ドル円、冴えない動きが継続中。米金利低下とリスク回避の円買いが重石
〇ドル円、日経平均急落、10年債利回りの上昇一服等に米国時間に114.21まで反落
〇ユーロドル1.13台半ばに反発、ECBの資産購入鈍化、ウクライナ情勢緩和が背景
〇ドル円115円台の上値重いがテクニカルな上昇トレンドは継続中
〇ファンダメンタルズも、日米金融政策格差が明らかな現状では安易なドル売りは避けたいところ
〇ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:113.80ー114.60
海外時間のレビュー
19日(水)のドル円相場は冴えない動き。@米金融政策の早期正常化観測や、A上記@を背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは約2年ぶり高水準)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値114.79まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線および基準線をバックに伸び悩むと、B日経平均株価の急落(一時940円超の下落)や、C上記Bを背景としたリスク回避の円買い圧力、D米20年債入札の良好な結果(米金利低下→米ドル売り。米10年債利回りは2020年1月以来となる1.90%から1.82%へ急低下)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値114.21まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/20午前5時00分現在)では、114.25前後で推移しております。
19日(水)のユーロドル相場は底堅い動き。アジア時間朝方にかけて安値1.1315まで下げ幅を広げるも、前日安値1.1314をバックに下げ渋ると、@ECBによるハト派スタンスの後退観測(本年3月に終了予定のパンデミック緊急資産購入プログラムの資産購入額が減少傾向→緩和スタンスの転換を連想→欧州債利回り上昇→ユーロ上昇)や、A米金利低下に伴うドル売り圧力、Bウクライナを巡る地政学的リスクの後退(ロシア外務次官が一部譲歩の姿勢)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1357まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/20午前5時00分現在)では、1.1351前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は1/14に記録した安値113.48をボトムに反発に転じると、1/18に一時115.06まで急伸しましたが、足元では再び114円台前半へと反落するなど、冴えない動きが続いております(上値の重さを再確認)。但し、テクニカル的に見て、11/30に記録した安値112.53を下回らない限り上昇トレンド継続と判断できる点、ファンダメンタルズ的に見て、日米金融政策格差が明らかである点(早期正常化が急ピッチで織り込まれる米国と、先日の日銀金融政策決定会合で金融緩和政策の長期化が示唆された日本との金融政策格差は明らか)を踏まえると、安値圏での狼狽売り(突っ込み売り)は避けたいところ(万が一113円台に突入した場合もBuy on dip継続方針)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします(本日も米長期金利や米主要株価指数を睨みながらの神経質な展開を想定。米金利再上昇でも株式市場が崩れない場合、過剰流動性相場逆流一服に伴う安堵感からドル円相場に上昇圧力が加わる可能性あり)。
本日の予想レンジ:113.80ー114.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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