ドル円、ショートカバー主導で113円台を回復。本日は米雇用統計に注目(12/3朝)

2日(木)のドル円相場は底堅い展開。

ドル円、ショートカバー主導で113円台を回復。本日は米雇用統計に注目(12/3朝)

ドル円、ショートカバー主導で113円台を回復。本日は米雇用統計に注目

〇ドル円、株式市場の持ち直しや、米長期金利の反転上昇に欧州時間朝方にかけて、高値113.33まで上昇
〇その後も、米新規失業保険申請件数の予想比改善やFRB関係者のタカ派発言に113円台で底堅く推移
〇ユーロドル、米国時間朝方に1.1348まで上伸後、午後にかけ1.1296まで下落
〇米金利上昇、欧州でのコロナ感染拡大、ECB関係者のハト派発言等が重石
〇ドル円、テクニカルには終値ベースで一目均衡表雲上側に位置し、下値の堅さを印象づける
〇ファンダメンタルズもFRB関係者のタカ派発言相次ぎ、ドル円をサポート
〇本日は日本時間22:30の米11月雇用統計に注目集まる
〇本日予想レンジ:112.80ー113.80

海外時間のレビュー

2日(木)のドル円相場は底堅い展開。@米疾病予防管理センターによる「米国で初の新型コロナウイルス・オミクロン株の感染が確認された」との報道を背景に、アジア時間朝方にかけて安値112.66まで下げ幅を広げるも、11/30に記録した直近安値112.53をバックに下げ渋ると、@株式市場の持ち直し(ダウ平均株価や時間外の日経先物が大幅上昇→リスク回避の円買い後退)や、A米長期金利の反転上昇、B上記@Aを背景としたショートカバーの誘発が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値113.33まで上昇しました。

その後も、C米新規失業保険申請件数(結果22.2万件、予想24.0万件)の予想比改善や、Dアトランタ連銀ボスティック総裁による「2022年第1四半期末までにテーパリングを終了することが適切となる可能性」とのタカ派的な発言、Eサンフランシスコ連銀デイリー総裁による「予想よりも早期のテーパリングが必要となる可能性」「利上げについての計画作成が必要となる可能性」とのタカ派的な発言、FクオールズFRB理事による「テーパリングの早期終了を支持する」とのタカ派的な発言などが下支えとなり、本稿執筆時点(日本時間12/3午前5時00分現在)でも、113.15前後で底堅く推移しております。

2日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。米国時間朝方にかけて一時1.1348まで上値を伸ばすも、12/1高値1.1359や、11/30高値1.1384をバックに伸び悩むと、@米金利の反転上昇(ドル買い再燃)や、A欧州圏に新型コロナウイルス変異株の感染拡大懸念(フランスの新型コロナウイルス感染症科学評議会のジャンフランソワ・デルフレシ議長は、「来年1月末までにフランスでオミクロン変異株が主流になる可能性がある」と発言)、B上記Aを背景と欧州経済の先行き不透明感、C米当局者による相次ぐタカ派発言、Dフィンランド中銀レーン総裁による「ユーロ圏のインフレは一過性である」とのハト派発言、E上記CDを組み合わせた欧米金融政策の方向性の違いが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1296まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/3午前5時00分現在)では、1.1298前後で推移しております。

本日の見通し

昨日は一時113.33まで反発するなど、3営業日ぶり日足陽線を記録しました。ローソク足が終値ベースで一目均衡表雲上限より上側に位置していることも、下値の堅さを印象づける結果となっております(11/30に記録した直近安値112.53トライに失敗→下値の堅さを再確認→更なるショートカバーを誘発する恐れ)。ファンダメンタルズ的に見ても、米当局者によるタカ派的な発言が相次いでおり、日米金融政策格差に着目したドル買い・円売りの再開が見込まれます(パウエルFRB議長やニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁に加えて、昨日はアトランタ連銀ボスティック総裁、サンフランシスコ連銀デイリー総裁、クオールズFRB理事からもタカ派的な発言が相次ぐ展開)。

新型コロナウイルス変異株を巡る不確実性が織り込み済みとなる中(昨日は米国でオミクロン株の2例目の感染が確認されるも反応は限定的)、市場のテーマは、「リスク回避の円買い」から「日米金融政策の方向性」にシフトしつつあると考えられます(株式市場が反発に転じ次第、ドル円が一気に上昇する可能性あり)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間22:30の米11月雇用統計に注目が集まります。非農業部門雇用者数および失業率の改善が見られれば、米利上げ前倒し観測の高まりを通じて、ドル円が一気に急伸する可能性もあるため、本日海外時間は特にアップサイドリスクに注意が必要でしょう(※非農業部門雇用者数の予想は55.0万人、失業率の予想は4.5%)。

本日の予想レンジ:112.80ー113.80

注:ポイント要約は編集部

ドル円、ショートカバー主導で113円台を回復。本日は米雇用統計に注目

ドル円日足

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