ドル円、冴えない動きが継続中。米FOMCを控えた警戒感とウクライナ情勢が重石
〇ドル円、米長期金利低下、ウクライナ情勢緊迫化、欧米株軟調に欧州朝方113.49まで下落
〇その後はリスク回避のドル買いが強まり114.00まで反発後、113円台後半での動き
〇ユーロドル、欧米金融政策の方向性の違いとウクライナをめぐる地政学リスクに一時1.1291まで反落
〇ドル円、テクニカルの地合い悪化、ファンダメンタルズで面のリスク回避の円買いが波及
〇ただし中期的には日米金融政策格差がより重要になることが予想される
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:113.40ー114.10
海外時間のレビュー
週明け24日(月)のドル円相場は上値の重い展開。@米FOMCを控えた警戒感(今週1/27に予定されている米FOMCを控えた警戒感→リスクアセット下落)や、A米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが一時1.71%まで急低下)、Bウクライナを巡る地政学的リスク(米国務省は在ウクライナ大使館職員の家族に退避命令を発出)、C欧米株の冴えない動き、D上記@BCを背景としたリスク回避の円買い圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値113.49まで下落しました。しかし、1/14に記録した直近安値113.48をバックに下げ渋ると、Eリスク回避の円買い以上にリスク回避のドル買いの動きが活発化し、米国時間にかけて高値114.00まで反発する場面も見られました。もっとも、同水準では戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと引けにかけて再び反落。本稿執筆時点(日本時間1/25午前5時00分現在)では、113.80前後で推移しております。尚、昨日発表された米12月シカゴ連銀全米活動指数、米1月製造業・非製造業PMI速報値は軒並み市場予想を下回る冴えない結果となりました。
週明け24日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて高値1.1346まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@欧米金融政策の方向性の違いや、Aウクライナを巡る地政学的リスク(欧州とロシアの関係性悪化→ロシアによる天然ガス供給抑制→欧州圏でインフレ発生→欧州経済大打撃の波及経路)、Bテクニカル的な地合いの弱さが重石となり、米国時間にかけて、安値1.1291まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間1/25午前5時00分現在)では、1.1320前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は113円台後半で冴えない動きが続いております。強い買いシグナルを示唆する三役好転が終了した他、一目均衡表雲上限割れも実現するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化が鮮明となりつつあります。こうした動きの背景には、「米FRBによるタカ派転換→過剰流動性相場逆流への警戒感→株式市場をはじめリスクアセットに下押し圧力→リスク回避の円買い圧力」といったファンダメンタルズ的な波及経路が挙げられます。但し、リスク回避的な局面では「円」のみならず「米ドル」も選好される傾向にあるため、足元のような一方向のドル円下落は長期化しないと考えられます(円買いとドル買いが綱引き状態で引き分け)。このため、今後のドル円相場の方向性を見出す上では、日米金融政策格差がより重要になってくると思われます(早期利上げ・早期バランスシート圧縮が見込まれる米国と、金融緩和長期化が見込まれる日本との金融政策格差は明白)。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は本邦公表相場(5・10日要因)や、米1月消費者信頼感指数、米1月リッチモンド連銀製造業指数、米5年債入札などに注目が集まりますが、米FOMCを1/27日本時間早朝に控えているため、神経質に上下しつつも方向感を見出すには至らないと予想いたします。
本日の予想レンジ:113.40ー114.10
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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