レンジ内だが下値不安拡大か、続落にも注意(1/21夕)

21日の東京市場でドルは小安い。週間安値の113.60円台まで一時下落する局面も観測されていた。

レンジ内だが下値不安拡大か、続落にも注意(1/21夕)

レンジ内だが下値不安拡大か、続落にも注意

〇本日のドル円、114.10前後で寄り付くが日経平均下落などが材料視され一時113.60-65へ値を崩す
〇基本的には米FOMC待ちで、レンジ取引続くとの見方が有力
〇113.60台まで下落し1/14安値113.48も視界内に捉えられた感、続落の動きにも一応要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.40-114.40、114.20前後が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は本日安値113.60-65、引き続き下値は堅そうなイメージも

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場でドルは小安い。週間安値の113.60円台まで一時下落する局面も観測されていた。

ドル/円は114.10円前後で寄り付いたのち、しばらくは底堅い。114円前後がサポートとなっていたものの、しっかり割り込むとそのまま日中安値の113.60-65円へと値を崩している。日経平均株価がザラ場ベースで一時500円を超える下落をたどったことなどが材料視されていた。しかし、徐々に下げ幅を縮小させたこともあり、ドル/円も目先底入れ。16時現在では113.85-90円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「日米関係」について。
前者は、ウクライナ国境付近での軍備増強を続けるロシアの露国防省が、「近くロシア近海でも大規模演習実施する」と発表し話題に。危険な状況が続くなか、バイデン米大統領が当初、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり「小規模な侵攻」であれば代償も小規模にとどまる可能性を示唆したことが物議を醸すと、当事者であるウクライナの外相が「発言がロシアの攻撃を誘発しかねない」との懸念を示したと伝えられていた。なお、そこここからの非難もあり、バイデン氏はすぐに発言を修正。「国境を越えてウクライナに入れば、侵攻とみなすことを明確にする」と改めて発言している。

対して後者は、21日に行われる首脳協議の調整を目的に、日米高官が電話会談を実施。中国や北朝鮮への対処のほか、ロシアによる威嚇で緊迫するウクライナ情勢も話し合ったという。つまり、21日の日米首脳会談でも、それらが主たる議題になる見通しで、為替市場においても変動要因となりかねないなどと、警戒感を抱く声が一部で聞かれていた。一方、それとは別に日米両政府は、核拡散防止条約(NPT)に関する共同声明を発表。「核兵器の内政実現に向け世界の指導者は広島・長崎訪問を」と呼び掛けていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は大きな意味ではレンジ内だが、本日東京で113.60円台まで値を下げてきた。14日に記録した安値113.48円も視界内に捉えられた感を否めず、続落した場合にはその攻防に注目だ。基本的には来週予定の米FOMC待ちでレンジ取引が続くとの見方が有力だが、前述安値を下回った場合にはドルにさらなる下値余地が拡大し、112円台突入の可能性も否定できない。
日米を中心とした各国金融政策への関心が依然として高いに環境下、まずは来週の米FOMCをまずは見極めたいとの雰囲気がうかがえる。ちなみに、市場の一部からは「3月に0.5%の利上げ実施」などとする超強気の見通しも囁かれるなか、逆にオミクロン株の感染拡大が利上げの足かせになる可能性も取り沙汰されていた。いずれにしても、本日を含めて足もとは米利上げをめぐる思惑の交錯した展開が続きそう。基本的にはレンジ内での往来相場をたどる公算が大きい。

テクニカルに見た場合、足もとのドル/円はレンジ取引の様相だが、その下限である113円半ばが視界内に捉えられている。このあとの欧米時間にドルが続落する動きにも一応要注意。もっとも、以前からたびたび指摘しているように、レンジを抜けてもそのまま一気に値が飛ぶようなことは少なく、むしろ再びレンジ内へとプルバックするような動きがここ最近は多い。決め打ちしての追随売りにも慎重さを求めたいところだ。

材料的に見た場合、中長期的には、南シナ海をめぐる米中の対立が再びクローズアップされている「中国情勢」、東京など日本の1都12県に対して「まん延防止等重点措置」の適用が発表された「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「ウクライナ情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月の景気先行指数が発表されるほか、「ダボス会議の準備会合」が最終日となる見込みで、黒田日銀総裁やラガルドECB総裁、イエレン米財務長官らの発言機会が予定されているという。また、前段で取り上げた日米首脳会談も当然要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.40-114.40円。114.20円前後が最初の抵抗で、超えれば114円半ば。そして、移動平均の21日線も近い114円後半から115円がターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の113.60-65円。割り込めば113.48円を目指すが、引き続き下値は堅そうなイメージも。

レンジ内だが下値不安拡大か、続落にも注意

ドル円日足


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