ドルは再び上昇基調に、112円トライも視界内か(10/6夕)

6日の東京市場はドルが続伸。値幅はそれほど広くなかったが、「寄り付き安・大引け高」に近い恰好で見た目以上にドルが強い印象だった。

ドルは再び上昇基調に、112円トライも視界内か(10/6夕)

ドルは再び上昇基調に、112円トライも視界内か

〇本日のドル円、リスク回避の動きや米金利上昇を背景にドル買い優勢、夕方111.70-75へ上昇
〇昨日5日発表の米9月ISM非製造業総合指数は好数字、本日は米9月ADP雇用統計発表予定
〇ムーディーズは 米国のデフォルトに対し楽観的意見、続報に注意
〇ドル/円は直近高値112.08を超えれば、112.22や112.40を目指しドル続伸の可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは111.10-112.00、本日東京高値111.75-80が目先の抵抗

<< 東京市場の動き >>

6日の東京市場はドルが続伸。値幅はそれほど広くなかったが、「寄り付き安・大引け高」に近い恰好で見た目以上にドルが強い印象だった。

ドル/円は、寄り付いた111.40-45円を日中安値にじり高推移。途中一時上げ渋るも、夕方に掛けて再上昇に転じると111.75-80円まで値を上げている。いわゆるリスク回避の動きに加え、米金利が上昇したことなどを材料に、対円以外でもユーロや豪ドルなど全般的にドル買いの動きが優勢だった。16時現在、ドル/円は111.70-75円の高値圏をキープし、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「米債務上限問題」について。
前者は、共同通信が「中国国家主席、中央軍事委員会を開催し台湾への軍事圧力を指示」と報じたうえ、時事通信はマクマスター元米大統領補佐官が中国による台湾侵攻の可能性について、「来年の北京冬季五輪終了後は危険」との見方を示したと指摘し思惑を呼んでいたようだ。なお、そうしたなか米中高官は、6日にもスイスで通商問題や両国首脳による対面式会談の可能性を探る協議を行うもようだ。
対して後者は、格付け会社ムーディーズが「連邦債務上限が引き上げられ、同国がデフォルトに陥ることはない」とした根拠に乏しい楽観的見通しを開陳。ただ、米上院民主党トップが明らかにした「債務上限めぐり6日に手続き上の採決を行う」ことについて、野党共和党サイドは依然として譲歩する考えを見せておらず、妥結の見通しは不透明だ。もっとも、痺れを切らしたバイデン米大統領は、共和党の議事妨害を阻止するため、上院の規則を一時的に変更する現実的な可能性があるとの認識を示しており、続報などが注視されている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は目先高値112.08円から1円強の下押しが入ったことで、第一波の調整は終了した感もうかがえたが、実勢相場はというと想像以上にドルが強くVの字型の回復。本日東京時間の勢いをみると、全戻し達成の可能性を否定できないのかもしれない。米金利や株価の動き次第といった面は否めないものの、このあともドルは対円などで基本的には底堅い値動きをたどる可能性がある。
米金利動向への関心が高いという状況が依然として続くなか、引き続き発表される米経済指標には要注意。昨日は発表された9月ISM非製造業総合指数が好数字で米金利が上昇、為替市場は好感してドル高進行−−という展開をたどったが、本日も指標の内容如何では同様の動きをたどっても不思議はない。一方、それとは別に先でも取り上げたような、「米中高官の会談」や「米上院での債務上限めぐる採決」といった要因も場合によっては波乱要因となりかねないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は112.08円を目先高値に一時110.82円まで下押しが入るも、気が付くと111.80円近くで推移している。即座に1円近い戻りをたどっている計算だ。少なく見積もってもドルの下値不安はそれほど強くなく、むしろリスクは上向きか。112.08円を超えれば、112.22円や112.40円などを目指しドルはさらに続伸する可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には、「恒大集団」はじめとする不動産リスクが依然としてくすぶる「中国情勢」のほか、日経平均株価の8営業日連続下落も気掛かりな「日本の政局」や「新型コロナ関連」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月のADP雇用統計が発表される見込みで、こちらの数字にまずは要注意。ちなみに、予想値はプラス43万人程度だが、ここ数ヵ月は実数値が大きく乖離することも少なくない。いずれにしても、発表前後の金融市場には一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは111.10-112.00円。本日東京高値111.75-80円が目先の抵抗。超えれば112円台が再び視界内に捉えられそうだ。
対するドル安・円高方向は、111.30-50円レベルが短期のサポートゾーン。なかなか底堅いイメージだが、しっかり下回ると前回安値110.82円がターゲットに。

ドルは再び上昇基調に、112円トライも視界内か

ドル円日足


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