ドル円見通し 9月15日からの大上昇一服感、113円台後半で様子見の展開(21/10/26)

先週末の23日未明に113.39円まで下げたとこからは下げ渋りに入り、25日夜には113.91円まで戻したものの114円には届かずにいる。

ドル円見通し 9月15日からの大上昇一服感、113円台後半で様子見の展開(21/10/26)

ドル円見通し 9月15日からの大上昇一服感、113円台後半で様子見の展開

〇ドル円、10/23未明113.39へ下げてから下げ渋り、10/25夜に113.91まで戻すが114円には届かず
〇115円到達へ向かうには時期尚早として、いったん調整局面に入っている印象
〇米長期債利回りは上昇一服、日本10年債利回りが0.10%に上昇
〇米GDP・PCE統計発表はじめ注目材料続く、米長期債利回り上昇とドル高の推進要因となるか注目
〇113.39割れ回避のうちは上昇余地ありとし、113.91超えからは114.00から114.25を試すとみる
〇113.39割れからは、113.00から112.50への下落を想定する

【概況】

ドル円は10月20日午前高値114.69円への上昇で2018年10月4日高値114.54円を上抜いたものの、9月15日安値109.09円からの上昇幅も5.60円に拡大したことで、115円到達へ向かうには時期尚早としていったん調整局面に入っている印象だ。
先週末の23日未明に113.39円まで下げたとこからは下げ渋りに入り、25日夜には113.91円まで戻したものの114円には届かずにいる。25日は米国の主要経済指標発表はなく、夕刻の独IFO景況指数の悪化や独連銀月報での景気鈍化示唆からユーロドルが下落してややドル高となる局面もあったが、ポンドや豪ドル等は横ばい程度の動きにとどまり方向感に欠けた。

【米長期債利回りの上昇一服】

10月25日の米10年債利回りは先週末比で変わらずの1.63%で終了。10月21日に1.70%まで上昇して8月以降の高値を更新したところからやや調整気味の下落。米2年債利回りは先週末比0.02%低下の0.44%で終了。22日は0.49%を付けて年初来高値を更新したところから反落したが、25日も続落となり10月入りしてからの急伸も一服の様相だ。
25日は日本10年債利回りが0.10%に上昇したことも若干の話題となった。0.10%は4月13日以来だが、世界的なインフレ進行により資源輸入国としての輸入物価上昇が本邦長期債利回りへの上昇圧力となっている印象だ。
ドル円としては米長期債利回りの上昇一服と日本10年債利回り上昇により円高ドル安圧力が若干かかった状況だが、米長期債利回りの中勢レベルでの上昇基調は変わらずとすれば、再び米長期債利回りが上昇し始めるところからはドル円の上昇も再開しやすいのではないかと思われる。

米国のFF金利先物市場の動きからは2022年6月までに米連銀が利上げする確率が60%、2022年9月までの利上げ確率は100%とされ、2022年には2回の利上げも予想される状況だ。米連銀のパウエル議長等は利上げを急がない姿勢を繰り返し強調しているものの金利市場では利上げを織り込んできているところといえる。
今週は10月28日にECB理事会と米7-9月期GDP発表、29日には9月の米個人消費支出(PCE)物価指数の発表があり、来週の11月2-3日には米FOMC、11月5日には米10月雇用統計と続く。それらを米長期債利回り上昇とドル高の推進要因とするか逆に米長期債利回り低下とドル安を招くのか、まずは米GDPとPCE統計を見ながら思惑してゆく展開と思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、10月20日午前高値で当面のピークを付けて下落期に入ったと思われるが、19日夕安値から3日半となる23日未明安値で目先の底を付けて下げ渋りに入っている。20日午前高値を基準として高値形成期は25日午前から27日午前にかけての間と想定されるので既に25日夜高値でサイクルトップを付けた可能性があるため、23日未明安値割れ回避のうちは上昇余地ありとするが、23日未明安値割れからは新たな下落期入りとして28日未明から11月1日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10月23日未明安値からの下げ渋りにより遅行スパンが好転しているが先行スパン突破には至らずにいる。遅行スパン好転中は高値試し優先とし、先行スパンを上抜くところから上昇が若干勢い付く可能性があるとみるが、先行スパンを上抜けないうちは下げ渋り程度にとどまって一段安しやすいと注意し、遅行スパンが再び悪化するところからは下げ再開とみて安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は23日未明に30ポイントへ低下したところから50ポイント超えへ戻している。45ポイント以上での推移中は上昇余地ありとするが、60ポイント台中後半では売られやすいとみる。45ポイント割れからは下げ再開とみて再び30ポイント前後を試す流れを想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、10月23日未明安値113.39円を下値支持線、25日夜高値113.91円を上値抵抗線とする。
(2)23日未明安値割れ回避のうちは上昇余地ありとし、25日夜高値超えからは114円台序盤(114.00円から114.25円)を試すとみるが、114円台序盤では戻り売りも出やすいとみる。
(3)23日未明安値割れからは112円台後半(113.00円から112.50円)への下落を想定する。113円割れの水準は押し目買いも入りやすいとみるが。113.50円以下での推移が続くうちは27日も下向きと考える。

【当面の主な予定】

10/26(火)
東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(10/28まで)
アジアインフラ投資銀行(AIIB)年次総会(10/28まで)
米下院金融委小委員会、中国企業の米上場に関する公聴会
EU、エネルギー危機関連臨時会合
22:00 (米) 8月 米連邦住宅金融局(FHFA)住宅価格指数 前月比 (7月 1.4%、予想 1.5%)
22:00 (米) 8月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (7月 20.0%、予想 20.0%)
23:00 (米) 9月 新築住宅販売件数・年率換算件数 (8月 74.0万件、予想 76.0万件)
23:00 (米) 9月 新築住宅販売件数 前月比 (8月 1.5%、予想 2.3%)
23:00 (米) 10月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (9月 109.3、予想 108.3)
23:00 (米) 10月 リッチモンド連銀製造業指数 (9月 -3、予想 5)
24:45 (欧) ヴィルロワ・ド・ガロー仏中銀総裁、講演
26:00 (米) 財務省2年債入札

10/27(水)
日銀・金融政策決定会合初日
06:45 (NZ) 9月 貿易収支 (8月 -21.44億NZドル)
09:00 (NZ) 10月 NBNZ企業信頼感 (9月 -7.2)
09:30 (豪) 7-9月期 消費者物価 前期比 (4-6月 0.8%、予想 0.8%)
09:30 (豪) 7-9月期 消費者物価 前年同期比 (4-6月 3.8%、予想 3.1%)
15:00 (独) 11月 GFK消費者信頼感 (10月 0.3、予想 -0.5)
15:00 (独) 9月 輸入物価指数 前月比 (8月 1.4%、予想 1.5%)
15:00 (独) 9月 輸入物価指数 前年同月比 (8月 16.5%、予想 17.9%)
21:30 (米) 9月 耐久財受注 前月比 (8月 1.8%、予想 -1.0%)
21:30 (米) 9月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (8月 0.2%、予想 0.4%)
23:00 (加) カナダ銀行 政策金利 (現行 0.25%、予想 0.25%)
23:30 (米) EIA週間石油在庫統計
26:00 (米) 財務省5年債、変動利付2年債入札



注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る