基本はレンジ、ただわずかに下向きリスクも(1/19夕)

19日の東京市場でドルが弱含み。再び売りが先行する展開で、とくに終盤にかけて下げ足が速い。

基本はレンジ、ただわずかに下向きリスクも(1/19夕)

基本はレンジ、ただわずかに下向きリスクも

〇本日のドル円、円買い優勢となり114.20レベルまで下落、16時現在114.25-30で推移
〇米FOMC控えレンジ取引続く、年初来高値116.35同安値113.48、リスクはやや下向きか
〇本日は米12月住宅着工件数、米財務省20年債入札、モルガン・スタンレー等決算発表を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.90-114.80、114.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は114.20-30がサポート、割り込んでも底堅いか

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場でドルが弱含み。再び売りが先行する展開で、とくに終盤にかけて下げ足が速い。

ドル/円は114.55-60円で寄り付いたのち、当初はドル買い優勢。米金利上昇などもあり、日中高値である114.75-80円へと値を上げた。しかし、日経平均株価が300円強と大幅安で始まったうえ、そののち下げ幅がさらに拡大したことなどが嫌気されると、為替市場もリスク回避の円買いが優勢に。結局、114.20円レベルまで下落し、16時現在ではそのまま安値圏の114.25-30円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「ロシアウクライナ情勢」について。
前者は、英国が「19日にコロナ制限措置の解除を発表する方針」と伝えられるなど、コロナとの共生の道を歩むもようだが、その英国を含めた欧州地域の新型コロナの感染拡大はいまだ止まらず。実際、「英国やイタリアではコロナ死者400人超」、「フランスも新規感染最多」といった報道が観測されている。そうしたなか、日本においても新型コロナの感染拡大から、本日1都12県に「まん延防止等重点措置」を適用する案が諮問・了承された。期間は21日から2月13日までになる見通しだ。
対して後者は、タス通信が「ロシアとベラルーシ、2月に10-20日間の合同軍事演習実施」と報じるなど、威嚇とも捉えられているロシアの軍事行動が続く。そうしたなか、ラブロフ外相からは譲歩を引き出そうとする「NATO不拡大要求の回答を待っている」とした発言も。一方、一連の状況を鑑みたうえで、米政府からは「ロシアのウクライナ攻撃はいつ起きてもおかしくはない」と危機を喚起するコメントが発せられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、4日高値116.35円と14日安値113.48円に挟まれてのレンジ取引の様相。広めにとった場合にはザックリ3円レンジ、期間を少し短縮した場合には113円半ばから115円といった1.5円ほどのあいだで一進一退をたどっている感がある。もちろん予断を許さないものの、来週に関心の高い米FOMCを控えていることを考えると、短期的にはレンジ取引が続く可能性も否定できない。いましばらく、次の方向性を探る展開か。
日米を中心とした各国金融政策への関心が依然として高く、前述したように来週の米FOMCをまずは見極めたいとの雰囲気がうかがえる。ただ、米国の「年内3回の利上げ」はほぼ織り込まれていることから、為替市場における金利の感応度はやや落ちている感を否めないようだ。再びドル高・円安へと向かうには、もう一段の後押し材料が必要とする声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、足もとのドル/円はレンジ取引の様相で、明確な方向性は乏しいが敢えてリスクを指摘すれば下方向にバイアスがかかるのかもしれない。先で取り上げた年初来高値116.35円と同安値113.48円、どちらに先に到達するのかを考えた場合は113.48円か。なお、以前にもレポートしたように113円半ばは移動平均の90日線も近くに位置するなど、ある種のテクニカルポイント。底堅いイメージだが、逆にしっかり下回ると下げが加速しかねないかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には、北京で確認されたオミクロン株感染は「海外からの郵便物が原因」で話を終わらせようとしている「中国情勢」、本日東京でも感染者7000人強で過去最多となる見通しの「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「ウクライナ情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月の住宅着工件数などが発表されるほか、米財務省による20年債の入札が実施される見込みだ。またモルガン・スタンレーなどの決算発表、さらに「ダボス会議の準備会合」が実施され、昨日の岸田首相に続き本日はショルツ独首相が講演を行う予定とされている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.90-114.80円。本日東京高値に当たる114.80円レベルが最初の抵抗。超えれば115円台乗せが見えてくるが、21日線が抵抗となる可能性も。
対するドル安・円高方向は、ごく短期的には本日東京で下げ止まった114.20-30円がサポート化しつつあるようだ。割り込めば113円台突入も予想されるものの、大崩れの展開は予想しにくい。

基本はレンジ、ただわずかに下向きリスクも

ドル円日足


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