ドル円、中国恒大集団の格下げ(←訂正×格上げ)を背景に反落。
〇ドル円、米国時間朝方に113.29まで反落
〇株式市場の軟調と米長期金利の反転下落、フィッチによる中国恒大集団の格下げ実施が重石
〇その後は米新規失業保険申請件数の約52年ぶり低水準に113.45レベルまで戻す
〇ユーロドル、欧州での感染拡大、ECBの資産購入再拡大の動き等に一時1.1279まで下落
〇ドル円一目均衡表の「雲」上限に続落阻まれ下値堅い
〇ファンダメンタルズもドル円上昇材料多い
〇本日日本時間22時30分発表の米11月消費者物価指数に注目
〇本日の予想レンジ:112.80ー114.00
海外時間のレビュー
8日(水)のドル円相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて高値113.82まで上値を伸ばすも、前日高値113.94をバックに伸び悩むと、@株式市場の軟調推移(リスク選好の円売り後退)や、A米長期金利の反転下落(米10年債利回りは1.53%から1.47%へ低下)、B格付け会社フィッチ・レーティングスによる中国恒大集団の格下げ実施(部分的な債務不履行を意味する「RD」に引き下げ→リスクオフ再燃)が重石となり、米国時間朝方にかけて安値113.29まで反落しました。もっとも、一目均衡表雲上限に続落を阻まれると、C米新規失業保険申請件数の良好な結果(結果18.4万件、予想22.0万件、※1969年9月以来、約52年ぶり低水準)や、D上記Cを背景とした株式市場の持ち直しが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間12/10午前5時00分現在)では、113.45前後で推移しております。
9日(木)のユーロドル相場は軟調推移。アジア時間早朝にかけて高値1.1355まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと(短期間で上昇した反動が出ると)、@新型コロナウイルス・オミクロン株を巡る不確実性の高まり(ユーロ圏各国による感染拡大防止策強化への警戒感→欧州経済の先行き不安→欧州株安)や、A欧米金融政策の方向性の違い(ユーロ売り・ドル買い圧力。ECBは来週12/16の理事会で資産購入プログラムAPPを一時的且つ限定的に拡大することを検討中と報道あり)、Bウクライナを巡る地政学的リスク、CECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の再投資を市場のストレスに対処できるように調整中との一部報道が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1279まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/10午前5時00分現在)では、1.1290前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時113.29まで下げ幅を広げるも、一目均衡表雲上限に続落を阻まれ持ち直しました。ダウンサイドに12/3安値112.56や、11/30安値112.53といった強力な支持帯を控えている為、ドル円・クロス円共に買い安心感が生まれつつあります(サポートポイントをバックに押し目買いが出易いチャート形状)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米テーパリングペースの加速観測(テーパリング終了時期が早まることで米利上げ開始時期も早まるとの期待感→米金利上昇・米ドル高に繋がりやすい)や、A新型コロナウイルス・オミクロン株の過度な悲観論後退(米ファイザー社による前日のポジティブ報道→リスク選好の株高・円売りに繋がりやすい)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が整いつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は日本時間22時30分に発表される米11月消費者物価指数に注目が集まります。前回10月分は前年同月比6.2%と約31年ぶりに6%の大台を突破しました。今回11月分はインフレ圧力が更に加速する公算が大きく(現時点での市場予想は6.8%)、米国時間帯は、米テーパリング加速→米利上げ前倒し→米長期金利上昇→米ドル高の波及経路に注意が必要となりそうです(今回の結果次第で、米FRBによるインフレ退治への姿勢が更に強まる可能性大。ドル高リスクに要警戒)。
本日の予想レンジ:112.80ー114.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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