ドル円、年初来高値更新後に急落。月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りも重石(10/1朝)

月末30日(木)のドル円相場は年初来高値更新後に急反落。

ドル円、年初来高値更新後に急落。月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りも重石(10/1朝)

ドル円、年初来高値更新後に急落。月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りも重石

〇ドル円、米国時間にかけ112.07まで上値を伸ばすも、株価軟調、月末フロー等で111.24まで急落
〇米下院12/3までのつなぎ予算案可決、政府機関閉鎖一旦回避されたが、市場反応は限定的
〇ユーロドル米国時間にかけ1.1563まで下落、ドイツ政局不安、欧州株軟調推移等が背景
〇ドル円、テクニカルには主要チャートポイントの上での推移継続、地合いの強さ継続
〇ファンダメンタルズも米政府の一時閉鎖リスクが後退する等ドル円上昇材料増える
〇FRBの重視する本日発表の米PCEデフレータ次第でドル円上昇基調回復の可能性も
〇本日の予想レンジ:111.00ー111.80

海外時間のレビュー

月末30日(木)のドル円相場は年初来高値更新後に急反落。@米長期金利上昇に伴うドル高圧力(米10年債利回りが1.50%から1.55%へ上昇)や、A米早期利上げ観測を背景としたドル全面高の流れの継続、B本邦新政権樹立を見据えた政策期待(前日9/29に黒田日銀総裁が「大規模緩和を継続する」とハト派的な発言を行ったことも円売り要因)、Cテクニカル的な地合いの強さ(複数の買いシグナル点灯)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、年初来高値112.07(昨年2/21以来、約1年7ヵ月ぶり高値圏)まで上昇しました。

しかし、昨年2/21に記録した高値112.19や、昨年2/20に記録した高値112.22をバックに伸び悩むと(利益確定の売りに上値を抑えられると)、D米主要株価指数の軟調推移(米ダウ平均株価は557ドル超の下落)や、E上記Dを背景としたリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円連れ安)、F米経済指標の冴えない結果(米新規失業保険申請件数や米9月シカゴ購買部協会景気指数など)、G月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りフロー、H米長期金利の急低下(米10年債利回りは1.55%から1.49%へ急低下)、I短期筋のロスカット(急ピッチで上昇したドル高の反動)が重石となり、米国時間午後にかけて、日通し安値111.24まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、111.27近辺で推移しております。尚、米下院は昨日、12/3までのつなぎ予算案を賛成多数で可決しましたが、市場の反応は限定的となりました(10/1に政府機関が一時閉鎖されるリスクはひとまず回避)。

月末30日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。@欧米金融政策の方向性の違いを背景としたユーロ売り・ドル買い圧力(金融緩和の長期化を示唆するECBと、早期利上げ観測の高まるFRBとの金融政策格差)や、Aドイツを巡る政局不透明感(CDU・CSUとFDPは10/3に協議予定)、B欧州株の軟調推移(リスク回避のドル買い圧力)、Cテクニカル的な地合いの弱さが重石となり、米国時間午後にかけて、年初来安値1.1563(昨年7/23以来、約1年2ヵ月ぶり安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、1.1580近辺で推移しております。

本日の見通し

ドル円は年初来高値112.07をトップに反落に転じると、米国時間午後にかけて、安値111.24まで急落しました。短期間で加速したドル高・円安トレンドの反動が見られた格好となっております(月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りと、利益確定のドル売り、短期ロング勢のロスカットが重なったことが背景)。とは言え、ローソク足は主要チャートポイントより上側で推移している他(ダウンサイドに複数のサポートポイントが確認できる為、下値余地は限定的)、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転や、強気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(昨晩の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目)。

ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(来年末までの利上げ再開が織り込まれている米国と、緩和脱却の糸口すら掴めていない日本との金融政策格差)や、リスク回避ムードの後退(中国恒大集団を巡る懸念後退+過剰流動性相場の逆流リスク後退)、米政府の一時閉鎖リスクの後退など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。

本日は日銀短観、米8月PCEデフレータ、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数、米9月ISM製造業景況指数、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁発言、クリーブランド連銀メスター総裁発言などに注目が集まります。FRBが重視するPCEデフレータが市場予想を上回る結果となれば、米インフレ懸念再燃→米利上げ前倒し観測台頭→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円が再び上昇基調に回帰する可能性がある為、本日はドル円の反発リスクに注意が必要でしょう(ポジション調整一巡後に反発を想定)。尚、中国の金融市場は本日から7日まで国慶節で休場となります。

本日の予想レンジ:111.00ー111.80

ドル円、年初来高値更新後に急落。月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りも重石

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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