ドルの上抜け不発、レンジ取引継続か(12/8夕)

8日の東京市場はレンジ取引。新規材料に乏しいなか、113円半ばを中心とした一進一退で明確な方向性もうかがえなかった。

ドルの上抜け不発、レンジ取引継続か(12/8夕)

ドルの上抜け不発、レンジ取引継続か

〇ドル円、16時現在113.50-55で推移、材料乏しく積極的動意に欠ける
〇昨日113.70円台まで値を上げるも114円超えられず、112.50-114.00といったレンジ取引継続か
〇リスクは依然ドル高方向、レンジ上抜け再トライには要注意
〇本日は材料少なく動きにくい雰囲気だが、「薄商い=乱高下」懸念の声も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは112.90-113.80、 114円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は113.30-50が吸着率高くサポートとして寄与、下げ始めると速いか

<< 東京市場の動き >>

8日の東京市場はレンジ取引。新規材料に乏しいなか、113円半ばを中心とした一進一退で明確な方向性もうかがえなかった。

ドル/円は113.50-55円で寄り付いたものの、材料乏しく積極的な動意に欠ける。一時113.35円レベルへと小緩んだが攻め切れず、その後は113円半ばを挟んだ非常に狭いレンジ取引をたどっていた。日経平均株価は、終値ベースで405円高と大きく上昇したが為替市場への影響は軽微。16時現在、ドル/円は寄り付きと同じ113.50-55円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、過去1ヵ月以上にわたり弱含みをたどっていた豪ドルはようやく反転。本日東京でも対円などで戻り高値を更新したものの、頭は依然として重かった。

一方、材料的に注視されていたものは、「北京オリンピック」と「中国不動産リスク」について。
前者は、昨日報じたように、米国が北京五輪の「外交的ボイコット」を正式に発表したことに続き、そののちニュージーランドそして豪州も政府関係者の派遣を見送ることを明らかにしている。また、日本は態度未定ながら、産経新聞が「閣僚派遣を見送る方向で検討」と報じており、今後米国に追随する可能性も否定できない。それに対し、英国は同国紙テレグラフが「限定的な政府関係者派遣を検討」としており、事実とすれば全面的な外交的ボイコットは見送られるようだ。
対して後者は、格付け会社S&Pが「中国恒大はデフォルト不可避」との見通しを示すなか、ロイターが「6日期限の社債利払いをしていないことがわかった」などと指摘。さすがに恒大集団も持ちこたえられず、デフォルトとなったもようだ。その後も、別の中国不動産開発会社である佳兆業集団が「香港で株式売買停止」されたと伝えられるなど、さらに様相は混沌としてきた感を否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル/円相場は、東京夕方そしてNY時間にも113.70円台まで値を上げ、レンジ上限114円を意識した動きが観測されたが結局超えられず。やはり、若干ワイドながら過去1週間以上も推移している112.50-114.00円といったレンジ取引が、いましばらく続く可能性もある。ただ、リスクという意味ではドル高方向にややバイアスが掛かりそうで、クリスマス前の薄商いのなか、レンジの上抜け再トライにも一応要注意。
日米欧英など各国の金融政策に対する関心は依然として高く、米国については来週のFOMCが早くも注目されている。そうしたなか、引き続き新型コロナ・オミクロン株が波乱要因として警戒されているほか、堅調推移をたどるNYダウなど米株の動きについても、懐疑の目を向ける向きは少なくない。前述したような「中国不動産リスク」が再燃していることで、イケイケドンドンの上昇が続くことには疑問の声もあるだけでなく、逆に調整的な米株への下押し圧力が強まることも警戒されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円も114円のレンジ上下突破への期待が高まったものの、結局とどかずに失敗。引き続き112.50-114.00円というレンジ内での値動きだ。
ただ、敢えて言うなら、リスクはいまだドル高方向で、一時的な仕切り直しの動きを経たのち再トライをたどっても不思議はない。上抜ければ114円半ば、そして115円をターゲットにドルはさらに続伸する展開も。

材料的に見た場合、中長期的には、北京五輪への外交的ボイコットが広がりを見せている「中国情勢」、やや楽観論が優勢になりつつあるが検証にはいま少し時間がかかるもようの「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、10月の雇用動態調査[JOLT]などが発表される見込みだ。また、それとは別に米財務省による10年債入札が実施される予定になっている。ただ、決定事項ともいえる材料はかなり少なく、そうした意味では動きにくそうな雰囲気だが、逆に「薄商い=乱高下」を懸念する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは112.90-113.80円。移動平均の21日線も近くに位置し、昨日もとどかなかった114円レベルが最初の抵抗。超えれば次の114円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含む113.30-50円は吸着率が高く、サポートとして寄与している。下値のビッドがしっかりしているイメージながら、下げ始めると意外に速いのかもしれない。

ドルの上抜け不発、レンジ取引継続か

ドル円日足


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