ドル円、下落後に持ち直す展開。ユーロはタカ派なラガルド総裁発言を受けて急伸(10/29朝)

28日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、下落後に持ち直す展開。ユーロはタカ派なラガルド総裁発言を受けて急伸(10/29朝)

ドル円、下落後に持ち直す展開。ユーロはタカ派なラガルド総裁発言を受けて急伸

〇ドル円、対ユーロでのドル売り、3QGDPの不冴えで米国時間に一時113.25まで下落
〇その後は米金利上昇で113.55まで持ち直す
〇ユーロドル欧州時間にかけ1.1582まで下落後1.1692まで急伸
〇独CPIの伸び、ラガルドECB総裁のタカ派発言、米GDPの不冴え等が要因
〇ドル円、2週間ぶり安値まで下落するも、テクニカルには複数の買いシグナルが点灯、一時的反落か
〇ファンダメンタルズも、昨日、黒田総裁が「円安容認」発言する等、ドル円上昇材料増える
〇ドル高円安トレンド継続がメインシナリオ、本日の予想レンジ:113.20ー114.00

海外時間のレビュー

28日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@対ユーロでのドル売り圧力(ラガルドECB総裁によるタカ派的な発言)や、A米第3四半期GDP速報値(結果2.0%、予想2.7%、※約1年ぶり低成長)の冴えない結果が重石となり、米国時間にかけて一時113.25(10/14以来、約2週間ぶり安値圏)まで下落しました。しかし、ボリンジャーミッドバンドに続落を阻まれると、B米主要株価指数の堅調推移や、C上記Bを背景としたリスク選好の円売り圧力(クロス円上昇→ドル円連れ高)、D米金利上昇に伴うドル高圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間10/29午前4時30分現在)では、113.55前後まで持ち直す動きとなっております。

28日(木)のユーロドル相場は急上昇。欧州時間朝方にかけて一時1.1582(10/18以来、8営業日ぶり安値圏)まで下げ幅を広げるも、売り一巡後に下げ渋ると、@ドイツ10月消費者物価指数(結果4.5%、予想4.4%、※前年同月比)の市場予想を上回る結果(集計開始以来最大の伸び率)や、A注目されたECB理事会で現行の金融政策が維持されつつも、その後の記者会見でラガルドECB総裁が「高インフレの局面は予想よりも長く継続する可能性がある」「PEPPの3月終了を信じる十分な根拠がある」と発言したこと、B上記Aを背景としたECBによる早期テーパリング観測の高まり(市場ではラガルドECB総裁発言がタカ派的と受け止められ、ショートカバーを巻き込みながら急上昇)、C株高を背景としたリスク選好のドル売り圧力、D米第3四半期GDP速報値の冴えない結果が支援材料となり、米国時間にかけて高値1.1692(9/28以来、約1ヵ月ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/29午前4時30分現在)では、1.1683前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は10/20に記録した年初来高値114.71(約4年ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、昨日は一時113.25(約2週間ぶり安値圏)まで下落しました。この1ヶ月間で急速に積み上げられた円ショートポジション(IMM通貨先物市場では円ショートが過去最高水準に増加)の巻き戻しがドル円下落の背景と考えられます。しかし、全体的なチャート形状を確認すると、@ダウンサイドに複数のサポートポイントを控えている他、A一目均衡表三役好転や、B移動平均線のパーフェクトオーダー、Cダウ理論の上昇トレンド継続といった複数の買いシグナルが点灯している為、足元の下落はあくまで上昇トレンドの過程で見られる一時的な反落局面と捉えることが出来そうです(RSIなどのオシレータ系インジケータも過熱感が解消済み→ポジション調整一巡後の反発に期待)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(来週のFOMCで緩和縮小が織り込まれる米国と、金融緩和の長期化が見込まれる日本との金融政策格差)や、A黒田総裁による円安牽制リスクの後退(国際決済銀行が公表する円の実質実効レートが『黒田総裁が円安牽制発言を行った2015年6月』と同水準まで低下したことで、同氏が再び円安牽制を行うとの警戒感が広がっていたが、昨日は同氏から「現時点で若干の円安だが、これが悪い円安とか日本経済にとってマイナスになるということはない」「日本経済に総合的にプラスであることは確実」「実質実効為替レートの水準について具体的なノルム(基準)があるわけではない」との発言が見られ、市場では『日銀による円安容認』との見方が台頭)、

B株式市場の堅調推移(米早期テーパリング・米早期利上げ観測は過剰流動性相場の逆流を引き起こすと見られていたが、現時点で株式市場は予想外に底堅さを堅持しており、リスク回避ムードが後退)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は米9月PECデフレータ、米10月シカゴ購買部協会景気指数、米10月ミシガン大消費者信頼感指数などの米経済指標に注目)。

本日の予想レンジ:113.20ー114.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、下落後に持ち直す展開。ユーロはタカ派なラガルド総裁発言を受けて急伸

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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