新型コロナ、為替のリスク要因として急浮上(11/26夕)

26日の東京市場はドルが急反落。下げ幅は90ポイント近く、しかも「寄り付き高・大引け安」の様相で、ドルの弱さが際立っていた。

新型コロナ、為替のリスク要因として急浮上(11/26夕)

新型コロナ、為替のリスク要因として急浮上

〇本日のドル円、115.30前後で寄り付きしばらくレンジ取引の後、底割れし114円半ばまで下落
〇直近高値115.52から1円強の急落、下値の脆さを露呈、さらなるドル安進行にも注意
〇新型コロナ変異株報道で状況が変化、金融市場において急速に警戒感強まる
〇21日線(114.10-20)がドルのサポートとして寄与、仮に続落しても114円前半で一旦下げ止まるか
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.80-114.90、上値は重くなりつつある様子
〇ドル安・円高方向は114.10-20が最初のサポート、割り込めば113.80レベルが次のターゲットに

<< 東京市場の動き >>

26日の東京市場はドルが急反落。下げ幅は90ポイント近く、しかも「寄り付き高・大引け安」の様相で、ドルの弱さが際立っていた。

ドル/円は115.30円前後で寄り付いたものの、前日NY休場の流れもあり、しばらくはレンジ取引。しかし底割れすると、115円を割り込み一気に114円台へ。一時下げ止まるも、夕方に掛けてドル安・円高が再燃し、大引けにかけては日中安値114円半ばまで下落。16時現在、そのままドルの安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、東京時間の動きを、正確に言えば「ドル安」というよりも「円全面高」の様相。それに対して豪ドルやNZドル、ランドなどの弱さがとくに目を引いていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「エネルギー市況」について。
前者は、引き続き欧州を中心とした感染拡大が取り沙汰され、実際にオランダやポルトガルが規制の再導入を発表している。そうしたなか、「南アフリカで新たな変異株を検出された」との報道がなされ、金融市場へも大きな影響が。実際、本日東京時間のランド/円は3月9日以来の安値となる7.05円前後まで一時大きく値を下げていた。なお、前述した南アの変異種は「香港で旅行者2人からも検出」とされるなど、日本も含め今後の感染拡大の動きには要注意だ。
対して後者は、産油国と消費国の深い溝が明らかになった「原油供給問題」をめぐり、来週12月2日に実施されるOPEC閣僚級会合が、石油市場の動向を大きく左右することになるものとして大いなる関心を集めてきた。ただ昨日は、引き続きイラク石油省が「原油市場は依然として不安定」などとした声明を発表するなど、追加の増産には慎重な姿勢を崩しておらず、協議の難航が見込まれている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は「コロナ変異種確認」という、ある意味イレギュラーな材料を受けて急速なドル安・円高が進行している。115.52円という直近高値から、あっという間の1円下落で、下げ始めると下げ足も非常に速い。ちなみに、過去1ヵ月程度の動きをみると、目先高値から1円ないし1.5円程度の下げで底入れし再び上方向をトライする展開が多いが、今回は果たしてどうか。つまり、114円をクリアに下回るようだと、トレンド転換など風向きの変化を考える必要があるだろう。
日米欧英など各国の金融政策が引き続き注目されるものの、NYは株式・債券市場が短縮取引になることで、昨日同様目立った材料なし。当初「本日は基本小動き」−−を見込んでいたのだが、先で取り上げた「コロナ変異種確認」報道もあり、状況がガラッと変化した感がある。「従来のワクチンが効きにくい」との一部報道も観測されるなど、まだわからないことだらけだが金融市場においても急速に警戒感が強まっていることは間違いない。NYが実質休場状態となるなか、コロナ関連の続報如何で「薄商い=荒れ相場」をたどる可能性もある。

テクニカルに見た場合、底堅そうに思えたドル/円だったが、わずか一日で1円強の下落をたどっており、予想外ともいえる下値の脆さを露呈した。さらなるドル安の進行にも要注意。
ただし、11日に上抜いたのちは、移動平均の21日線(114.10-20円)が逆にドルのサポートとして寄与している感がある。また9日安値112.73円を起点とした上昇幅のフィボナッチ半値戻しもほぼ同レベルに位置することから、仮に続落しても114円前半では一旦下げ止まりそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には、米議員団の訪台もあり再び台湾情勢をめぐる緊張への警戒感も取り沙汰されている「中国情勢」、来週のOPEC閣僚級会合をめぐるバトルがこの週末も続く見込みの「原油供給問題」、「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−などに注目。
一方、本日NYの為替市場は一応オープンするが、株式・債券市場が短縮取引。そして米経済指標の発表や、通貨当局者らの講演などもとくには予定されていない。昨日に続き決定事項ともいえる材料は極めて乏しい状況だ。ただ、既に取り上げた「新型コロナ変異株」に関するニュースなどによっては波乱も否定できない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.80-114.90円。下げ足の速さは気掛かりだが、上値はジワリと重くなりつつある感。目先的に115円は少し遠くなったのかもしれない。
対するドル安・円高方向は、移動平均の21日線が位置する114.10-20円が最初のサポート。
割り込めば114円割れ、113.80円レベルが次のターゲットに。

新型コロナ、為替のリスク要因として急浮上

ドル円日足


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