ドル高の調整続く公算、米経済指標に注意(10/29夕)

29日の東京市場はレンジ取引。仲値前後にやや荒っぽい変動も見られたが、それでもトータル30ポイント程度の変動にとどまっている。

ドル高の調整続く公算、米経済指標に注意(10/29夕)

ドル高の調整続く公算、米経済指標に注意

〇本日のドル円、16時現在113.60前後で推移、仲値前後変動するもトータル30ポイント程度
〇調整局面でドル下値切り下げ、米FOMC控えじり安推移続ける可能性も
〇本日はPCEデフレーター、シカゴ購買部協会景気指数など発表予定、ドル安へ揺れる展開注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.00-114.00、 113.85前後が抵抗
〇ドル安・円高方向は昨日安値113.25をめぐる攻防に注目、次のサポートは113.10前後

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場はレンジ取引。仲値前後にやや荒っぽい変動も見られたが、それでもトータル30ポイント程度の変動にとどまっている。

ドル/円は113.55円レベルで寄り付いたのち、月末ということで材料よりも需給要因に注目の集まる展開。仲値不足からドルはじり高推移をたどると、113.70-75円まで一時値を上げている。しかし、仲値決定後は需給要因剥落でドルは急落。短時間で30ポイントほど下落したものの、下値も堅く下げ渋り。以降は113.50-70円といった揉み合いとなり、16時現在では113.60円前後で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、前日からの流れもあったかユーロが小高い。対円では132.90円台まで上昇し、今週のユーロ高値を一時更新する局面も。

一方、材料的に注視されていたものは、「国際情勢」と「中国恒大リスク」について。
前者は、30-31日に行われるG20首脳会議について、中国外務省が「習国家主席はビデオを通じて出席する」と正式に発表。その反面、会場であるイタリア・ローマを訪れるバイデン米大統領は会議の合間を縫い「30日に英国、フランス、ドイツの首脳とイラン核合意に関し協議する」ことが明らかになった。また、それとは別に仏豪首脳が「潜水艦契約破棄問題」後初めての電話会談を実施、損なわれた信頼関係の再構築に向けた一歩が観測されている。
対して後者は、懸念されている「不動産リスク」の最たるもの恒大集団について、香港紙が「同社のトップ許主席が香港に所有する邸宅を抵当に入れた」としたうえで、「債務の返済に充てるとみられる」と指摘し思惑を集める。また、米紙NYタイムズも「29日に支払い猶予期限を迎えるドル建て社債の利払いを実施した」と報じており、依然として綱渡りながらデフォルトは回避されたようで、一抹の安心感を醸していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は中期的な流れ、ドル高基調にいまだ変化はないが、足もとはその調整局面。価格ではなく時間調整の色合いが濃いものの、一昨日そして昨日とドルは下値を少しずつ切り下げていることは気に掛かる。基本は113円台での一進一退だが、来週に注目の米FOMCを控えるなか、本日もドルはじり安推移を続ける可能性も否定できない。そうした意味では、昨日安値113.25円をめぐる攻防にまずは注目だ。
来週予定されている11月のFOMCで米国のテーパリングが開始されるとの見方が市場のコンセンサスで、ドル下支え要因のひとつに。単純に日米金利差といったことを考えると、積極的なドル売り・円買いには動きにくいと言わざるを得ないが、ポジションの偏りは著しく調整の動きが進むことまでは否定できないだろう。いずれにしろ、本日は9月PCEデフレーターはじめ、幾つかの注目の米経済指標が発表されるだけに、その内容には要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は中期的なドル高傾向継続下の調整局面。スピードは緩慢だが、一昨日そして昨日と下値を少しずつ切り下げている。そうしたなか、一昨日は9月安値109.12円を起点とした上昇幅の23.6%押しにあたる113.35-40円でドルは下げ止まっていたが、昨日下回っており、フィボナッチ的にはさらなる下落をたどっても不思議はない。ちなみに、38.2%押しは112.55円で1円近くも下になる。

材料的に見た場合、中長期的には、「恒大リスク」は若干後退もまだまだ諸問題の多い「中国情勢」のほか「新型コロナ」、この週末にいよいよ衆院選が実施される「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月のPCEデフレーターや10月のシカゴ購買部協会景気指数などが発表される見込みだ。昨日は発表された7-9月期GDPの下振れが嫌気され、ドル安へと振れただけに、同様の展開にも注意しておきたい。また、それとは別にシェブロン、エクソンモービルといった注目の米企業決算発表も実施される予定となっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.00-114.00円。113円台後半前からオファーが積み上がり、上値が重くなっているようだ。実際、27日欧米時間以降は一度も114円台を付けていない。具体的には113.85円前後などが抵抗に。
対するドル安・円高方向は、まずは昨日安値113.25円をめぐる攻防に注目。フィボナッチでは次のテクニカルポイントは1円近く下だが、移動平均では113.10円前後に21日線が位置しており、目先はそれが次のサポートか。

ドル高の調整続く公算、米経済指標に注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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