ドル円、約3ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。米長期金利の急伸がドル高の背景
〇ドル円、一時約3ヵ月ぶり高値となる111.64まで急伸、米長期金利上昇が背景
〇その後は発表された消費者信頼感等の米指標が不冴えで伸び悩み、111円台半ばでの推移
〇ユーロドル、米長期金利上昇と独政局不透明感、ラガルドECB総裁のハト派発言等で1.1669まで下落
〇ドル円、年初来高値111.67に肉薄、主要テクニカルポイント上抜けテクニカルの地合い強い
〇本日自民党総裁選投開票、米当局者発言に要注目
〇月末前の特殊フローも見込まれる中、ドル円続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:111.10ー111.90
海外時間のレビュー
28日(火)のドル円相場は大幅続伸。@米早期利上げ観測の台頭を背景とした米金利の上昇圧力(米10年債利回りは約3ヵ月半ぶり高水準となる1.56%へ急上昇。米2年債利回りは約1年半ぶり高水準となる0.32%へ急上昇)や、A上記@を背景とした対主要通貨でのドル買い圧力、Bテクニカル的な地合いの強さ(一目均衡表三役好転+強気のバンドウォーク成立)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、7/2以来、約3ヵ月ぶり高値となる111.64まで急伸しました。
しかし、7/2に記録した年初来高値111.67をバックに伸び悩むと(戻り売り圧力が強まると)、C米9月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲3、予想10)のマイナス圏転落や、D米9月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果109.3、予想114.5)の冴えない結果が重石となり、本稿執筆時点(日本時間午前5時00分現在)では、111.50近辺で推移しております。尚、パウエルFRB議長は昨日、「テーパリングを行ったとしても資金供給は来年半ばまで追加されることになる」「利上げの開始条件はより高いものとなるだろう」などのハト派的な発言を行いましたが、市場の反応は限定的となりました。
28日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。@米長期金利上昇に伴うドル高圧力や、Aドイツの連立政権樹立を巡る先行き不透明感、BラガルドECB総裁によるハト派的な発言(インフレ率が一時的に目標をやや上回ることを容認。緩和的な金融政策がなお必要)、Cテクニカル的な地合いの弱さ(直近安値の下方ブレイク+一目均衡表三役逆転成立)が重石となり、米国時間にかけて、8/20以来、約1ヵ月ぶり安値となる1.1669まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時00分現在)では、1.1685近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時111.64まで急伸するなど、7/2に記録した年初来高値111.67まであと3pipsへと迫りました。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や90日移動平均線、一目均衡表雲上下限といった主要チャートポイントを軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や、強気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります。本日中に強気のパーフェクトオーダー成立も見込まれることから、ドル高・円安トレンドは暫く続くと考えられます。
こうした中、本日は自民党総裁選の投開票や、米当局者発言(パウエルFRB議長、アトランタ連銀ボスティック総裁、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁など)に注目が集まります。前者については余程サプライズが見られない限り、総裁選及び衆院選通過後の政策期待を背景に、株高→円売りの波及経路が予想されます。後者についても、足元の急ピッチな米金利上昇を横目に一部牽制を目的とした発言が出てくる可能性はあるものの、市場による催促相場(米早期利上げを織り込む動き)の流れは力強く、簡単には止まらないと考えられます。月末前の特殊フロー(本邦四半期末に向けた公表相場や月末ロンドンフィキシングなど)も見込まれる中、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(7/2に記録した年初来高値111.67を突破した場合は、昨年3/24に記録した約1年半ぶり高値111.72や、昨年2/20に記録した約1年7ヵ月ぶり高値112.22が射程圏内に→想定外のドル高・円安に要警戒)。
本日の予想レンジ:111.10ー111.90
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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