先週レンジにとどまり、方向性は依然乏しい
〇本日のドル円、114.20円台まで値を上げるも上げ渋り、16時現在114.15-20で推移
〇113.59-114.97というレンジ内での一進一退、往来相場が目先は続くか
〇本日は10月シカゴ連銀全米活動指数、同中古住宅販売件数、米財務省による入札予定
〇FRB議長人事は今週中に発表か、米金融政策への影響を注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.70-114.60、114.54半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、113.80-90めぐる攻防に注目、割り込んでも大崩れは予想しにくい
<< 東京市場の動き >>
週明け22日の東京市場はドルが小高い。114.20円台まで一時値を上げたものの、上値は重くその後は上げ渋った。
先週末、米国に続き英国でも中国で来年2月に行われる「北京オリンピックの外交ボイコット検討」などと報じられ話題に。また、高騰する原油価格への対応として、米国からの要請もあり日本などが戦略備蓄を取り崩す考えを示したことも思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は113.95-00円で寄り付いたのち、流れとしてはドル買い優勢。多くの時間帯を114円台で過ごす展開で、一時114.20円台まで値を上げる局面も観測されていた。しかし、分厚いオファーに上値を阻まれドルは上げ渋ると、途中からは114円台の強保ち合いに。114.00-20円といったレンジ取引をたどるなか、16時現在では114.15-20円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「北京五輪」と「日本の情勢」について。
前者は、様々な中国情勢が伝えられるなか、とくに五輪関係の話題が目に付く。たとえば、そのひとつが前述した「英国も外交ボイコット検討」報道。また「中国の女子テニス選手が安否不明」になっていることを踏まえたうえで、米紙NYタイムズは社説において「隠ぺいに躍起の中国が五輪開催国として適格性があるのか」と疑問を呈している。その一方、五輪開催を控え北京市政府が新型コロナ対策として、「市中心部にある天安門広場への観光客の入場を12月15日から予約制にする」と発表したことも別途話題に。
対して後者は、前段で取り上げた「石油の戦略備蓄放出検討」のほか、米高官が「来年の日米豪印会議(クアッド)は日本開催で合意している」と発言したこと、共同通信が伝えた「岸田首相がEUのミシェル大統領と近く日本で対面形式の会談を実施する方向で最終調整」との報道などが思惑を呼ぶ。また、週末に林外相が中国から訪中要請があったことを明らかにしたうえで、応じる考えを示したことは逆に軽率な行動などと懸念要因として取り沙汰されていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先週17日に高値114.97円まで一時到達したのち、週末19日には113.59円を付けるなど逆にドルの下値をトライ。つまり、短期間のあいだに目先レンジの上下をともに試した感を否めない。予断を許さないが、113.59-114.97円というレンジ内での一進一退、往来相場が目先は続く可能性も否定できないようだ。
日米欧英など各国の金融政策が引き続き注目されるなか、今週も発表される米経済指標にまずは注目。また、それとともに米金融政策に影響を及ぼすこともありうるFRB議長人事を警戒する声も日増しに高まっている。遅くとも週内には決着がつくとみられることから、日々警戒をしておきたい。なお、今週は明日が東京、25日はNYが休場となり、商いが通常より薄くなるだけに、「薄商い=荒れ相場」にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は前述したように先週半ば以降高値、そして安値のそれぞれトライした感があり、それを経て足もとは113.59-114.97円というレンジを形成している感を否めない。実際、変更執筆時の114.20円前後はその中間点に近く、居心地がよさそう。いずれにしても、まずはその1.4円ほどのレンジブレークの有無と、抜けていく方向性に注目だ。ビッドは確かに強いものの、レンジを上抜けるにはもうひとつ材料が必要という気がしている。
材料的に見た場合、中長期的には、北京五輪開催にも絡む新たな問題が噴出した「中国情勢」、価格高騰が世界的な問題になっている「原油供給問題」、「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−が注視されている。
一方、本日は米経済指標として、10月のシカゴ連銀全米活動指数や同中古住宅販売件数が発表されるほか、米財務省による2年債や5年債の入札も実施される見込みだ。ただ、油断は禁物だが、決定している材料的としては幾分少なめであるのかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.70-114.60円。先週にドルの上値を阻んだ114.54円半ばが最初の抵抗。抜ければ年初来高値114.97円が意識されそうだが、上値は引き続き重そうだ。
対するドル安・円高方向は、NYクローズベースでサポートとして寄与している移動平均の21日線(113.80-90円)をめぐる攻防にまず注目。ただ割り込んでも大崩れする展開は予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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