8)
24:00 (米) 1月 リッチモンド連銀製造業指数 (12月 16、予想 14)
27:00 (米) 財務省5年債入札

1/26(水)
06:45 (NZ) 12月 貿易収支 (11月 -8.64億NZドル)
08:50 (日) 12月 企業向けサービス価格指数 前年同月比 (11月 1.1%、予想 1.0%)
08:50 (日) 日銀金融政策決定会合(1月17-18日分)主な意見
14:00 (日) 11月 景気先行指数(CI)改定値 (10月 103.0)
14:00 (日) 11月 景気一致指数(CI)改定値 (10月 93.6)
22:30 (米) 12月 卸売在庫 前月比 (11月 1.2%、予想 1.3%)

24:00 (加) カナダ銀行 政策金利 (現行 0.25%、予想 0.25%)
24:00 (米) 12月 新築住宅販売件数・年率換算件数 (11月 74.4万件、予想 75.0万件)
24:00 (米) 12月 新築住宅販売件数 前月比 (11月 12.4%、予想 0.8%)
24:30 (米) エネルギー省週間石油在庫統計
27:00 (米) 財務省2年物変動利付債入札
28:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC) 政策金利 (現行 0.00-0.25%、予想 0.00-0.25%)
28:30 (米) パウエル米連銀議長、定例記者会見


注:ポイント要約は編集部

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